同時期に、夫は職場で後輩に先に出世されたことでストレスを溜めており、義両親の非常識な行動がそれに拍車をかけました。夫は日に日に不機嫌になり、些細なことで私に八つ当たりするように。私たちの夫婦仲は、次第に冷え切っていきました。
夫の怪しい行動と衝撃の事実
夫の私へ対する態度はどんどんひどくなり、最近では話しかけても無視されるようになり、平日は帰りが遅く、休日も朝から出かけてしまう毎日。服装や持ち物も気にするようになり、家にいるときはスマホから肌身離しません。女性用のアクセサリーを検索している画面も見えてしまい、女性の影がちらつくように……。
そんな中、夫の浮気を確信する出来事がありました。私の祖父が、仕事中であるはずの平日の昼間に、夫が見知らぬ派手な女性と手をつないで歩いているのを目撃したのです。祖父の話を聞き、浮気の疑念が確信に変わり、私はすぐに探偵に依頼しました。
2週間ほどの調査で、浮気は確定。しかも、夫は私の知らない間に会社を退職していたこともわかりました。私に内緒で仕事を辞めて、浮気までしていたなんて……。探偵から調査報告を受けたその日の夜、私は離婚を決意。離婚後の生活を見据え、実家に戻るため私も今の仕事を辞めることにしました。
私はすぐに、できるだけ早く退職できるよう会社に相談。そして退職した日、最後の仕事を終え帰宅した私は、夫に離婚を切り出そうと、まずは仕事を辞めたことを告げたのです。すると夫は……。
「寄生虫は不要！」夫からの離婚宣告
一瞬、驚いたような表情をした夫でしたが、すぐにニヤリと勝ち誇ったような表情になり、私に離婚届を突きつけてきました。
「無職の寄生虫を養う気はない！ 離婚だ！ 今すぐ出てけ！」
なんと夫は、すでに離婚届を用意していたのです。きっと、浮気に本気になり、私に離婚を切り出す機会をうかがっていたのでしょう……。
まさか、先に離婚を迫られるとは想像していなかったため、正直驚きましたが、私は、冷静に切り返しました。「私も離婚するつもりでした。だって、あなた不倫しているものね？」そう告げると、夫は一瞬動揺したものの、「慰謝料がほしいわけ？ いくらでも払ってやるよ」と嘲笑してきました。
実は、夫の不倫相手は、私の祖父の知り合いで、地元では有名な企業の社長の娘さん。つまり社長令嬢でした。夫が強気に出たのは、社長令嬢の婚約者として、彼女の父親の会社に、次期社長として好待遇で転職が決まっていたからだったのです。私に内緒で仕事を辞めていたのも、おそらくそのためだったのでしょう……。
そんな強気な夫に私は「私のおじいちゃん、あなたの不倫相手の父親と知り合いなの」と告げました。そして私が、不倫相手の父親にすべてを話したと伝えると、夫はみるみる青ざめていったのです。夫は、既婚者であることを隠して社長令嬢と交際し、婚約者としてご家族にあいさつまでしていました。
離婚を決意して以降、弁護士にも相談しながら着々と離婚の準備を進めていた私。祖父にも協力してもらい、つい先日、夫の不倫相手の父親に会ってすべてを話しておいたのです。当然、不倫相手の父親はものすごく怒っていて、次期社長の話も、採用も、もちろん娘さんとの結婚もすべて白紙にすると言っていました。
すべてを話し終えた私は、あ然とする夫を残して家を出て、実家に戻りました。
夫の人生はめちゃくちゃに…
その後、弁護士を通して夫と話し、離婚が成立。私は夫に慰謝料を請求しました。離婚後、残っていた荷物を引き取るため私が元夫の家に行ったある日、荷物をまとめていると、インターホンが鳴りました。私が玄関のドアを開けると、そこに立っていたのは義両親！
実は、離婚を決意した際、私は義両親にも連絡を入れていました。元夫が社長令嬢と不倫をしていて、再婚まで考えているようだと伝えると、義両親は自分たちを養ってもらえると大喜び。この日は、私たちの離婚が成立したことを知り、同居するため押しかけてきたのでした。
「養ってちょうだい！」と詰め寄る義両親と、「帰ってくれ！」と泣き叫ぶ夫。親子で騒いでいる間に、私は家を出て実家に戻りました。
結局、あの後、元夫は押しかけてきた義両親が強引に同居を始め、不倫相手とその父親からは激怒され、もちろんすべてなかったことに。しかし、義両親は相変わらず金遣いが荒く、無職の元夫に寄生する生活。人生はめちゃくちゃになったようでした。
一方の私は、実家に戻ってすぐに転職先も見つかり再就職し、今は両親と3人で穏やかな毎日を送っています。ひとり暮らしをしている祖父も近々、同居することが決まり、これからは家族4人で幸せな生活を送れそうです。
◇ ◇ ◇
身勝手な理由で妻を裏切り、不倫相手にも嘘をつき、その家族まで騙していたなんて、本当に身勝手な夫でしたね。人を傷つける行動を続けた夫に待っていたのは、すべてを失い、義両親を養わなければならないという苦しい未来。これは当然の結末だったのではないでしょうか。家族に限らず、関わる人には常に、誠実でありたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
