彼女が弟と付き合う宣言
フリーランスで仕事をしていた僕は、恋人のA子からいきなり「あなたは安定した将来が見えないから、弟のB男くんと付き合う」という理由で別れを告げられました。大手企業に勤めている弟が魅力的に見えたよう。
さらに、僕とB男は上京して以来2人で暮らしていたのですが、「悪いな兄さん。俺、A子と同棲するから、家も譲ってくれよ」と言われてしまい……。
ショックではありましたが、心変わりしてしまったのであれば仕方ありません。2人ともいい年齢ですし、結婚を見据えて同棲したいという気持ちもわかります。
僕は別れを受け入れ、家を出ることにしたのでした。
僕が起業すると…
ひとり暮らしを始めて1年後、僕は以前からの夢であった起業をしました。そして、わが社が開発したAI技術が業界内で話題になり、大手企業との仕事も舞い込んでくるようになったのです。
次第に僕だけでは仕事が回らなくなり、従業員も雇うように。まだまだ小さい会社ではありましたが、ある日、僕はベンチャー企業の社長として、雑誌の取材を受けました。
すると、家を追い出されて以降、音沙汰がなかったB男から、「雑誌を見たよ」と久しぶりに電話がかかってきたのです。
「久しぶり! 事業で成功したんでしょ? 雑誌の写真、カッコよかったよ!」
僕に媚びるような連絡に嫌な予感がし、「何かあったの?」と冷静に返事をしました。すると、B男は驚きの発言をしたのです。
「兄弟なんだし、当然おすそ分けはあるよね?」
僕の金を欲しがるA子とB男
「おすそ分けって、金が欲しいってこと?」と聞き返すと、B男は「そうだよ」とのこと。B男は1カ月ほど前に会社を辞めて、お金に困っているそう。辞めた理由は、「あそこの会社は自分の能力を正当に評価してくれないから」と言います。
フリーランスのときよりは稼げるようになりましたが、お金をあげるほどの余裕はありません。僕は「お金は渡せない。生活に困っているなら、バイトでもしてくれ」と言って電話を切りました。
それから数日後、今度はA子から電話がかかってきました。
A子からも「社長になったんでしょ?」と言われ、僕は冷たく「そうだよ」と返答。A子が連絡してきた理由はなんとなく予想がついたので、「B男と何かあったの?」と聞きました。
「B男くん、会社を辞めちゃって……。私やっぱり、B男くんよりあなたのことが好き! 家に戻ってきてよ。B男くんのことは追い出すから」
僕はA子の発言にあきれてしまい、「金を求めて僕たち兄弟を振り回すのはもうやめてくれ」と一蹴し、電話を切ったのでした。
僕たち兄弟のその後
その後、僕はA子からの電話の内容をB男に報告。B男はA子の裏切りにとてもショックを受け、就職活動がうまくいっていないこともあり、体調を崩してしまったよう。
僕は仕方なく2人が住む家へ。A子に対して「もう僕たち兄弟から取れる金はないよ。金が欲しいなら他の男に寄生したほうがいい」と言って家から出て行ってもらいました。
そして、B男は僕に「彼女を奪ったうえ、家から追い出して本当にごめんなさい。このようなことは二度としない」と謝罪。僕は謝罪を受け入れ、しばらくは僕の会社で働いてもらうことにしたのでした。
恋愛により一度は縁が切れそうになってしまった僕たち兄弟ですが、この出来事によって、ある意味2人の絆は深まったのではないかなとも思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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