妹へのお下がりを欲しがる義妹
夫が不在だったある日、突然隣町に住む義母と義妹がわが家に遊びに来ました。義両親、義妹夫婦とは、月に一度は食事に行っていましたが、夫がいない日に来ることはこれまでになく、驚く私。きっと息子に会いに来たのだろうと思い、お茶を出して話をしていましたが、2人はリビングや和室をキョロキョロと見回し、妙に落ち着きがありません。
「どうされました?」と聞くと、義妹がにこにこしながら「実は妊娠しました〜♪」と言います。私は驚きつつも喜んで「それはおめでとうございます」と伝えると、義妹から返ってきたのは「だから息子くんが使ってたベビーカーとかハイチェアとか、全部もらって帰るね! 今まで使ってたやつってどこにあるの?」というまさかのひと言でした。
あまりに突然、しかも当然のことのように言われ、思わず絶句。息子が使っていたベビー用品は、妹に子どもができたら譲る約束をしていたので、私の実家に一時的に預けていたのです。この家には置いていないことを伝えると、義妹は「は!? 私、妊娠したのよ!? 私のほうが先なんだから、実家から取り返してきてよ」と怒り出しました。
さらに義母まで「そんな意地悪して楽しい? 赤ちゃんができるって喜ばしいことでしょう?」とまるで私が意地悪でベビー用品を実家に置いているような言い草です。しかも、義妹は息子のお気に入りのおもちゃを「じゃあ、とりあえずこれもらって帰るね」と勝手に持って帰ろうとし、泣く息子に対し「赤ちゃんが優先なの! 男の子はやさしくないとモテないよ」などと言うのです。さすがに私は我慢の限界が来て、半ば追い出すように2人に帰ってもらいました。
その夜、帰宅した夫が「母さんから聞いたよ。うちが使ってたベビー用品、全部うちの妹にあげるんだって? 次の週末、遊びに来るついでに運んでって頼まれた」と言います。私は驚き「うちの妹の出産で譲る約束だったよね? それに、あなたの実家が買ってくれた物ならいいけど、ベビーカーもハイチェアも私の実家が買ってくれたものよ」と伝えました。
すると夫も「そりゃそうだな」と納得してくれたので、義母にその場で断りのメールを送ってもらいました。義母は私に言ってきたことと同じことを夫に返信してきて、なかなかこちらの思いが届かず、次の週末休みにきちんと会って断ろうという話に。
その週末、義実家に行くと、「待ってました」と言わんばかりの義母と義妹が出迎えます。夫が「メールでも言った通り、もともと向こうのご両親が買ってくれたものだから、あちらの妹さんに譲るって決まってたんだよ」と伝えると「ほんとに持ってきてないの!? お兄ちゃんのケチ!」と義妹が騒ぎ出し、義母も「まだあちらの妹さんに使う予定ないならいいじゃない」と加勢してきました。
一方的な言い分に私も夫も困り果てていたそのとき、玄関先で会話の内容を聞いていた義父が「いい加減にしろ!」と大きな声で怒鳴ったのです。「あちらのご両親が買ったものを全部よこせとは何事だ! 自分たちで何も用意していないのに、情けなくないのか!」と怒鳴られ、義母も義妹も沈黙。
私が「赤ちゃんができたこと、本当におめでとうございます。でも、私の両親が買ってくれたものを“もらえて当然”と言われるのは、やっぱり違和感があります」と伝えると、夫も「自分たちでベビー用品見て回るのも、結構楽しいんだよ」と話します。義母がぽつりと「そうよね」とつぶやきました。義妹も、「妊娠がうれしくて周りが見えていなかった。うち、家計に余裕がないからお下がりなら節約になるって思ったの。ごめんなさい」と謝罪。謝ってくれたことで、今回のことは許そうという気持ちになり、この話は落ち着きました。
しかし実はこのあと「じゃあ、お祝い、何ならくれる?」と言い出した義妹に呆れた私たち夫婦は、出産祝いを送って以降、義妹と距離をおいています。妊娠、出産は喜ばしいことですが、「もらえて当然」のような態度では、祝う気持ちが薄れてしまうことも。自己中心的な態度や行動をしないよう、自分も気をつけなければと考えさせられた出来事です。
著者:水沢ありか/30代・ライター。鉄道が好きな9歳の息子を育てるアラサーママ。休日は親子で電車を眺めに出かけて楽しんでいる。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
【Amazonギフト券プレゼント♡】みなさまの体験談を募集しています!
妊娠中や子育て中のエピソードを大募集!「ベビーカレンダー」のニュース記事として配信、公開いたします。体験談を掲載させていただいた方の中から、抽選で毎月5名様に1000円分のAmazonギフト券をプレゼント。何度でも応募可能ですので、奮ってご応募ください♪どうぞよろしくお願いします!