「駅から徒歩1分」は何メートルでしょうか?
不動産広告の「駅から徒歩〇分」の表示。その基準となっている「徒歩1分=何メートルでしょう?」
① 約60メートル
② 約80メートル
③ 約100メートル
④ 決まっていない
①〜④のうち、どれが正解でしょうか?
果たして答えは…
正解は「約80メートル」!
「人それぞれ歩く速度が違うから決められないでしょ?」と思った方もいるのでは。実は不動産業界にはちゃんとした基準があるのです!
不動産の表示に関する公正競争規約で決められています
徒歩による所要時間の表示
道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。
出典:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則
なぜ80メートルなの?
この「80メートル=1分」という基準は、一般的な大人の歩行速度を基に設定されています。ハイヒールを履いた女性が歩く速さを想定して、少し余裕を持たせた基準になっているという説も。そのため、多くの人は「表示時間より早く着く」と感じる傾向があるようです。
ただし、これはあくまで「道路距離」での計算。実際には以下の点にご注意を。
・信号待ち時間は含まない
・坂道や階段があっても同じ計算
・1分未満は切り上げ(例:30秒でも「徒歩1分」と表示)
2022年9月1日施行の「新 表示規約・同施行規則」で表記がより厳格に!
2022年9月1日に不動産公正取引協議会連合会による「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」の改正が施行。徒歩所要時間の算出方法がより厳格・正確になりました。
分譲住宅の出入口を起点とする
改正前は物件の敷地から最も近い地点を起点としていましたが、改正後は建物の出入口(エントランス)を起点として計算するように。これにより、実際の住民の動線に近い時間表示が可能になっています。
最短・最長時間の両方を表示
複数の棟や区画がある団地・マンションでは、最も近い住戸と最も遠い住戸の両方から算出した徒歩時間を表示することが義務化。例えば、「駅まで徒歩3分~8分」という表記になります。
これらの改正により徒歩時間の表示はより正確になりましたが、「道路距離80メートルにつき1分間」という基本的な計算式は変更されていません。
正解できたでしょうか。もし間違えた場合はこの機会に覚えて、まわりにクイズとして出してみてくださいね!
イラスト/タワシ