鎮痛薬を切らし、痛みに耐えていた
私は生理2日目と3日目に生理痛がひどくなるタイプです。動くのもつらいときがあり、そんなときは鎮痛薬を服用するようにしています。
ある生理1日目。常備していた鎮痛薬が切れていたことは知っており、仕事が落ち着いたら買いに行こうと思っていました。けれど、次第に腹部が痛み始め、体がだるくなってきて……。私は落ち着くまでひとまずリビングのソファで横になり、少し休むことにしました。
この日、父は仕事が休みで、買い物に行きたかったようです。リビングのソファで横になる私を見て、「車、出してくれない?」と頼んできました。父は車の免許を持っておらず、行きたいところがあるときは、自転車で行くか、私が車を出すのです。
父は小さな買い物や近場の場合、自転車で行くことが多いですが、声をかけてきたということは、自転車では行けない場所だったのでしょう。しかしこのとき、私は車を運転できるほど回復していなかったので、生理で体調がすぐれないことを理由に断りました。
そして父は出かけていった…
私に断られた父は、出かける準備をして自転車に乗りどこかへ出かけて行きました。このとき、私は少し眠くなってきており、いつの間にか夢の中へ……。
そして1時間ほど経ったころでしょうか、私は父に起こされました。
すると、父は私に薬局の袋を渡してきました。袋の中を見てみると、さまざまな種類の生理用の鎮痛薬が。私が普段、どの鎮痛薬を使っているのかわからず、店頭に並んでいたものをすべて買ってきたそうです。
意外!生理中の体調を気にしてくれる父
私の中で父は、家族に興味を示さず仕事ばかりする人間というイメージでした。そのためまさか私のことを気にかけてくれるなんてとビックリ。
そしてこの日を境に、生理痛でつらそうにしている私を見ると、心配してくれたり薬箱からストックしている市販薬を持ってきてくれたりするように。父は父なりに私のことを気づかってくれているのだなと感じた経験でした。
仕事人間の父は昔から家にいることが少なく、正直、私はあまり父との思い出がありません。幼いころは「どうしてうちのお父さんは、友だちのお父さんと違うんだろう」と何度も悩んだこともあります。しかし、大人になって父と話をする機会が増え、このときのように新しい一面を見るように。特に、このときの出来事は、父の印象を変えた出来事となりました。
著者:佐藤里桜/女性・主婦
イラスト:ふるみ
監修:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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