遠縁の男性がセクハラ発言…
夫の実家は、コミュニティ意識が強い昔ながらの田舎にあります。しかも、夫は長男。結婚前のあいさつで義実家を訪れると、なんとその日のうちにご近所さんをはじめ、親類縁者の家へ義母とあいさつ回りをすることになったのです。
氏神様へのお詣りから始まり、菩提寺に、ご近所回り……と、どこも結婚を歓迎してくれて、ほっと一安心したのもつかの間。親類縁者を回って、最後に訪れた親戚のお宅が問題でした。着いて早々、遠縁の70代の男性が無遠慮に私の体を眺めては「お嫁さんは安産型だから、後継ぎも安心だね」と笑いながら言うではありませんか! 堂々としたセクハラ発言に不快感を覚えましたが、義母からは何のフォローもありません。仕方なく、「そうだといいんですが……」と、そのときは受け流すことしかできませんでした。
しかし、第1子を出産後、今度は生後3カ月の長女を連れて同じくあいさつ回りをすることに……。あの不愉快な男性に再び会わなければならないと思うと気が重かったものの、義母の手前断れず、今度は夫と娘の3人で前回と同じ家々を順番に訪ねました。
やはり今回も最後に遠縁のお宅に着くと、案の定私の体をジロジロ見ながら、「はー、女の子なの? お嫁さんは安産型だから男の子だと思ったのにな~」「長男の嫁ならちゃんと男の子を産まなきゃ。次は絶対、跡継ぎを産んであげてよ?」「奥さんが男の子産めるように、お前ももっとしっかり食わせてやらんとな!」と男性は言いたい放題。
失礼極まりない発言のオンパレードに私が絶句していると、最後まで黙って聞いていた夫がようやく口を開き「ありがとうございます、妻の体のことも大事に考えてくれて」と嫌味のように笑顔でお礼を。続けて「子どもは授かりものですから。娘がそのような言葉を聞いたら傷つきますし、今度からは男の子が生まれたときだけご報告しますね!」「長距離移動で妻や子どもに負担をかけてはいけないので、次の機会があったらお宅は僕だけで伺うことにします!」とひと息に言ったのです。
笑顔で青筋を立てている夫の痛快な返答にさすがの男性も閉口し、私たちはその場をあとにしました。義母には夫から、男性側の気遣いでもう家には訪問しなくていいことになったと告げたようです。加えて、赤ちゃん連れでの移動の大変さを訴えてくれ、次からは法事や会食で一堂に会するときだけのお披露目でいいことになりました。
長女の出産から2年後、私たちは2人目の子どもを授かりましたが、女の子だったためもちろん報告には行っていません。
跡継ぎの男の子を産んでほしいというような、田舎にまだまだ残る昔ながらの慣習には戸惑う場面も多いですが、夫がしてくれたように、しっかり意思を伝えていこうと思った出来事でした。
著者:田村ゆい/30代・ライター。おしゃまな6歳とマイペースな3歳の姉妹を育てる母。夫が単身赴任中のため、毎日ワンオペで奮闘中。賑やかな娘たちと慌ただしい毎日を過ごしている。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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