沙織が産休に入ると、守は沙織に仕事をやめるように言われ退職しました。沙織の仲のいい同僚の2人が、陰で沙織の悪口を言っていて、悪巧みをしていると言うのです。
その後、無事に男の子・晴人を出産。守は、完璧な専業主婦になるための家事リストを沙織に手渡しました。そこには、「おかずは3品+汁物」を用意することなどがリストアップされていました。そして、守は自分好みの白い服を沙織にプレゼント。ただ、クローゼットにあった沙織の服がすべて処分していたのです。
その後、「理想の母親であるべきだ」と持論を展開する守に、沙織は不気味な違和感を覚えていくのでした。
ある日、沙織はお隣の大山さんに会いました。沙織の変化を感じていた大山さんは、沙織に、きちんと食べているのかと確認します。「夫の希望で毎日おかず3品だから栄養たっぷりです」と答える沙織。続けて専業主婦なのに完璧な家事育児ができないとこぼす沙織に、大山さんは顔を曇らせ、「暴力は手をあげるだけじゃない」「産後の妻に完璧を求めるのもちょっとしたDVになるんじゃないかな」と言いました。
沙織はこれまでの守の言動を振り返ります。
「母親らしい服にしないとね」「必要なお金は渡すから安心して」「家のことは完璧にこなしてほしいんだ」
沙織は「もしかして……」と守を疑い、ゾッとするのでした。後日、買物をしていると、沙織は同僚の恵美に偶然スーパーで出会いました。沙織はここでまさかの事実をしることになるのです。
疎遠になっていた友人と再会すると、まさかの事実が!
スーパーで買い物をしていると、偶然、会社の同僚の恵美に再開した沙織。再会を喜ぶ恵美に、沙織は心の中で「私のこと嫌ってるくせに……」と戸惑います。
恵美に「赤ちゃんかわいいね」と言われると、思わず「もう6カ月だよ。1度も会いにこなかったもんね」と皮肉を言ってしまいました。
「すぐにでも会いに行きたかったけれど、沙織の体調を心配して控えていた」と言う恵美。
沙織は、恵美が嘘を重ねていることにイラだち、沙織は思い切って自分の気持ちを恵美に伝えることに。
「もう嘘はやめてほしい」「私に何か悪いところがあったんだよね? 」と言って、半年間連絡をくれなかったことを問い詰めました。その問いは、沙織がずっと胸に抱えていた寂しさと痛みを物語っていました。慌てた恵美の口から語られたのは、衝撃的な事実でした。
「だって沙織……産後うつで調子悪いんだよね?」
思いもよらない言葉に、沙織は一瞬言葉を失いますが、「なんの話?私、産後うつにはなってないよ」と言いました。
すると恵美は続けます恵美は動揺します。
「だって私たち……島本くんからそう聞いたんだよ」
なんと守がそう伝えたいたと言うのです。沙織の頭は真っ白になってしまいました。2人の再会は、見えない悪意の存在を浮かび上がらせるのでした。
◇ ◇ ◇
友人とのすれ違いを生んだ原因は、信じがたいことに「夫」が吹き込んだ嘘でした。身に覚えのない「産後うつ」という言葉に、沙織が言葉を失うのも無理はありません。一番の味方であるはずの人の裏切りに……もしあなたが沙織の立場だったら、どう向き合いますか?