キャンプ場で出会った親子
キャンプ場ではすでに1組の家族がいたので、あいさつをしてさっそく設営。息子と一緒にテントを設置していると、テントのそばに見知らぬ子がいました。もう1組の家族の子どもです。年齢は1歳半ぐらいでした。両親はテントでくつろぎ、少し年上のお兄ちゃんは虫取りに夢中。「危ないからママとパパのところ行こうね」と伝え、手を引いて連れて行きました。その子の両親は「Aくん! あ~すみませ~ん」と謝ってくれたので、私も戻って設営の続きをすることに。
設営後、お昼ごはんの準備をしていると「それ僕の!」と息子の怒る声が。見ると、先ほどのAくんが椅子に座ってうちの息子のおやつをにぎりしめていたのです。夫はどうしていいかわからず苦笑い。おやつの袋を放さないので、そのまま両親のもとへ連れて行くと「おやつもらったの? よかったね」と言うので「いえ、息子のおやつを離してくれなかったので、このまま連れてきたんです」と伝えておやつを返してもらいました。
その後もことあるごとにこちらのキャンプサイトに来ては勝手にキャンプ道具を出したり、食べ物を食べようとしたりする始末。両親は気にもかけず、優雅にコーヒーを飲んでいます。私は我慢の限界を迎え「あの、先ほどから何度もこちらに来て好き放題するので困ってます。けがをすると危ないので、きちんと見ていただけますか?」と話しました。
すると、Aくんの両親は謝るどころか「大丈夫ですよ。わが家は放任主義なので。子どもは自分で経験して学んでくれたらいいので」と言うのです! 開いた口が塞がらず、巡回していた管理人に経緯を話し、注意してもらうよう伝えました。どう注意されたのかまでは見ていませんが、その後Aくんはわが家のほうに来ることはなく、ひと安心。
しかしそれから約20分後、昼食も終え、午後から息子と虫探しをしていたときです。「ママ! あの子、危ないとこにいるよ」という息子の声に顔を上げると、Aくんが少し崖のようになっている場所へ歩いて行っているではありませんか! 足を滑らせるととても危険。Aくんの両親は私たちよりもAくんの近くにいるものの、夫婦でスマホを見ていて、またもや気づいていません。
私は慌てて走りAくんのもとへ向かいますが、Aくんはそんな私の焦りにも気づかずどんどん下へ降りようとします。これ以上は危険すぎると感じた私はとっさに「子どもが落ちる!」と叫びました。
すると声を聞いたAくんのパパが大慌てでAくんの元へ向かい、ギリギリ落ちずに済みました。「崖から落ちて取り返しがつかなくなっても、それも学びですか? 放任と放置は違うと思います!」と思わず怒ってしまった私。一歩間違えれば大惨事になっていたかもしれません。Aくんのママはポロポロと涙を流し何度もお礼を言い、パパは心底ホッとしたように子どもを抱きしめていましたが、あまりにも無責任すぎたふたりには同情する気にもなれず、私は「しっかりしてくださいね」としか言えませんでした。
もちろん子どもたちに経験から学ばせることも大切だと思います。しかし、年齢や場所を考え、適切に親が見守る姿勢を忘れてはいけないとも思うのです。特に自然の中には、思わぬ危険がひそんでいることも少なくないです。改めて自分も気をつけて子どもを見守ろうと、気が引き締まった出来事でした。
著者:立川りか/30代・ライター。7歳の男の子を育てるママ。息子の好きを全力で応援するため日々奮闘中。虫が大の苦手だが、息子の虫取りに付き合ってきたおかげで少しだけ耐性がついてきた。食後のデザートや週末の晩酌がご褒美。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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