初期胎児ドッグという検査の結果、『13トリソミー』あるいは『21トリソミー』の可能性を指摘された、 かばのきさん。夫と話し合った結果、「もし検査結果が陽性だったら、私はこの子を諦めたい」と苦渋の決断をします。
しかし、絨毛検査前のエコー検査で、おなかの赤ちゃんの心拍が停止していることが判明。かばのきさんは安堵と悲しみの狭間で揺れながらも、後日、分娩処置のために入院します。
激しい痛みを伴う前処置を乗り越え、ついに対面を果たしたわが子。かばのきさんは、最後の最後まで赤ちゃんとの時間を大切にします。
そして迎えた退院日。かばのきさんは穏やかな表情を浮かべ、家族とだんらんのひとときを過ごしますが、夜になると急に激しい悪寒に襲われ体調が悪化。病院を受診し、ストレスが原因と診断されます。入院を勧められるも、かばのきさんの希望によりそのまま退院。その翌々日、火葬の日となりました。
※初期胎児ドック…胎児に染色体異常の可能性やその他の身体的疾患がないか調べるためのより精密な超音波検査。
※絨毛検査…胎盤の一部である絨毛を採取して、胎児の染色体や遺伝子の状態を調べる検査。
※不妊治療、死産についての表現があります。苦手な方は閲覧をお控えください。また、医療行為や症状については専門家にお尋ねください。
「なにも持ち帰らない」と決めていたけれど
赤ちゃんを火葬する日。
きっと灰しか残らないと考えていたかばのきさんは「なにも持ち帰らないでいよう」と考えていました。夫はかばのきさんの気持ちを優先し、賛成も反対もしなかったそう。
2日ぶりに再会した赤ちゃんの変化に心を締め付けられながら、最後の時を過ごします。
最後に赤ちゃんにかける言葉を懸命に考え、伝えたのは「いーーーっぱい遊ぶんだぞ~」という言葉でした。
火葬後、銀色のトレイには、小さな小さな遺骨が残っていました。
職員の方が、骨が残るように火力を調整してくれたとのこと。
「連れて帰ろうよ」
夫のつぶやきに、かばのきさんは「うん」と小さく返事をしました。
▼かばのきさんは、お骨が残ってくれるとは思わず、骨となった姿を目の前にして、夫の言葉に反対する気持ちはなかったと言います。とても小さな、小さな赤ちゃん……。それでも、わが子はその心臓を止めるまで成長してくれていたのだと、かばのきさんは改めて実感したそうです。赤ちゃんが安らかに眠られますよう心からお祈りいたします。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
※副葬品について:基本的に「燃焼の妨げになるもの」「遺骨を損なうもの」「火葬炉を傷めるもの」は入れてはいけないとされています。地域や火葬場の規定によって細かく異なるため、実際には葬儀社や火葬場に確認してください。
※火力の弱い火葬炉を備えている火葬場もありますが、かばのきさんの言うように、小さい胎児は遺骨を残せないことも少なくありません。遺骨が残せなかった場合に備え、火葬前に小さな手形や足形を残したり、胎児の髪を切って残しておいたりすることなども一つの方法です。
かばのきさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。