あーちゃんは今のところ、施設から家に帰りたいとは言っていませんが、いつまでいるのかと口にするようになりました。そのたび、父と離れて自立して生きていかなければならないことを説明し、あーちゃんも「そうね、そうね!」と言うものの、おそらく理解はできていない様子……。さらに、何度説明しても「入院している」と思い込んでしまうのも、厄介です。それでも、あーちゃんは感謝の気持ちを毎回言葉にして伝えてくれるので、ワフウフさん姉妹はその言葉にとても救われています。
気遣いはうれしいけれど…

あーちゃんのところへ行くたびに、歩かせるためにいろいろな場所に行っています。

あーちゃんは、外に出られることをとてもよろこんでくれますが、私の子どもたちのことを気にして、私を早く帰そうとします。

こう言うのですが……。

私がタクシーに乗ったあと、どう説明するのか? と確認すると……。

わからないと言い、慌てています。

そこで、近くのバス停を教えてあげると……。

もう大丈夫! と笑顔になりますが……。

バスを降りてからどうするのか確認すると……。

やはり慌てています。そもそも、外出届を出して連れ出している状態なので、ひとりで帰るなんて無理な話。気遣いはありがたいのですが……現実的ではありません。
私たち姉妹は、あーちゃんのところへ行くたびに、いろいろなところへ出かけています。あーちゃんは外に出られて、たくさん歩けることをとてもよろこんでくれるのですが、私の子どもたちのことを気にして、なんとか早く帰そうと気遣ってくれます。駅を見るたびに「ここから帰りなさい! 私はタクシーで帰るから」と言うのですが……。
そもそも、息子は部活に遊びにと忙しくてほとんど家におらず、娘も受験のため塾で毎日帰りが遅いので、私が早く帰ったところで家に子どもたちはいません。それでも、あーちゃんが孫を気遣う気持ちをまだ持ってくれているのは、素直にうれしいです。ただ、タクシーの運転手さんに何と言って帰るのかと聞くと「わからない……」とオロオロ……。バス停も、名前を教えたところでそこからどっちに向かって歩くのかがわからず、またオロオロ……。
もうひとりで帰るなんて、できるわけないのです。外出届を出して施設から連れ出しているのに、あーちゃんをひとりで帰すわけにはいきません。気遣いはありがたいですが、毎回のように非現実的なことを言うのはやめてほしいです……。
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これだけわからないことが増えているのに、孫のことはしっかり覚えていて、さらに気遣いまでできるのは、それだけあーちゃんが孫をかわいがっていた証拠なのでしょう。自分の思い通りに動けないというのは、どんな気持ちなのだろうと考えると、胸が痛くなりますね。
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