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「施設なんか…」悪気はないとわかっていても、他人からの言葉が突き刺さる #母の認知症介護日記 229

「母の認知症介護日記」第229話。アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。

施設に入居した翌日、母・あーちゃんは愛用していたウィッグをあっさり外していました。一度外してからは、ワフウフさん姉妹がつけるかどうかを聞かないと取り出してこなくなっていて、あれだけこだわっていたのに……と、ワフウフさんはビックリ。そして、ウィッグをつけた自分の姿を鏡で見て「わざとらしいわね、このウィッグ」と突然言い出し、ワフウフさん姉妹がサイズが合っていないウィッグは似合わないと正直に伝えると「じゃあ、つけるのやめるわ!」と自ら卒業宣言。そのまま、本当にウィッグをつけなくなってしまったのでした。

ワフウフさんが施設に行くと、あーちゃんは開口一番に「ご主人さまがいらっしゃいましたって言われたのよ!」と言い出し、ワフウフさんは困惑……。姉妹以外が面会に来たら、必ず連絡を入れてもらうようにお願いしているので、父が来た事実はありません。ほかの日にも、すぐにわかるような作り話をしており、ワフウフさんは自分のために父が動いていてほしいという、あーちゃんの本心が見えたような気がして複雑な気持ちになってしまいました。

 

あーちゃんの言葉に救われた

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

施設で暮らすようになってから「家に帰りたい」とは一度も言っていないあーちゃん。しかし、いつまで施設にいるのかと聞いてくることが数回ありました……。

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

こんなことも言うように……。

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

あーちゃんは施設に引っ越したのだと説明すると……。

 

※たんたん:ワフウフさん姉妹の父。あーちゃんの夫。

 

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

返事だけは立派ですが、おそらく理解はできていないでしょう……。

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

そんなやりとりを繰り返すうちに、いつしかあーちゃんの中では「引っ越した」が「入院した」に変換されていました(あーちゃんには、老人ホームという表現ではなく、高齢者住宅だと伝えています)。

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

もちろん、ちゃんと説明しますが、すぐに元通り……。

 

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

さらに、病室(居住室)は5人部屋だと言い出して……。

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

一体何が見えているの……? と、戦慄です……。

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

あーちゃんには、Kさんという学生のときからのお友だちがいます。あーちゃんが認知症になったことがわかっても、Kさんはずっと気にかけて親身になって接してくれた大切な人なので、今の状況を報告することに。すると「施設なんか……」と否定的なことを言われてしまいます。

 

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

Kさんに悪気はないとわかっていても、施設で暮らすという決断に迷いがあった分、実際に言われると落ち込んでしまいます……。

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

Kさんは、あーちゃんと電話で話しているときも同じようなことを言っていたのですが……。

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

あーちゃんが、今の生活のメリットをちゃんと伝えてくれたおかげで……。

 

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

Kさんから労いの言葉をかけられました……!

 

母の認知症介護日記/ワフウフ

 

さらに、あーちゃんはいつも私たちに感謝の気持ちを伝えてくれるので、大変なことは多いけれど、救われます。

 

 

あーちゃんが施設で暮らすようになってから、今のところ「家に帰りたい」とは一度も言っていませんが、「私はいつまであそこにいるの?」「私は死ぬまであそこから出られないの?」と言ったことは数回あります。そのたびに、父と離れて自立して生きていくことを説明しますが「そうね、そうね!」とは言うものの、おそらく理解はできていない様子。そして、何度言っても「入院している」と思っているのも、なかなか厄介です……。

 

あーちゃんには、Kさんという学生のときからのお友だちがいます。Kさんは、あーちゃんが認知症だとわかっても、ずっと気にかけて親身になって接してくれていて、とてもありがたい存在。あーちゃんが施設に入ったことを知らせると、メールで「施設に入ったなんて、なんともさびしい気持ち」「そんなところに入って、状態が余計に悪くなってしまったんじゃないか?」と言われてしまい、まるで施設に入れたことを間接的に責められているように思えてしまい、落ち込みました。

 

Kさんは、あーちゃんと電話で話したときにも「施設に入るなんて……」と言っていたようですが、あーちゃんは父がいなくてほっとしていることや、私たち娘が毎日来てくれると何度も言ってくれたからなのか、電話を代わった姉に「よくやっていてえらい」と労いの言葉をかけてくれました。あーちゃんも「よくしてもらって、感謝しているのよ!」と感謝の気持ちを伝えてくれるので、そこは救われています。

 

--------------

どんなに腹が立つことがあっても、感謝の気持ちを言葉にして伝えてもらえると、許せてしまう気がしますね。あーちゃんは認知症にも関わらず、やってもらって当たり前とは思わずに、そうやってちゃんと感謝の気持ちを言葉にできるのは、とてもすてきですね。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

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    著者プロファイル

    マンガ家・イラストレーターワフウフ

    昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。 2023年4月、書籍「アルツフルデイズ 笑いと涙の認知症介護」発売。

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