「どうせ嫉妬でしょ」忠告を無視し経営者と婚約した友人⇒結婚式当日、彼のまさかの正体が発覚

私は、姉が経営するセレクトショップに勤務しています。素敵なお洋服やアクセサリーに囲まれて毎日が幸せ。その中でさらに幸せな出来事が舞い込んできました。なんと高校時代からの友人A子が婚約したのです！　

 

そこで私は、同じく高校時代から仲良しのB子とお祝いの会を計画。早速、3人で居酒屋に集まりました。そこでB子がA子に「旦那さんになる人はどんな感じの男性なの？」と質問。恥ずかしがるA子から彼についていろいろと聞き出したのです。

 

A子の婚約者はセレクトショップを経営しているオーナーで、病気を患ってしまった彼の父の跡を継いだようです。

 

さらには本店が私の勤め先と近い場所にあることや、A子の初恋の人であることも発覚。「素敵な結婚がしたい」という夢がまもなく叶うA子に、私とB子は「よかったね」「お幸せに」と声をかけたのでした。

 

けれども、A子から彼の話を聞いているうちに違和感を覚えました。

 

というのも、デート代をほとんどA子が出しているというのです。夜景のきれいな高級バーでプロポーズされた際も、彼は持ち合わせがなく、A子が全額支払ったそう。A子曰く、彼はお財布を忘れたり、電子決済もチャージ残高不足だったりすることが多いとのこと。

 

おかしいと思った私は、「払いすぎじゃない？」と一言。しかし、彼以外の男性とお付き合いしたことがないA子は、「よくわかんないけど…」と困惑しています。

 

私とB子がさらに詳しく話を聞こうとすると、A子はムッとしてしまい「私が一番最初に結婚するからって、嫉妬でしょ」と激怒。それでも、私たちはA子のことを大事な友だちだと思っているからこそ、「騙されてるかもしれないよ」「彼のことをもっとよく知ってからのほうがいいんじゃない？」と忠告しました。するとA子は「もう聞きたくない！」と言い残し、お店を出て行ってしまいました。

3カ月後、私たちはA子の結婚式に出席。A子と会うのは居酒屋で喧嘩して以来だったので、彼女と顔を合わせることに少し気まずさを感じていましたが……幸せいっぱいなA子がいつも通り接してくれたため、私たちはホッと一安心。改めて「おめでとう！」と言いました。

 

そして、私たち3人が話していると彼も登場。彼の顔を見た瞬間、私は「この人、どっかで見たことあるな」と感じました。記憶をたどっていったところ……姉のところにお金を借りに来ていた人物だと思い出したのです。

 

そのことを伝えるとA子はビックリ。一方、そばにいた彼は「余計なこと言うな！」と焦り出し、そんな彼の様子を見てA子も、「本当なの…？」と問い詰めます。

 

私はすかさず、彼は確かに以前までセレクトショップのオーナーであったものの経営がうまくいかずに倒産。困った彼はあちこちにお金の無心をして回っていたとA子に説明。

 

さらに、彼はA子からもお金を借りていたようで、A子は「すぐに返すって言ってたじゃない！」と声を荒げます。その声を聞いて駆けつけた両家の両親にも事情を話し、その場はお通夜のような状態に……。彼の両親はA子に平謝りで、結婚は白紙となったのでした。

 

その後、彼はいろいろな人に借りたお金を返すので大変な思いをしているようです。

 

そして結婚式後、A子が「あのときはひどいことを言ってごめんなさい。また3人で仲良くしたい」と謝罪してくれました。今度は婚約を決める前に、ちゃんと彼氏に会わせてねと約束を交わしたのでした。

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。