退院してまもなく、赤ちゃんの火葬の日を迎えたかばのきさん。奇跡的に残った小さな骨を持ち帰り、毎朝赤ちゃんの骨壺に挨拶をするのが日課になります。
かばのきさんはどうにか立ち直ろうとしますが、本人が想像していた以上に心の傷は深く、児童館できょうだいを連れたママや妊婦さんを見かけるたびに、嫉妬で心は大荒れ。
それでも二人目の赤ちゃんが欲しい気持ちと、「私にそもそも子どもを望む資格なんてなかったんじゃないか」という自己嫌悪のはざまで、自分の気持ちに振り回され続けます。
一方で、迫りくる妊活のタイムリミット。不妊治療を再開するべきかどうか葛藤するかばのきさんは、夫婦で思い悩んだ末、「妊活をやめる」と苦渋の決断。
そんな中、義妹の妊娠に対しきちんと「おめでとう」とお祝いの言葉を贈れたことで、自分自身が少しずつ前を向き始めていることを自覚します。
※不妊治療、死産についての表現があります。苦手な方は閲覧をお控えください。また、医療行為や症状については専門家にお尋ねください。
私だけの地獄








出産予定日を前に、かばのきさんは夫に対して、赤ちゃんの棚に誰も手を合わせてくれないことを言及します。
「あの子の存在が軽い気がする」と不満を伝えると、夫は「そうかもしれない」と言いました。
この地獄は、私だけの地獄なのか……
14週で生まれた亡きわが子に対する温度差を実感し、理解しあえない夫婦の大きな溝を感じつつ、自分のために流してくれた涙や心づかいに、かばのきさんは救われるのでした。
▼おなかの中で誰よりもその存在を感じていたかばのきさんは、すでに赤ちゃんの“母親”だったのでしょう。一方で、「生まれて一緒に過ごせた訳じゃないから……」という夫。誰も悪気がないこの亡きわが子への気持ちの温度差に、かばのきさんはとても苦しみます。人それぞれの想いの表し方に触れていくうちに、かばのきさんの“地獄”が少しずつでも癒されていくと良いですね。
かばのきさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
かばのき
