父から姉・なーにゃんのもとへ、メールが届きました。内容は、お金のこと。ずいぶん前の話を持ち出し、あーちゃんが正当な理由で父の口座から下ろしたお金のことを「横領」と言い、返還を求められています。しかし、父はあーちゃんにもう何年も生活費を渡しておらず、さらに預貯金まで奪おうとするなんて論外です。話にならないので、今後は固定資産税以外の費用の支払いはせず、父が何か言ってきてもワフウフさん姉妹は無視を貫くことにしました。
納得してくれるのは助かるけれど…

あーちゃんの財産を狙う父は、年に一度の年金保険の入金にも目を光らせていることでしょう。明細は私の家に郵便が転送されるようになっていますが、今後のことも考えて保険会社に登録している住所自体を変更することにしました。

変更手続きには住民票が必要だったため、実家の近くにある区役所へ。手続きはすんなり終わり、施設に帰ろうと思ったら、あーちゃんは慣れた様子で実家に帰るルートに向かっていました……。

私たちが必死で呼び止めると……。

ぽかんとした顔で振り返ります。

改めて、あーちゃんは引っ越していることを説明します。

これは……わかってないだろうな……。やっぱり、ひとりで外になんて出せません。

あーちゃんは、施設の入居者全員がひとりで外出できないと思っていますが、自立している方は届けを出せば自由に外出できるため、ひとりで行動している入居さんと遭遇することも。

とりあえず「ご家族が一緒だったんじゃない?」と言ってみたところ、あっさり納得。

今度は、ほかの入居さんがひとりで通院しているという話を聞いたらしく、あーちゃんは不満げ。

こちらも「病院でご家族と待ち合わせするんじゃない?」と言うと……。

あっさり納得。

あーちゃんが不満げな表情を見せるときは、あれこれ理由を言ってみます。

まさか自分のことを言われているなんて思わないあーちゃんは、あっさり納得。……助かるけど、なんかごめん!
父が相当欲しがっていると思われる、あーちゃんの年金保険。入金明細は郵送が私の家に転送されるため、父の目に触れることはありません。しかし、今後のことを考えて、保険会社に登録してある住所自体を姉の家に変更することにしました。手続きには住民票が必要だったので、あーちゃんを連れて実家の最寄りの区役所へ行ったのですが……。
高齢者パスを使って私たちより先に電車の改札を通り抜けたあーちゃんは、そのまま脇目も振らず実家がある駅へと向かうホームに進んで行くではありませんか……! 必死で呼び止めると、あーちゃんはぽかんとした顔で足を止めました。引っ越したことを伝えても、イマイチ理解できていない様子。無意識に帰ろうとしたのか、本当は帰りたいのか……あーちゃんの本心はわかりませんが、ひとりで外に出したら、絶対に家に帰ってしまうだろうな……。
あーちゃんは、施設で暮らす入居者さんは全員、ひとりでは外出できないと思っています。もちろんそんなことはなく、自立の入居者は、届けを出せば自由に外に出られるため、ひとりで外出した人に遭遇することも……。そんなときは「外でご家族と待ち合わせをしているんじゃない?」とか「すぐそこまでご家族が一緒だったんじゃない?」と言うと、案外あっさり納得してくれます。それは助かるけれど、なんだか申し訳ない気持ちになります。
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慣れた場所だと、いつもと同じ行動を無意識にとってしまうことはめずらしくありません。今回のように、あーちゃんがわかる場所に行くときは、注意が必要ですね。行動を制限するのは心が痛むかもしれませんが、ひとりで外出して迷子になったら、もっと不安な思いをさせることになると思うので、ある程度は仕方がないと割り切るしかなさそうです。
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ワフウフ