記事サムネイル画像

「指が痛くて握れない!」滝汗と関節痛に苦しむ51歳が婦人科で聞いた意外な原因の正体とは

右手の指が突然ズキッと痛み、コーヒーカップすら持てない……。止まらない滝汗も重なり、家事も仕事もままならない日々が始まりました。原因のわからない不調に戸惑う中、専門医との出会いをきっかけにつらい日々をどう乗り越えたのか、私の体験談をお伝えします。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師粒来 拓先生

日本産科婦人科学会 専門医・指導医。日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定医・指導医。日本女性心身医学会 認定医。患者一人ひとりの症状と考え方に寄り添い、サポートしている。
新着記事が配信されたら、メールやプッシュ通知でお知らせ!

 

お茶出しや家事がつらい日々…

51歳の夏、エアコンの効いた部屋にいるのに頭から滝のような汗が出るようになりました。ある日、右手の人差し指と中指の第一関節と左手の親指の付け根が突然痛みだしました

 

仕事は幸いパソコン作業だったので、キーボードやマウスの操作には差し支えなかったのですが、何よりつらかったのはお客様へのお茶出し。コーヒーカップ、湯のみ茶碗などで飲み物を出していたため、人数が多いとその分重さがあり、手に負担がかかります。そのため、痛みがひどいときには同僚に手伝ってもらっていました。

 

家では、材料の入った鍋を持つだけで痛むことも。特に大根おろしを作る、ペットボトルのフタを開ける、洗濯ばさみをつまむなど、小さな物をつまんで力を入れる作業に支障が出てつらい思いをしました。

 

痛みが出ると指の第一関節と第二関節が曲げられず、手をグーにすることができません。どんな動作で痛くなるかわからないので、いつもの家事をして「これはできる、これはできない」と気付くことが多くありました。家族がいるときは手伝ってもらうこともできますが、いないときは惣菜を購入したりしていました。

 

手指の痛みと滝汗を治したくて婦人科に

手の指の痛みも滝のような汗も原因がわからず、「もしかして更年期?」と検索しましたが、指の関節痛が更年期症状に含まれるとは思いも寄らず……。「エクオール」という大豆由来のサプリメントが更年期症状に良いと紹介されているのを目にして、試してみることに。1週間ぐらい飲みましたが、私の場合、あまり変化がありませんでした。

 

滝のような汗も続き、さすがになんとかしたいと思い、婦人科へ駆け込みました。1週間後に血液検査の結果がわかり、更年期障害と診断されました。体の中ですでにエストロゲンが作られていなかったために発汗の症状が出ていたことがわかり、納得しました。先生からは関節の痛みについては特にしっかりとしたお話はありませんでしたが、もともと整形外科に通うつもりだったので気にしませんでした。

 

更年期障害との診断を受け、ホルモン補充療法で様子を見ましょうということに。薬が体に慣れるまでの2~3カ月は不定期に生理のような腹痛や出血がありましたが、それも徐々に回数が減り、気が付けばなくなっていました。異常な多汗は薬の服用を開始して1週間後には収まり、手指の関節の痛みも引きました。しかし、手指は毎日使うので、しばらくすると痛みが再発してしまいました。

 

 

装具を着けたら痛みが軽くなった!

当初の予定通り、手を専門に診てくれる整形外科に通院することに。更年期であることやホルモン補充療法をしていることを伝えると、関節の痛みも更年期障害の1つの症状であると説明を受け、ようやく原因がつながりました。関節は固定することで安静が保たれるので、私の手に合った樹脂製の装具を制作してもらいました。初めに装着したのはしっかりと固定する装具で、痛みが治まるとクッション性の高い装具に変わりました。

 

通院時には、親指と人差し指の付け根あたりの筋肉をマッサージでほぐしてもらいました。さらに、作業療法士さんが私の親指を手のひら側から押し、私が押し返すというトレーニングもしました。

 

手のストレッチ

 

また、自宅でのストレッチも教えてもらいました。

手順は

①テーブルなどに手のひらをつける。

②両手の人差し指と親指同士をつけて三角形を作る。

③親指をつけた部分は動かさず、他の指を上側にスライドさせてしずくのような形にする(写真参照)。

この動作をして10秒固定×10回を1日3回おこないます。

 

痛みは徐々に治まりましたが、どうしても1カ所だけ痛みがひどく、内服の鎮痛薬が効かないので、ブロック注射を打ちました。痛みは引きましたが使い過ぎると再発するので、昼間はテーピングを、夜は装具を装着しています。

 

まとめ

女性の更年期症状は、ほてりや発汗、イライラなどは知っていましたが、手指の関節痛が出ることは今回初めて知りました。日常生活への影響は想像以上でしたが、悪化する前に病院を受診して早めに対処できたのは幸いでした。手の関節痛は一度なってしまうとなかなか治りにくいので、痛みが出にくい手の使い方を覚えるなど、関節痛とともに生活していくことになりました。

 

痛みのつらさは本人にしかわかりませんが、家族や同僚などにしっかりと理解してもらい、サポートしてもらえたらと思っています。

 

【粒来先生からのアドバイス】

関節痛は更年期のころに課題となることの多い症状です。関節痛とエストロゲン低下は関連しており、ホルモン補充療法の有効性、また、サプリメントとしてエクオールの有効性の報告があります。自分で手軽にできるものとしてエクオールのサプリはお試ししやすい選択肢だと思います(※効果には個人差があります)。

婦人科外来でもよく提案されているものですが、エクオール自体がエストロゲン活性が弱いので、1週間と短い期間で判断するのではなく、1カ月または数カ月のスパンで飲み続けてみることをおすすめします。改善が見られない、症状の程度が強い方は、婦人科を受診してホルモン補充療法やプラセンタ治療などの相談をしていただくと良いでしょう。

関節痛は原因もいろいろあり、関節リウマチなどの可能性もありますので、初めから症状が強い場合、または婦人科的アプローチで改善しない場合は、整形外科でも相談してみてください。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

著者:坂本 朋子/50代女性。アラフィフになり、更年期真っただ中。症状に悩まされながらも家族のやさしさに触れ、過ごす日々。

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています

 

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
  • \ この記事にいいね!しよう /
    シェアする

    • コメントがありません

  • 気になる記事をまとめ読み

    人気連載

    新着連載

    連載完結

    もっと見る

    注目記事を探す

    人気記事ランキング

    アクセスランキング
    コメントランキング

    お得な無料キャンペーン

    医療の新着記事

  • PICKUP