一瞬の油断で見失った孫
靴売り場で私が試着をしていたときのことでした。ほんの数秒、視線を靴に向けていたその隙に、ふと気づくと孫の姿が見えなくなっていたのです。
胸がドキリとし、血の気が引くのを感じました。慌てて周囲を見回しながら、店員さんにも声をかけて一緒に探してもらいました。
「孫ちゃん!」と名前を呼びながら店内を探し回るなか、心臓が早鐘を打つように高鳴り、手足が震えるほどの不安に襲われました。
安堵と反省の瞬間
しばらくして、少し離れた棚の向こうから大きな歌声が聞こえてきました。急いで駆け寄ると、そこには楽しそうに歌を歌う孫の姿が。
無事を確認した瞬間、全身から力が抜けて、その場に座り込みそうになりました。「おじいちゃんのそばから離れちゃダメだよ」と厳しく注意しつつも、孫を怖がらせないように心を落ち着けて説明しました。
孫はしょんぼりとした顔で頷き、「もうひとりで行かない」と小さな声で約束してくれました。
気づかされた「見守る責任」
帰り道、手をしっかりと繋いだまま歩きながら、私は深く考えさせられました。どんなに安全そうな場所でも、子どもは一瞬で思いがけない行動をとるものです。
元気に走り回る姿はよろこばしいことですが、その分、大人がしっかりと目を離さずに見守る責任があるのだと痛感しました。そして「無事に帰ってこられることは決して当たり前ではない」という思いが胸に強く刻まれました。
まとめ
今回の出来事を通して、孫と過ごす時間はただの楽しい思い出作りではなく、大人としての責任を伴うものだと実感しました。子どもの好奇心と自由さを尊重しつつも、安心させながらていねいに伝えることで、少しずつ理解を深めてもらうことが大切だと学びました。この経験は、孫との向き合い方を改めて考えるきっかけとなったのです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:溝口元三/60代男性・会社員。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)
※一部、AI生成画像を使用しています
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シニアカレンダー編集部
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