義実家と初めての日帰り旅行へ
ある日、義母から「隣県の紅葉が有名な場所へ、みんなで日帰りで行かない?」と誘われました。東日本から西日本へ嫁いだばかりの私にとっては、行ったことのない憧れの場所。義家族とも仲良くなる好機だと思った私は、二つ返事で「行きます」と答えました。
旅行の当日、車内で「目的地の銘菓はおいしいのよ」とうれしそうに話す義母を、このときにはほほ笑ましいとも感じていました。
「花より団子」とはまさにこのこと
目的地に到着するや否や、紅葉より先に足を踏み入れたのはお土産店。義母は並ぶ試食品を次々に食べ始め、後に続き夫も負けじと食べ始めました。ぼうぜんとする私をよそに、2人は勢いよく味見を続けました。
どうして良いかわからないまま2人を眺めていたところ、ついに「ちよちゃん(著者)も食べるように」と義母や夫から「お誘い」が来てしまったのです。
「ダメよ!」まさかのお叱り
私は、購入意思がないのに試食品をいただくことはマナー違反ではないかと思っていました。
それでもお誘いを受けたため、その地方で一番有名であろうお菓子の試食をしぶしぶいただいてみたところ、想像以上においしく、お値段も安価であったため、実家に贈ろうかと商品に手を伸ばしました。その瞬間、義母の大きな声が静かな店内に響き渡りました。
「ダメよ!」
「こういうのは“試食して楽しむ”もの。買ったら損よ」
義母の後ろでうんうんとうなずく夫、黙って見ている義父。そうこうしている間に、義母は「さあ、次のお店に行きましょう!」と出発してしまいました。
あまりの出来事に考えが追いつかず出遅れた私は、こちらを見ていた店員さんと目が合い、申し訳ない気持ちを込めて小さく会釈をし、義家族の後を追うしかありませんでした。
まとめ
帰りの車内でも義母は「義実家流節約術」として、いかに無料で楽しむかを熱弁していました。文化の違いもあるのかもしれないと考えた私は、私とは逆に西日本から東日本へ移住した友人に聞いてみたところ「地域差はあっても、買う気がまったくないまま試食だけ楽しむのはマナー違反だと思う」と言われ、私のモヤモヤは確信へと変わりました。
結局、金銭感覚の溝は埋まらず、後に夫とは別々の道を歩むことになりました。物価が上昇し続ける今こそ、無料サービスに飛びつく前に、その「節約術」が誰かを困らせていないかを考えられる余裕を忘れずにいたいと強く感じました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:遠藤ちよ/30代女性・主婦
イラスト/まげよ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)
関連記事:義母「ぼったくりの値段ね!」せっかくの子どものお食い初めが義母のひと言で台なしに【体験談】
関連記事:「あんたが盗ったんだろう!」義母に泥棒扱いされた妻。その後の夫の信じられない言動で妻は激怒!
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!