Q:妊娠初期から、妊娠高血圧症候群の食事制限を始めています
妊娠4ヶ月目、14週3日の初妊婦です。BMIが29あります。4週間前の健診で、尿たんぱく、高血圧を指摘され、妊娠高血圧症候群の恐れがあるとのことで、食事制限を設けられました。
体重は増えないようにキープできていますが、塩分の調節が難しく、たまに塩分を取りすぎるとむくみが出ます。カリウムを含む食材を取るように指示されていますが、野菜などさまざまな種類の食材を買っても、1日1,700キロカロリー制限のため、大量には食べられません。そのため、結構、食材を無駄にしています。カリウムなど、必要な栄養素をサプリメントで補給しても問題ないでしょうか?また、妊娠高血圧症候群の予兆が妊娠初期から出ている場合、きちんとした食事管理を行えば、症状は治まるのでしょうか?
A : 減塩がポイント!カロリーの低いもの食べある程度満腹感のある食事を
妊娠中に体重が増加するのは当然です。したがって、一般用のBMIでは肥満傾向の評価はできません。体重増加については、BMIからご自分の標準体重を割り出し、その数値から分娩まで7~8kgの増加を目安にします。増えすぎたとしても10kgまでの増加を目安にします。
妊娠初期から尿たんぱく、高血圧が見られる場合は、妊娠高血圧症候群が出現する可能性が高いため、予防には食事管理が不可欠です。高血圧の予防には、ナトリウムとカリウムのバランスが重要ですので、ナトリウムが過剰でカリウムが少ないと、高血圧を招く結果となります。したがって、この場合に求められる対策は「減塩」です。減塩対策では、まず佃煮、漬物などの塩分の多い加工品を避けること。また、食品の持ち味を生かし、酢やこんぶ、かつおぶしのうま味を利用して調理することも大切です。
サプリメントで不足しがちな成分を単発的に補うより、野菜や果物などさまざまな食材を幅広く食べる方が、バランスよく栄養素を摂取できると思います。また体重コントロールのために食事量を制限するより、カロリーの低い食材を選び、ある程度満腹感のある食事を続けた方がいいでしょう。適度な運動で、カロリー消費を心がけることも必要です。食材が腐ってしまうことを心配されているようですが、下ごしらえをして冷凍するなど、食材の無駄が出ないようにうまく工夫をされるといいと思います。(回答/天神尚子先生)
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