夫のお手製パスタに言葉を失ったワケ
妊娠中、体調が優れず、夫に夕食をお願いしたときのことです。普段は料理をするのは私の役目だったのですが、その日はどうしても気分が悪くてお休みしたかったので、夫に「簡単にできるもので大丈夫だから」と頼みました。夫は「任せて!」と自信満々に言い、キッチンに立ちました。
キッチンから聞こえる慣れない調理の音に少しハラハラしつつも、「夫の特製ごはんだ!」と、内心ワクワクしていました。しばらくすると、夫から「できたよ! さあ食べよう!」との声が。
しかし、食卓に並べられたのは、お皿からこぼれ落ちそうなくらい山盛りのパスタと、申し訳程度のサラダが乗ったワンプレートでした。「こんなに食べられるわけない……」あまりの光景に、私は思わず言葉を失ってしまいました。
さらに、一口食べてみると、パスタは少し伸びていて、ソースもなんだか薄い味。一生懸命作ってくれた夫に「おいしくない」とはとても言えず、なんとか食べ進めようとしたものの、体調の悪さもあってたくさんは食べられませんでした。
残してしまった私に、夫は「え、もういらないの? もっと食べなよ」と、少し残念そうな顔をしました。その悪気のない言葉が、体調が優れない心には少しだけ重く感じられました。結局、夫は文句も言わずに後片付けまでしてくれたのですが、そのやさしさがかえって申し訳なく、私は複雑な気持ちになりました。「無理にお願いするんじゃなかった」「せっかく作ってくれたのに、申し訳ないことをした」という後悔と、「つわりでつらい気持ちを、もう少しわかってほしかったな」という小さな本音が入り混じっていました。
この出来事があってから、夫に何かをお願いするときは、具体的な手順を伝えるようになりました。また、体調が悪いときのために、温めるだけですぐに食べられるものを常備しておくなど、自分なりの対策も生まれました。
今では、あの日の「山盛りパスタ事件」は、すっかり夫婦の笑い話です。「あのときのパスタ、すごかったよね!」と私がからかうと、夫は「だって、おなかいっぱい食べてほしかったんだよ」と、今でも少し照れくさそうに言います。失敗はしたけれど、あのときの夫の一生懸命な気持ちはちゃんと伝わっていました。今となっては、妊娠中の忘れられない、良い思い出の一つです。
著者:野口仁美/30代女性/東京都に住む、結婚3年目の30歳の会社員。5歳と3歳の娘と夫の4人暮らし。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
※AI生成画像を使用しています
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