遅くまで残っていたのは…?
ある日、いつも通りビルの中を巡回していると電気がついているフロアがありました。いつもこの時間には消灯しているので、消し忘れだろうと思ってドアを開けると……。なんと、部屋の中には、まだ人が!
しかも、泣いているので「大丈夫ですか?」と声をかけると「社員証が見つからなくて…」と言う女性。
「僕も一緒に探します」と伝えて探していると、清掃係の人が声をかけてくれました。どうやら、社員証はゴミ箱の中に入っていたようで、回収されてしまっていたみたいでした。社員証は彼女に返しましたが、彼女はどこか不安そう。そんな彼女の様子が気になったので、
「大丈夫ですか?」と話を聞くと、彼女は「高卒を理由に社内でいじめられている」と言いました。
彼女の苦労
どうやら、今回だけでなく普段から仕事を押し付けられて残業したり、悪い噂を流されたりしているとのこと。
その日以降、僕と彼女は、彼女が遅くまで残っている日に会話をするようになりました。彼女のことが心配だったという気持ちがあったのです……。
僕は夜勤で働くことが多く、彼女と話す機会は少なかったのですが、同じビルで働く清掃員の人からある話を聞きました。彼女は、親が海外で仕事をしている兼ね合いで、弟と2人で暮らしているようでした。
僕より年下の彼女ですが、周りの逆境に負けず一生懸命な姿を見て、僕は彼女を尊敬するように。
ある日、彼女が僕に「いつも話を聞いてくれているお礼がしたい」と家に招いてくれて……。僕は弟と一緒にゲームをしたり、彼女の手料理をふるまってもらったりして楽しく過ごしました。
2人が、「また来てほしい」というので、僕は定期的に2人のところへ遊びに行くことに。
しかし、「これでは彼女が仕事で苦労しているいじめの根本解決にならない…」と僕は頭を悩ませていました。
僕が新入社員として入社!?
こうして半年がたち、僕はアルバイトを辞めて就職することに。僕が働くことになったのは……彼女がいる会社です!
彼女が働いている会社の仕事内容は、僕がやりたいと思っていたメーカーの仕事。そのうえ、少しでも彼女の助けになれるかもしれないと思った僕は入社することを決意しました。そして、面接を受けて無事合格。
こうして僕は彼女と同じ会社に入社したのでした。入社して数日後、彼女が同僚の2人に嫌味を言われているところを発見。僕は彼女のところに行き、「大丈夫ですか?」と声をかけると彼女は安心した表情になりました。それだけで、僕はこの会社に来て良かった、と思えたのです。
それから僕は彼女をいじめる人について、上司に相談。上司は真剣に聞いてくれて、「僕から注意しておくね」と言ってくれました。
数日後。彼女が嫌味を言われることはなくなりました。どうやら、上司が直接注意してくれたようです。後に聞いた話ですが、僕が彼女のそばにいたことも、いじめの抑制力になっていたようです。
これからも一緒に
こうして彼女は、どんどん元気になっていきました。会社でも自分の居場所を見つけたようで、僕がそばにいなくても笑顔で……。
そんな彼女の姿を見て、うれしい反面、正直、少し悲しい気持ちもありました。
僕が少し感傷にひたっていると、彼女から「久しぶりに、家に来ませんか」とのお誘いが。僕が「よろこんで」と返事をすると彼女もうれしそうにしてくれました。
彼女の家に向かう途中、真剣な表情で「お話があります」と彼女。僕が彼女のほうに体を向けると、「私がくじけずにここまで来られたのは、あなたの支えがあったからです。あの日、私と出会ってくれてありがとうございました」と感謝の言葉を伝えてくれました。
続けて、「私、あなたのことが大好きです。いつもそばで支えてくれて…これからは、私もあなたの力になりたい。私とお付き合いしてくれませんか?」と彼女。
僕が、「もちろん。僕も、君のことが好きだよ」と返すと彼女の目が潤みました。
こうして僕たちは交際することに。出会ってから交際するまで、とても長い月日がかかりました。これからも、2人で支え合っていきたいと思います!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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