強面だけど実は照れ屋な彼
出会ったきっかけは、私が働いている飲食店に、彼が会社の飲み会で来店したこと。5歳年上のトラックドライバーであった・S男は、強面で近寄りがたい第一印象でしたが、話しているうちに実は照れ屋で話しやすい人柄だとわかりました。その後も、S男は同僚や友人と定期的に店にやってくるようになり、私とS男の距離は徐々に縮まっていきました。
そんなある日、S男の友人・T男から「S男はあなたに気がある」と耳打ちされ、なんと交際をすすめられたのです! 聞くところによると、S男には恋人はいないとのこと。私も彼のことが気になり始めていたので、好意を抱いてもらえていることがうれしかったです。
その後、特にS男からは何もありませんでしたが、ある日の帰り際、S男から恥ずかしそうに携帯番号のメモを手渡されました。
穏やかで安定した交際の日々
勇気を出して電話をかけると大喜びされ、すぐにデートに誘われて交際がスタートしました。S男から「きみのことが好き。今度トラックにこっそり乗せて配達したいな」と言われたときは、彼なりの愛情表現だとうれしく思いました。
不定期な仕事のため、会うのも不定期でしたが、穏やかで安定した交際を続けていました。しかし、私の家には数回来たことがあるのに、私がS男の家に行ったことは一度もなくて……。S男は、恋人であるはずの私を、なぜか家に入れてくれなかったのです。
そして交際して数カ月後、用事でS男の住む地域を訪れた私。買い物ついでに近くにあったスーパーに立ち寄ることに。
すると偶然、野菜売り場でS男を発見! うれしくて声をかけようとした……のですが、近づくと彼の隣には同年代の穏やかそうな女性の姿がありました。
S男は私といるときとはまったく違う、心を許した顔で女性と談笑していたのです。
裏切りの現場を目撃した衝撃
偶然目が合ったS男は驚いた表情を浮かべましたが、すぐに私から視線を逸らしました。私自身も、このときは頭が真っ白になり、怒りや悲しみよりも「見てはいけないものを見てしまった」という気持ちになり、その場から逃げるようにレジへ。そして帰宅していると、S男から着信があり、電話口で何度も謝罪をされたのです。
S男は恋人はいないと言っていましたが、隣にいた女性は彼女なのだそう。「彼女とは別れる」と何度も言われました。しかし、S男のあの心を許した笑顔を思い出すと、S男の言葉を信じることは不可能でした。別れを告げると引き止められましたが、私の決意は揺るがなかったです。恋人の存在を知っていたはずの友人・T男の行為も許せず、最低だと感じました。
この恋愛は、信頼していた恋人が、本命彼女と一緒にいる現場に偶然遭遇するという最悪のかたちで終わりました。あのとき見た、S男の「本当の笑顔」は、交際中、私には一度も向けられることがなかったもの。「ああ、彼は私ではなくあの女性が好きなのだ」と思いつつ、「私はいいように扱われていたのだな」と悲しい気持ちになりました。
つらい経験でしたが、相手の本性を知ることができ、時間を無駄にする前に別れられて良かったと、今では思っています。
著者:佐藤さくら/30代女性・男の子2人を育てるママ。恋に悩み、喜び、涙した数々の経験をしてきたからこそ書けるリアルな恋愛エピソードを執筆している。
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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