「仙台市縄文の森広場」ってどんな場所?

縄文の森広場は1980年に縄文時代中頃(約4,000年前)の集落跡が発見された山田上ノ台遺跡の保存活用を図るための施設です。植生を含めた当時の環境を復元し、自然と共生していた縄文人の暮らしを楽しみながら体験する場として整備しています。(施設担当者)

野外に復元された3棟の竪穴住居は、中に入れます。縄文時代の暮らしを実感できるのではないでしょうか。(施設担当者)
縄文の森広場の最大の見どころは、発掘調査の結果をもとに再現された「縄文ムラ」です。3軒の竪穴住居が復元されており、まわりには食料を保存するための貯蔵穴や、動物を捕まえるための落とし穴、ゴミ捨て場などの跡も地面に表示しています。これにより、当時の村の様子を目で見て感じることができます。
竪穴住居の中には実際に入ることもでき、当時の人々の暮らしを肌で体験できます。「このあたりで寝ていたのかな」「ここで火を起こしていたのかも」と想像が広がり、子どもたちも夢中になることでしょう。
さらに、広場を囲む森も縄文時代の自然環境を再現しており、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえます。
縄文ワクワク体験
土・日・祝日には「ガイダンス施設」で土器づくりや勾玉づくりなどの縄文体験を実施しています。親子でものづくりを通して縄文時代を学ぶことができます。(施設担当者)
「縄文の森広場」では縄文時代の知恵と技を学ぶさまざまな体験講座を開催しています。小さな子どもと一緒に参加できる講座をいくつか紹介しましょう。
火起こし

舞ぎり式の火おこし器を使い、木と木をこすり合わせて火を起こす体験です。棒の軸に取り付けた板を上下に動かすと、摩擦によって熱が生まれ、やがて煙が上がり、赤い火種ができます。そこから炎が立ち上がる瞬間は感動もの。
親子で一緒に火を起こしてみると、縄文人の知恵と工夫、そして現代の便利さのありがたさを実感できます。
▶︎所要時間:30分~
▶︎参加費用:200円
アクセサリーづくり
石や勾玉、鹿の角など、さまざまな素材を使ってアクセサリーを作ります。石や勾玉はヤスリで磨き、鹿の角は砥石で削って形を整えます。
小さなお子様は保護者と一緒の参加が必須。特に削ったりやすったりする作業では目を離さないようにし、けがのないようサポートしてあげましょう。

▶︎所要時間:【石】60分~【勾玉・鹿の角】各90分~
▶︎参加費用:【石】200円【勾玉・鹿の角】各300円
※鹿の角のアクセサリーづくりは事前の予約が必要です。実施日程はホームページでご確認ください
※石のアクセサリー・勾玉づくりは、開館日の10:00〜11:30・13:00〜14:30に随時受け付けています(イベント実施日除く)
編布(あんぎん)づくり

「編布」とは日本最古の編み方です。オモリをつけた縦糸に、横糸を手で絡めながら少しずつ編んでいきます。縄文時代の人々はこの技法で衣服や袋を作っていたと考えられています。
体験では麻糸を使って小さなコースターを作成。糸を1本ずつ編みながら「昔の人はこうして手で布を作っていたんだ」と、親子で“手しごと”のぬくもりを感じられます。
▶︎定員:先着5組まで(事前電話予約)
▶︎所要時間:60分~
▶︎参加費用:200円
土製品づくり

粘土を使って、小さな縄文土器や土笛、手形・足形などを作ります。手形・足形は未就学児とその保護者限定! まだ本格的な制作が難しい小さなお子様でも、手形や足形づくりであれば参加しやすいはず。親子で一緒に土の感触を楽しみましょう。
なお、作った作品は乾燥・窯焼きの工程を経て、約1〜2カ月後に再訪して受け取ります。
当日持ち帰ることはできませんが、完成品を受け取るころには、より深い思い出として残るはずです。
▶︎定員:【手形・足形】先着5組まで(未就学児とその保護者限定)【土笛・縄文土器】先着10組
▶︎所要時間:【手形・足形】30分~【土笛】45分~【縄文土器】小:90分~ ミニ:60分~
▶︎参加費用:【手形・足形、土笛】各200円【土笛】各300円【縄文土器】小:400円 ミニ:200円
縄文体験で制作したオリジナル作品は、きっと愛着がわいて大切にしてくれるはず! 家に帰ってからも作品を飾ったり、使ったりしながら、縄文時代の人々の暮らしについて調べたり、学んだりするきっかけになりそうですね。
開催日時はホームページや「仙台市縄文の森広場」の縄文ワクワク体験コーナーで確認できます。また今回紹介した縄文ワクワク体験に小学生以下が参加する場合は、保護者の方の補助が必要です(土製品づくりを除く)。
仙台市縄文の森広場の基本情報
Q.子ども向けの設備はどこにある?
A.縄文の森広場担当者:ガイダンス施設に浄水器や調乳台を備えた授乳室があります。おむつ替えスペースは授乳室と多目的トイレ内に設置しています。
Q.ベビーカーか抱っこ紐、どちらが動きやすい?
A.縄文の森広場担当者:ガイダンス施設内はバリアフリーでエレベーターも稼働しているため、どちらでも動きやすいでしょう。野外展示は性質上段差があります。
また、館内・野外展示にてご利用いただける貸出用ベビーカー(台数限定)もご用意しております。エントランスで貸し出しておりますが、受付等はございませんので、使用後はあった場所にお戻しください。
仙台市縄文の森広場
⚫︎住所:宮城県仙台市太白区山田上ノ台町 10番1号
⚫︎アクセス:【電車】JR長町駅より各種バス【車】東北自動車道 仙台南ICより約4km
⚫︎駐車場:あり(無料)
⚫︎営業時間:9:00~16:45(最終入館16:15)
⚫︎休館日:月曜日(休日の場合は開館)、休日の翌日(土・日曜日・祝日の場合は開館)、1月~11月の第4木曜日(休日の場合は開館)、年末年始(12月28日~1月4日)
⚫︎入館料:【一般】200円【高校生】150円【小・中学生】100円
⚫︎公式サイト
※営業時間や休館日は変更となる場合ありがあります
仙台市縄文の森広場は、子どもの好奇心を刺激しながら、家族で日本の歴史や自然と向き合える貴重な体験スポット。火を起こし、土をこね、糸を編む――そんな原始の営みを通して、暮らしの原点を親子で感じてみてはいかがでしょうか。
※本記事の内容は、2025年9月25日時点の情報をもとに作成しております。営業時間·料金等は変更される可能性があるので、お出かけの際は必ず最新の情報をご確認ください