やりくり上手で頼れるママ友
娘が幼稚園で最近仲良くなった子のママ、ユミさん(仮名)とは、話してみるとすぐに意気投合。いつも明るくて、近所のスーパーの特売情報やお得なクーポンにも詳しく、「すごいね!本当にやりくり上手なんだね」と感心していました。素敵なママ友ができて、これからもっと仲良くなるのが楽しみでした。
そんなユミさんが、「駅前にできたファミレス、ランチのクーポンがあるから行かない?」と誘ってくれました。もちろん答えは「行く!」。子どもたちを連れて、親子2組でランチをすることになりました。
ただ、このときの私はまだ知らなかったのです。彼女のその「やりくり上手」な一面が、私たちの関係に少し影を落とすことになるなんて……。
クーポンで600円引き!のはずが…
お店では、子どもたちの楽しそうな笑い声を聞きながら、ママ同士のおしゃべりに花が咲きました。あっという間に時間は過ぎ、お会計へ。
伝票の合計金額は、3,600円。
私が財布の小銭を確認していると、ユミさんが「任せて!」とスマホのクーポン画面を提示。
「はい、600円引きになりますので、合計3,000円です」
店員さんの言葉に、私は「さすがユミさん、ありがとう!」と大助かり。ユミさんが代表して3,000円を支払い、私たちは店を出ました。
そして、私が「うちら親子1,500円でいいんだよね?」とお金を差し出そうとした、その時でした。
彼女から告げられた、衝撃の金額
ユミさんはニッコリ笑って、こう言ったのです。
「もともと3,600円だったから、一人1,800円でお願い!」
その瞬間、私の頭は真っ白になりました。
一瞬、計算が合わず、自分の聞き間違いかと思ったほどです。
(え…?1,800円?それって、クーポンを使う前の金額だよね?払ったのは3,000円だったから、一人1,500円のはずじゃ……)
差額は、たったの300円。
でも、その300円は、クーポンで浮いたお金のはず。彼女は、その「浮いたお金」を自分の利益として、私に請求してきたのです。
ここで「それって、おかしくない?」と指摘すべきか、数秒間、頭をフル回転させました。
でも、300円のことで相手に「ケチ」「細かい」と思われるのが怖くて、結局何も言えませんでした。
「…うん、わかった」
私は凍りついた笑顔のまま、お財布から1,800円を出して彼女に渡しました。ユミさんは「ありがとう~!」と自然に受け取りましたが、私の心には鉛のようなモヤモヤが重くのしかかっていました。
あの日の300円が教えてくれたこと
クーポンは、それを見つけてくれたユミさんの手柄かもしれません。でも、一緒に食事をした私も、その割引の恩恵を受けられるものだとばかり思っていました。
たかが300円、されど300円……。
その一件以来、ユミさんの「やりくり上手」は、私には「自分だけが得をするための抜け目なさ」に見えるようになってしまいました。
お金の価値観の違いは、友人関係において思った以上に大きな溝を生むものなのだと痛感しました。気まずい思いをしたくないからと、その場で自分の意見を言えなかった私にも反省点はありますが、これを機に彼女とは少しずつ距離を置くようにしています。
小さな金額だからこそ、その人の本質が見えるのかもしれない。人間関係の難しさを学んだ出来事でした。
※AI生成画像を使用しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。