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「なぜ親切にするんですか?」隣人を疑う友人→え?まさか裏切られてる?隣人の答えに全員が涙したワケ #完璧な結婚 最終話

『完璧な結婚~嘘つきは誰?~』第27話。10代で両親を亡くした沙織の夢は、温かい家族を築くことでした。母子家庭で育った夫の守もまた、家庭に憧れを抱いており、本当に優しく穏やかな人でした。そんな彼と結婚すれば、理想の家庭を築けると信じていた沙織。しかし――彼女は、いつからか誰のことも信じられなくなっていったのです……!?

夫・守の言葉を信じて言われるがままに専業主婦となった沙織。しかし、当初優しかったはずの守の言動は次第にエスカレート。沙織を友人たちから孤立させ、服装までをも管理しようとする守。違和感がやがて恐怖に変わっていき、沙織は息苦しさを感じ始めます。

 

再就職を決意するも、面接前日にスーツを破壊されたり、タンス預金がなくなっていたりと、なぜか守にことごとく行動を先回りされてしまいます。協力者であるはずの隣人・大山さんが守と親しげに話す姿を目撃し、誰を信じていいかわからず混乱する沙織。

 

仲間たちの助けを得てついに家からの脱出計画を実行しますが、その沙織の前に守が立ちはだかります。守は沙織を「悪い妻で悪い母親だ」とののしり、自身が抱く完璧な家庭像を明かすのでした。さらに信じていた義母の裏切りが発覚し、沙織は絶望の淵にたたされます……。

 

しかし、駆けつけてくれた隣人の大山さんや元同僚の恵美たちの助けで、無事に家を抜け出すことに成功。守が本性を現す会話の録音も手に入れた沙織は、息子との未来のため、その証拠を手に戦うことを決意します。

 

脱出後、晴人を預かってくれていた元同僚・杏奈の家でひと息つく沙織たち。すると、大山さんが「生活費の足しにして」と沙織にお金を差し出します。そのあまりの親切に涙する沙織でしたが、杏奈は厳しい表情で口を開きました。

 

「なんでそこまで親切にするんですか?」

 

実は杏奈は、大山さんに宗教やマルチなどの勧誘目的があるのではないかと疑っていたのです。──杏奈の鋭い質問に、大山さんは……。

夫の末路と私のその後

完璧な結婚/きりぷち

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これ以上、親友である沙織が傷つくのを見たくない。その一心で、杏奈は目の前にいる大山さんに向き直り、覚悟を決めて口を開きました。

 

「失礼なのはわかってます! でも大山さんはなんかのマルチとか妙な団体とか入ってないですよね!?」

「沙織を勧誘するのが目的とか……」

 

すると、険悪な空気が流れるかと思いきや、大山さんは一瞬きょとんとした後、思わず「ぶふっ!」と吹き出しました。そして、腹を抱えて大笑いします。

 

「いい友だち持ってるじゃない!」

 

豪快に笑い飛ばした後、大山さんは優しい眼差しとともに語り出しました。

 

「安心して! 宗教もマルチもなーんも入ってないし、あやしい勧誘もしないから!」「沙織ちゃんとは境遇も似てたしね。頼れる親もいないって聞いて……。旦那と義母にも裏切られてあんまりでしょ」「家族じゃなくても沙織ちゃんの幸せを願う人もいるんだって知ってほしかったんだよ」「人を信じられない沙織ちゃんになってほしくないんだよ」

 

大山さんの温かい言葉に、張り詰めていた糸が切れたように、沙織の瞳から大粒の涙が溢れ落ちました。杏奈は大山さんにお詫びをし、杏奈と恵美も、安堵の表情で沙織によかったねと声をかけるのでした。

 

 

その後――。

 

弁護士の助けもあり、離婚は無事に成立。守に奪われた貯金は全額戻り、慰謝料も滞りなく支払われました。一方、荒れ果てた部屋で一人、「おまえがいないと……」と頭を抱える守。そんな息子の背中に、「お母さんがいるわ! 大丈夫よ守ちゃん……!」という義母の声が響きます。

 

会社で噂が広まり、同僚たちの冷ややかな視線に耐えられなくなった守は退職。沙織は会社の人から、今は実家で暮らしていると聞きました。

 

対照的に、新しい人生が希望に満ちている沙織。無事に晴人の保育園が見つかり、以前勤めていた会社への復職も決まったのです。一時期は誰も信じられなくなった沙織ですが、いまは違います。心強い仲間と、そして愛する晴人くんがそばにいます。

 

「完璧」なんかじゃなくていい――。

晴人と笑い合える日常を大切にしたい

 

沙織は穏やかな幸せを噛み締めながら、前を向いて日々を過ごしていました。

 

数年後――。

 

「晴人ー! もう出発するよー!」玄関先から、沙織さんの明るい声がリビングに届きます。今日は大山さんの家に遊びに行くと伝えると、大喜びの晴人。

 

「ほんと? やったー! ぼくおばちゃんのケーキ大好き! おばちゃんち行ったらトランプしようよ!」

「先週杏奈んち行ったとき負けて泣いてたじゃない」

「おばちゃんには勝つもーん」

 

屈託なく笑う息子を見て、沙織もつられて笑顔になります。

 

沙織はいま、支えてくれる友だちや仲間、そして愛しいわが子に囲まれ、誰のためでもない、自分自身の人生を、一歩ずつ、確かに歩んでいるのでした。

 

◇ ◇ ◇

 

一番信じていたはずの家族からの裏切り……。両親を失い、家族に憧れていた沙織の経験したつらさを思うと、胸が締め付けられます。

 

しかし、沙織の人生は絶望だけでは終わりませんでした。杏奈や恵美のような本当の友情、そして大山さんのような血のつながりを超えた支援に心を救われた沙織。

 

「完璧じゃなくていい」という沙織の心の声は、夫が押し付けた「理想の家族」という呪縛から解き放たれ、新しい自分として歩み始めたことの象徴のようですね。どちらか一方の理想だけで成り立つ関係は、必ずどちらかが無理をすることになる――。夫婦やパートナーが互いの価値観を尊重し、きちんと対話することが大切なのだと、考えさせられます。

 

対話することで関係が深まるのが理想ですが、もし尊重されずに自分が苦しいと感じるのなら、自分自身を守るためにその関係から離れる決断も、勇気ある大切な選択なのかもしれません。

 

私たちも、自分らしい幸せを見つけること、そして何より自分自身を大切にすることを、改めて心に留めたいものですね。そして、つらい状況にいるときは、一人で抱え込むのではなく、勇気をもって周りの誰かに頼ってみる。そうして自分らしい人生を歩んでいきたいですね。

 

 

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    マンガ家・イラストレーターきりぷち

    同世代の夫と息子(2018年生まれ)の3人家族。高齢出産のダメージを残しつつ、息子と走り回れるよう体力作りに邁進中。たとえ老眼になっても、息子の成長は見逃さない!!インスタで育児漫画を描いている。

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