帰宅すると、妻の隣に“見知らぬ男”!?
ソファには妻。その隣には、見知らぬ男性が座っていました。そして私の顔を見るなり、妻は「離婚してほしい」と言い放ちました。ついこの前まで「大好き〜!」と言ってくれていたのに、最近は話しかけてもそっけなく……。ただ、自分も仕事が忙しかったので、深く考えずにいたのです。
「もう、こんな暮らしはたくさん!ブランドバッグもほとんど買えないし、海外旅行だって年に一度だけ!」と妻。すると横の男がヘラヘラしながら、「あなたの会社でいくら頑張っても、彼女を幸せにはできませんよ?」と余計なひと言を添えてきました。
私はもう妻の気持ちが戻ることはないと悟り、「わかった。けど——2人にはきちんと慰謝料を請求するから」とだけ伝えました。妻は「本当に!? 今夜はよく眠れそう!」と満面の笑み。対して男は、驚いたようにその場で固まっています。その後、妻からは記入済みの離婚届を受け取り、2人はそのまま家を出ていきました。
離婚から3年——空港で“まさかの再会”
離婚から3年。私は会社で実績を積み、肩書きには「取締役」が加わりました。大きなプロジェクトも無事に完了し、少しの休みをもらって、結婚したばかりの妻と新婚旅行へ出かけることに。ホテルのロビーを歩いていると、背後から私の名前を呼ぶ声がしました。振り返ると、そこには元妻——そして、あのときの男がいました。
元妻は私の隣にいる妻を見て、「この人と結婚なんて大丈夫ですか?もっといい人がいると思いますけど」と皮肉っぽく言いました。すると妻は首をかしげ、にっこりと微笑んで答えました。「私は、“玉の輿”だと思っています。何より、人柄が最高ですから」その瞬間、元妻の目が泳ぎました。
さらに妻は「今、このホテルのスイートに泊まっているんです。夜景がまるで一枚の絵みたいにきれいで。最初のデートも夜景の橋で、夫が猛アピールしてくれて……あっ、すみません。つい……」と悪気なく続けました。「……スイート?猛アピール?」元妻の声が、わずかに低くなったのがはっきりとわかりました。
また元妻が…!?現れた理由に絶句!
その後、日常に戻り、仕事を終えて自宅へ帰る途中のことでした。背後から呼び止める声がして振り向くと、そこには元妻の姿がありました。「取締役になったのね。それって、私が支えていたからよね。勢いで離婚なんて言っちゃったけど……やり直せるかしら?」
私は迷わず、「やり直せない」と即答しました。そして、元妻が食い下がろうとしたその瞬間、静かに続けました。「あのとき、離婚を言い出してくれて感謝しています。ブランドバッグが欲しい、エステに行きたい、海外旅行がしたい――そんな毎日の要求がなくなって、ようやく静かな時間が戻ったんです。おかげで仕事に集中でき、昇進することができました」
後から聞いた話では、元妻の夫の会社は業績が思わしくなく、生活レベルを落としたくないけれど働きたくない元妻は、私を頼ろうとしたようでした。数カ月後、なんと元妻の夫が不倫をして離婚したと、風のうわさで耳にしました。今、元妻がどうしているのかはわかりません。
現在、妻は妊娠中。この穏やかで幸せな日々が、これからも長く続いていくことを願っています。
◇ ◇ ◇
元妻は、欲に目がくらんで最初の夫を手放した代償の大きさを痛感したかもしれません。結果的に、夫は別れたことで幸せをつかめたかもしれませんが、元妻は自分の言動をしっかり反省してほしいですね。
【取材時期:2025年9月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。