うろたえるクズエの前に現れたのは、クズエの母であり、キクとスミレの祖母。自分の流産経験について話しだす祖母に、クズエもバツが悪そうにします。さらに祖母は「孫が欲しい気持ちもわかる」「でも、わが子の気持ちを大切にするのが親でしょう」「キクちゃんの幸せは子どもを産むことだけではない」「わが子が笑って生きてくれたら十分でしょ」と続けます。
しかし、聞いていたクズエは「うるさい!」「子どもの気持ちなんかどうでもいい」「それより(自分が)周りに置いて行かれるのが嫌なんだよ!」と、あくまでも自分の欲望を優先したいと主張。それを聞いた祖母はあきれ返り「見損なった。そうやって自分自身を不幸にし続ければいい」と言い放ったのです。
クズエのこれまでのひどい行いが次々と明らかに…



















祖母がやさしく諭したにもかかわらず、「子どもの気持ちよりも、他人に置いて行かれるのが嫌だ」と言い放つクズエに、親戚一同も呆れます。そしてそのうちの1人が「実は…」と話し始めたのは、子どもが就活で苦戦しているときに、子ども本人の前でクズエが「社会に必要とされてないだけじゃない?」と言ったということ。そして「そういえば私も…」「実は僕も…」と、クズエの過去のひどい行いが次々と明らかになったのです。
それでも「人を傷つける言葉を言うのはやめなよ」「孫を見たい気持ちはわかるわ。でも自分の娘を傷つけてまで、叶えることじゃないでしょう」とやさしく言ってくれる親戚もいたのですが…。
クズエはそんな親戚に「おまえら全員きっしょいわ!」「孫がいない私が、一番かわいそうなのにぃっ!」と啖呵を切ると「二度と私に関わんな!」と出て行ったのです。
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祖母にも見放され、親戚一同からも「最低すぎ…」と呆れられてしまったクズエ。自業自得というか、身から出た錆というか、他人を傷つけることを平気で行ってきたことの結果でしょう。
ただ、やはりクズエは自分のことを悪いとはあまり思っていないようですね。平たく言えば、孫のいない私が一番かわいそうなのであって、その原因はキクにあるし、私が責められる筋合いはない、ということなのでしょう。
しかし、客観的に見れば、夫婦が子どもを持つかどうかは夫婦が決めるべきことであるし、キクが流産をきっかけにもう妊娠したくないと思い、夫もそれを了承しているのであれば、その選択は、親であろうと咎められるべきものではありません。
孫を見たかった、同僚や親戚に交じって孫の話をしたかった、というクズエの気持ちもよくわかります。しかし、自分の精神を病むような状態なのに、親の希望を叶えるために子どもを産まなければならないというのは、どう考えてもおかしいですよね。
尾持トモ