妊娠恐怖症の娘に「流産した子は地獄で苦しむ」「早く孫を産め」などの暴言を吐く母クズエ。子どもを傷つけてまで叶えることはないとまわりに諭されても「子どもの気持ちよりも、他人に置いて行かれるのが嫌だ」と言い放つクズエに、祖母も親戚一同も呆れます。そして、親戚一同に対するクズエの過去のひどい行いも次々と明らかになり、「最低すぎ…」と白い目で見られます。
クズエはそんな親戚に「おまえら全員きっしょいわ!」「孫がいない私が、一番かわいそうなのにぃっ!」と啖呵を切ると「二度と私に関わんな!」と出て行ったのです。
母クズエの末路は…



























祖母宅での母クズエと親戚一同のやりとりを、親友であるマムとホシミに話すキク。また、妹のスミレも「あんな母親でマジ恥ずかしい」と笑っていたと言います。そして、スミレは「よく耐えたね」「赤ちゃんのことでつらかったのに頑張ったね」「幸せになってよ」とキクを抱きしめたのです。
一方、啖呵をきって祖母宅を飛び出したクズエは、その後も親戚一同からは「子どもを孫を産む道具だと思っている」と白い目で見られ、職場でも「毒母らしい」とうわさされているようです。
そんな母とは縁を切ったキクに、マムとホシミは「私たちは何があってもずっと味方だよ」と言い、キクは2人に「2人がいたから、私は毒親と縁を切れた。救われた」「前を向いて頑張るから」と誓いました。
後日、赤ちゃんの供養に出かけたキクと夫レン。「お空であなたに笑っていてほしい」と、亡くなった赤ちゃんに語り掛けたキク。レンにも「今まで一緒に歩んでくれてありがとう」「これからも一緒に歩いて行こう」と手をしっかりつなぎ、歩き出したのでした。
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クズエは、これまでしてきたことの報いでしょうか、親戚との場でも職場でも肩身の狭い思いをしているようです。因果応報という言葉がありますが、その言葉通り、クズエは今まで他人を傷つけてきた分、今苦しい思いをしているのかもしれません。
また、キクが元気を取り戻し、前向きに生きていこうと思えるようになったことは何よりですね。キクには、信頼できる友だちも、自分のことを大切に思ってくれる妹と夫がいます。お空で見守ってくれている赤ちゃんもいる。だから、きっと大丈夫。前を向いて生きていけるはずです。キクが踏み出す未来が、明るいものであることを祈るばかりですね。
このお話を読んで感じたのは、自分だけがいい思いをしようとか、自分の欲望のためだけに誰かを動かそうとか、そういうことをしていると報いを受けるのだということ。人は助け合って、尊び合うべきもの。そういう気持ちを忘れてはいけませんね。
尾持トモ