新しい工場長
ある日、僕たちが働いている工場の工場長が代わるとのお知らせが。僕たちは、どんな人が来るのだろうとワクワクしていたのですが……。
仕事中、同僚から頼まれて機械の修理をし、自分の持ち場に戻ってくると、
「どこに行っていたんだ。サボっていたんだろう」と新しい工場長に声をかけられました。僕が事情を説明しても、工場長は聞く耳を持ちませんでした。
新しく入って来た工場長は、どうやら社長の身内らしく、工場内でも横柄な態度を見せている様子。
新しい工場長が入って来てから、温かい雰囲気だった職場は緊張感に包まれた職場になってしまったのでした。
工場長にしびれを切らした僕は…
そして工場長は、比較的若い僕に目をつけた様子でした。「工場の作業員なんていくらでも替えがいる」と言ってきたり、僕が他の人に呼ばれて持ち場を離れると「何してる、サボりか?」などと言ってきたり……。
工場長の嫌味にうんざりしてしまう毎日。職場に行くことも憂うつになってしまってきたことから、思い切ってこの職場を去ることを決意しました。僕に対する嫌味を聞いていた他の社員も嫌な気持ちになっていたでしょうし、周囲にも迷惑をかけたくないと思ったのです。
その後、僕は工場長に退職届を提出しました。そして僕は退職日まで余っている有給休暇を使用し、次の仕事を探すことにしたのでした。
休暇中の僕を訪ねてきたのは…
有給休暇中、僕が自宅にいるとインターホンが鳴りました。宅配便かなと思って出ると、そこにはなんと工場長と社長の姿が!
何がなんだかわからない僕が驚いていると、工場長から謝罪の言葉がありました。
どうやら、僕が退職届を工場長に出した翌日に社長が工場視察へ来たようです。工場で働いていた人たちが、僕が退職届を出したことを知り、社長に事情を説明したとのこと。
社長は、工場長と遠い親戚だそうで、「仕事に困っているから仕事をさせてほしい」と頼まれて工場長を任せたようでしたが……。
社員から事情を聞いた社長は工場長に事実確認をし、工場長は僕への嫌がらせを白状。
工場の機械について詳しい僕が辞めてしまうと困ると社員たちが言ってくれたようで、僕に謝罪と辞めないでほしいと言いに来たとのことでした。
「気が付かなくてごめんなさい。これからは、私が責任を持ってあなたのことを守るから。何かあったら遠慮なく言ってください」と社長は連絡先を渡してくれました。
社長の言葉と温かい社員
僕は、社長の力強い言葉に安心しました。また、社員たちが僕のためにいろいろなことを社長に伝えてくれたこともうれしく思って……。そんな社員たちと、僕はまた一緒に働くことを決意しました。
工場長は社長から今回の件で指導されたようで、かなり反省してる様子でした。僕に対する嫌がらせをすることもなさそうでしたし、社長が僕の味方になってくれたので僕は以前よりも安心して働けそうだと思っていました。
こうして、僕は再び工場で働くことに。社員たちは僕が戻って来たことをとても喜んでくれました。「頼りにしている」と言われたときには、「僕が力になれることは全力で頑張りたい」と思いました。
今回の件で、僕は周りにいる社員たちの力を知りました。工場長の嫌がらせで良く見えていませんでしたが、僕には心強い社長と、仲間思いの社員たちが味方だったのです。自分が困ったときには、ひとりで抱え込むのではなく、周りの人と協力することで解決できることもあるかもしれません。これからは、周りの仲間と協力して仕事をしていきたいと思っています!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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