「着物を貸した」と言う夫にがく然
6歳の娘が昨年七五三で着用した着物は、和裁を仕事にする義母のお手製でした。七五三で着用したときは「お姫様みたい!」と大喜び。普段は自宅の押し入れにしまっていましたが、お正月や家族のお祝い事などのときには必ずその着物を着ていました。
ある日、近所に住む夫の幼馴染Aさんの奥さんに、去年うちが七五三で着せた着物はどこでレンタルしたのかと尋ねられました。Aさん夫婦と5歳の娘さんとは家族ぐるみの付き合いです。娘同士の年齢が近いこともあり、Aさんの奥さんとは育児相談をし合う仲。いわゆるママ友関係です。
着物は義母が仕立ててくれたと伝えると、目を輝かせて「じゃあ家にあるんだ。貸してくれない?」と言ってきたAさんの奥さん。「すっごくきれいだったよね! 娘も同じのを着たいってうるさくて……お願い!」と頼み込まれました。しかし、義母が娘のために手間をかけて仕立ててくれた、この世にひとつだけの大切な着物。他人のお子さんに貸すのは抵抗があり、お断りしました。その後はAさんの奥さんと着物の話が出ることもなく、私もすっかりその件を忘れていたのです。
それから数カ月後、ぎっくり腰で寝込む母の見舞いに、娘を連れて遠方の実家に帰省しました。家事要員でもあったため、1週間ほどの滞在。しかし2日目の夜、様子伺いの電話をくれた夫の口から「そういえばAのとこに着物貸したよ」と軽い調子で言われてがく然! Aさんの奥さんが「借りる約束をしていたので受け取りにきた」と訪ねてきたので、私に確認もせず貸してしまったと言うのです。「1回貸しちゃったものを返せなんて言えないし……」と言って夫は取り返すことに消極的。Aさんの奥さんに「着物は貸せないって言ったよね? 私の留守中に借りに来るなんてどういうこと?」とメールするも、返事はありません。私は悶々とした気持ちで、家に帰るまでの日々を過ごしました。
私がようやく自宅に帰った日の夜、Aさん夫婦が着物と菓子折りを持って謝罪に来ました。話を聞くと、Aさんの娘はこだわりとかんしゃくが強く「どうしてもうちの娘の着物と同じのが着たい!」と譲らなかったそうです。数カ月間あちこちのレンタルショップや呉服屋を巡るもののAさんの娘は納得せず、かんしゃくに疲れたAさんの奥さんが、私の不在を知って着物を借りていったとのことでした。夫のAさんは当初無許可だったことを知らなかったようですが、夫がAさんに「妻が許可していないって言ってるんだけど……」と伝えたことで事実を知ったそう。夫からも、私に確認せず勝手に貸したことを謝罪されましたが、Aさんにきちんと直接連絡を取ってくれたおかげで返却されたので、今回の件は水に流すことにしたのでした。
貸した着物はまだ使われていなかったようで、きれいに畳まれ、染みひとつなかったのでひと安心。今回の件をきっかけに、夫とはお互い些細なことでも確認・報告し合うようになりました。Aさん夫婦も話し合いを重ねて、娘さんとの関わりもうまくいっているようです。家庭内での会話や情報共有は大切なのだと、痛感した出来事でした。
 
著者:芳村麻子/30代・主婦。おっとりした6歳の娘と夫の3人家族。専業主婦をしながら資格を取りまくるのが趣味。娘が小学生になったら資格を生かした仕事がしたい。
作画:ひのっしー
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年1月)
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