晴れの日にドタキャンする友人
3人子どもがいるわが家は、長男と長女が七五三をいっしょにお祝いできる年がありました。長男が5歳、長女が3歳のころです。次女も1歳になったお祝いの年。しかし、子ども3人の撮影となると、金額も相当なものに……。
そんなことを学生時代からの友人A、Bの2人とランチに行ったときに話すと、Aが「実は私、出張撮影してるんだよね。これ私のアカウント! 私が撮ろうか? というか撮りたい!」と、フォトグラファーの登録サイトを見せてくれました。そのとき一緒にいたBも私も、Aが写真家として撮影しているのを初めて知った様子。私は友人と金銭のやり取りをするのに抵抗を感じ、一度は断ることに。
しかしその日の夜、Aから「やっぱり家族仲のよさを知ってる私が撮るべきじゃない?」と冗談交じりに連絡がきました。子どもたちもAに何度か会っているので「知らない人より、Aのほうが子どもたちの自然な表情が撮れるかも」と決意。夫にもAに写真撮影をお願いすることを伝え、貸衣装や参拝の予約、小物類の購入など少しずつ準備を進めました。Aにはフォトグラファーのサイトからではなく個人チャットで撮影をお願いし、快諾してもらえたので日程と金額の相談。「じゃあ当日よろしくね!」と諸々が決定したのが撮影の2週間前。そしていよいよ七五三の参拝当日を迎えます。
朝からバタバタと準備をし、Aと待ち合わせている神社に到着。しかし待ち合わせ時間を過ぎてもAは現れません。「今日はよろしくね!」と朝送ったメッセージにも返事はなし。Aになにかあったのでは? と心配になり電話をすると「はいはーい」と元気そうな声のAが出ます。
思いもよらない元気な様子に、私は戸惑いながらも「えっと、今日子どもたちの七五三なんだけど……」と言うと「あ~!……ちょっと待ってね」と明らかに約束を忘れていたかのような焦った口ぶり。そしてしばらくの沈黙のあと「えっと、ちょっと体調悪いんだよね。だから今日はパスさせて~」と電話を切られてしまったのです。一瞬なにが起きたのかわからずぼう然としていると、夫が「Aちゃん大丈夫だった?」と声をかけてくれ、我に返りました。
もう一度Aに電話をかけ直すとAは「しつこいよ!」と今度は逆ギレ。私もさすがに腹が立ち「体調悪いのは仕方ないけど、それなら来られないってわかった時点で言ってほしかった」と強めの口調で言ったのですが「も~うるさいな、さっき起きたの! でも今から行くのは無理でしょ!」と寝坊したことを白状したのです。呆れた私は、「もういい、わかった」と電話を切り、参拝を始めることに。写真はスマホで撮影し、家族写真は神社の方が撮影してくれました。ドタバタでしたが、なんとか無事七五三が終了。撮影料は当日渡す予定だったので、それ以上連絡はせず、そのまま距離を置くことにしました。
今回のことを聞いたBに「〇〇(私)がどういう気持ちでAに撮影をお願いしたか考えてみて!」と諭され、Aは改心して後日わが家にも謝罪に来てくれました。Aは「正直、友だちだし許してくれるかもって甘えてたと思う。ごめん」と意気消沈していました。
Aからの謝罪は受け入れましたが、私は今もお付き合い自体を控えています。もちろん、Aのように得意なことや好きなことを仕事にしているのは素敵だと思いますが、仕事ならばたとえ相手が親しい仲でも「誠意ある対応」が大事だと私は思います。子どもたちにも得意なことなどを極めて自信をつけてほしいと思っていますが、今回のことを反面教師にして、友人の信頼をも失う「不誠実」の怖さも伝えていかなければと実感した出来事でした。
著者:下野香月/30代・ライター。面倒見のいい7歳の長男と、ひょうきんな5歳の長女、甘えじょうずな3歳の次女を育てている元保育士ママ。在宅勤務をしながらスキルアップ中。日々子どもたちに癒やされながら、忙しくにぎやかな毎日を送る。
作画:fukafuka
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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