無神経すぎる友人
Aの家で出産祝いのパーティーが行われることになり、1歳の息子をベビーカーに乗せ出かけた私。電車に乗って向かっている途中、同じくパーティーに招かれていた友人のBに会い、一緒に向かうことになりました。
するとBは私のベビーカーにかかっていたプレゼントを見て「どうしよう。私、出産祝い準備してなかった……」と焦り始めます。焦るBに私は「まだちょっと時間あるし、行く途中の大きい駅で降りたら、駅ビルで買えるんじゃない?」と提案すると、Bから驚きの言葉が。「何買ったらいいかわかんないし、なんなら今月お財布きついんだよね。ねぇ、そのプレゼント私も一緒に買ったってことにして渡してもいい?」と言い出します。私は内心とても嫌でしたが、断れない雰囲気で仕方なく了承。
するとBは、「ありがとう! プレゼント代は8:2の2でいい? 私、Aとそんなに仲良くないからさ!」と言うではありませんか。たしかに私とAは、部活もクラスも同じ仲。BはAとクラスが一緒なだけで、あまり深い交流はありませんでした。とはいえ、あまりに非常識な申し出にさすがの私も「プレゼント一緒にしたいって言っておいて、それはないんじゃない?」とその場で怒りましたが、直後に息子のおむつ漏れが発生し、プレゼント代については話せずじまいに……。
結局うやむやのままAの家に到着した私たち。すでに10名ほどが到着していました。知り合いも、知り合いでない人もちらほら。そのうちのひとりが会釈してくれましたが、見覚えがあるものの私は誰だったのか思い出せません。あとで声をかけてみようと思いながら、Aにプレゼントを渡しに行こうと振り返ると……プレゼントがありません!
すると「えー! ありがとう」とAの喜ぶ声がします。見るとBがAに、私が買ったプレゼントを渡しているではありませんか! 私は慌ててAとBのもとに行くと、「遅いよ! プレゼント、私とあなたからって言って渡したよ」と得意そうに話すB。「私が買ったのに……。Aのことたくさん考えて選んだのに……」と悔しい気持ちが溢れてきました。
するとそのとき「この前はありがとうございました!」と言って、先ほどの女性が声を掛けてくれました。その声を聞いて思い出したのです! その女性は、Aの出産祝いを買うときに相談に乗ってくれた、ベビー服店の店員さんでした。なんとAの幼馴染だったのです。「偶然すぎて驚きました! Aちゃん、そのプレゼントね、この人が買うときすごく悩んで私に相談してくれて、2人で一生懸命選んだものなんだよ」とAに笑顔で伝えてくれたのです。
それを聞いたAは「え? Bが一緒に選んでくれたんじゃないの?」と言いました。実はBは、一緒に買いに行ったことにしていたようです。「え? この人は一緒にいなかったよ?」と女性に言われると気まずい空気に。Aが「B、どういうこと?」と聞くと、Bは「え、いや、あの」とたじろぎ、「ごめん! それ、実は便乗させてもらっただけなの。本当にごめん!」と言い、居づらくなったのか、そそくさと帰って行きました。
しかし、思わぬ助っ人のおかげで私の悔しい気持ちは解消。Bからプレゼント代はもらっていなかったので、Aには事情を話し、改めて「私から」ときちんとプレゼントを渡し直すことができたのでした。
相手のことを思って買ったせっかくのプレゼント。便乗するのは、買った人の思いを踏みにじる行為だと私は思います。自分の体裁を守るために利用されたようで、私もとても傷つきました。今後、このような申し出はきっぱり断ろうと心に決めた出来事でした。
著者:立川りか /30代・ライター。7歳の男の子を育てるママ。息子の好きを全力で応援するため日々奮闘中。虫が大の苦手だが、息子の虫取りに付き合ってきたおかげで少しだけ耐性がついてきた。食後のデザートや週末の晩酌がご褒美。
作画:ryo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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