冷蔵庫の中の物を勝手に食べるな!


夫は食べることが大好きで、毎日私の作った料理もおいしそうに食べてくれます。食卓に出した分だけでは足りず、翌日の昼食のために残しておこうと思ったおかずも食べたいというほど……。
もともとの食欲もあるかとは思いますが、夫は4人兄弟で育ち、子どものころはご飯を争うように食べていたのだそうです。また、家庭も裕福ではなかったことから、食べ物に対しての執着は人一倍。
子どもたちにも小さいころから「出されたものは全部食べようね」「好ききらいは良くないよ」と口うるさく言っています。
一方私はというと、「好き嫌いは良くないけれど、おなかいっぱいになったら無理して食べなくてもいいよ」と父や母から言われて育ったため、子どもたちにも同じように伝えています。これは、残すことは良くないけれど、無理して食べても楽しくない、食事は楽しくしたいという思いからでした。
そこで残すことが当たり前にならないように、食べきれるだけの量を皿に盛って出しています。このように、私たち夫婦は食べ物に対する価値観が違っていました。
また、私は子どもたちが好きなものを好きなだけおかわりして食べられるように、毎日のおかずは多めに作ります。おかずが余れば、翌日の昼食に私が食べて消費。さらに、平日の夕食作りを時短するため、週末に作り置きのおかずを4〜5品程度まとめて作るようにしているのです。
ある日の夕食終わり、夫が冷蔵庫を物色して「これ食べてもいい?」と聞いてきました。それは作り置きしているおかずなので、できれば食べてほしくありません。そのため、「これは明日の夕食用に取っておきたい」と言うと「じゃあ、お菓子食べるね」と返事が。
お菓子も、子ども用に1週間分ストックしていて、毎日そこから出しています。子ども自身が選んだお菓子もあるためそれは別にしているのですが、夫がうっかり食べてしまい子どもに泣かれることもありました。
普段から夫は家にあるものなら何でも食べてしまいますが、食べないでと伝えるとわかってくれます。しかし、細かく伝えていないと残業で遅く帰ってきた日などに勝手に食べてしまうこともよくあるのです。
お弁当用のおかずがない!?
それからも幾度となく夫の「食べていい?」攻撃に遭いましたが、なんとか回避してきました。しかし、とうとう問題が起こるのです!
子どもの遠足前夜、私は気合を入れてから揚げやポテトサラダ、卵焼き、ウインナーソーセージなど、子どもたちからリクエストのあったおかずを作ってタッパーに入れてその日は就寝しました。
そして遠足当日、早起きしてお弁当を作ろうと冷蔵庫を開けると……そこにあるはずのおかず入りタッパーが見当たりません。冷蔵庫の中には残っているおかずもありましたが、子どものお弁当用のおかずは残っていません。
シンクを見ると、空のタッパーがありました。犯人は間違いなく夫。前日残業で遅かったため、夜食に食べたのだと私は察しました。
しかし夫は、今日が子どもたちの遠足の日であることは知っているはずです。タッパーにも、「遠足用のおかず」とシールに書いて貼っておいたのに、まさか食べるなんて!
寝ている夫を今すぐたたき起こして怒りたい気持ちでしたが、お弁当を作ることを優先しました。
夫の安易な考えにあきれ
私はとりあえずコンビニへ急ぎ、冷凍食品や出来合いのおかずを買って家に帰りました。そこからは大急ぎで卵焼きとポテトサラダを作り、買ってきた冷凍食品やお総菜をお弁当箱に詰め、なんとか完成させました。
遠足ということで本当ならかわいくデコレーションしたかったのですが、時間的に難しく……ただおかずを詰めただけの普通のお弁当になってしまいました。
子どもたちには、ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、事情を話すと「大丈夫! おいしそう。ママ、ありがとう」と言ってくれました。子どもたちの様子を見て安心すると再び怒りが込み上げてきたため、夫を起こしに寝室へ行きました。
「起きて! 冷蔵庫にあったタッパーのおかず食べたよね?」と夫を問い詰めると、「ごめん、食べた」とひと言。私が「タッパーに遠足用のおかずだって書いてあったよね? あなたが食べたせいで、おかずが足りなくてコンビニへ行く羽目になったんだけど!」と言うと、「え!?」と夫は驚くのです。
夫の言い分を聞くと、たくさんあるので少しくらい食べても大丈夫だろう、すぐ作れるだろうという安易な考えから食べてしまったそうです。それを聞いて、おかずはすぐには作れないこと、デコレーションをしたりフルーツを切ったりと、お弁当作りは時間がかかることを伝え、子どもたちにも謝ってもらいました。
まとめ
今回の件で、夫がお弁当作りの大変さや、「遠足用」と書かれたシールの意味を深刻に受け止めていなかったことが明らかになりました。これまでは、夫が作り置きやお菓子を食べても私が強く注意しなかったため、「また買えば済む」「少しくらい大丈夫」という安易な考えを助長してしまったのかもしれません。育った環境による価値観の違いはあっても、家族、特に子どもを悲しませる結果になったことは夫婦で反省すべき点です。
今後は、お菓子に名前を書くといった物理的な対策に加え、なぜそれを食べてはいけないのか、その背景にある私の手間や子どもたちの気持ちを具体的に伝え、夫婦間の認識を共有することの重要性を学びました。二度と同じ事態を招かないよう、対話を続けていきます。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
取材・文:大村まこ/30代女性。3人の子どもを持つママライター。わかりやすい! 楽しいと思ってもらえうような記事を書けるように日々頑張っている。
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