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「陰キャ同士お似合いね♡」高校の同窓会でバカにする友人→「何も知らないのね」真実を教えてあげると…形勢逆転!?

高校時代の同級生から、十数年ぶりに連絡がありました。彼女が企画するという同窓会のお知らせ。懐かしさよりも先に、私の胸をよぎったのは、ある種の警戒心でした。

学生時代、クラスの中心にいた彼女の、人を見下すようなあの笑顔。まさか、あの悪夢のような仕打ちが、大人になった今、再び私を待ち受けているとは思いもしませんでした……。

「久しぶり!」


電話口から聞こえてきたのは、底抜けに明るい、けれどどこか棘のある声。例の同級生は開口一番、自分が同窓会を企画したのだと得意げに話し始めました。


「やっぱこういうのって、中心に立つのは私みたいなタイプだよねー!」

 

その変わらない自信過剰な口ぶりに、私は苦笑いを浮かべるしかありません。高校卒業から10年も経ちます。久しぶりにみんなに会えるのは素直にうれしい、と伝えると、彼女は鼻で笑うように言いました。


「でしょ? あんたも、どうせ暇でしょ? 呼んであげるわよ。私って本当にやさしいよね〜! こんな地味な子にまで声をかけてあげるなんて」

 

カチン、と心の中で音がしました。昔から彼女はこうでした。私のように、教室の隅で静かに本を読んでいるタイプを「地味」「陰キャ」と呼び、からかうのが常だったのです。

 

それは大人になった今でも変わらないようで……?

 

同窓会に向けた決意

「……ありがとう。あ! それじゃ夫には私から声をかけておくね」と私が言うと、彼女は「え? 夫?」と驚いた様子。

 

私の夫は、実は高校の同級生。私と同じく、本の虫でした。よく一緒に本を読んでいたこともあり、気が合ってそのまま交際から結婚。今は2人で楽しい日々を過ごしています。

 

しかし、同級生は同じクラスだった夫のことをすっかり忘れていたようでした。

 

「そういえば……そんな男もいたわねぇ。……え!? えええええ!? あ、あんたたちが結婚!? 陰キャ同士で!?」

 

露骨に驚いてみせた彼女。その言葉尻からは侮蔑が感じられました。

 

怒りが言葉にのらないように気をつけながら、私は軽く「……悪かったわね、陰キャ同士で。彼とは気が合うし、一緒にいて落ち着くの。去年結婚したんだよね」と言いました。

 

「はぁ!? なによそれ! まさか、同窓会でみんなに結婚自慢でもするつもり!?」と彼女。そんなつもりはないと否定しても、聞き入れません。

 

「今まで地味だったからって、ここぞとばかりに浮かれて!」と一方的にまくし立て、最後には「陰キャごときが調子に乗ってんじゃないわよ!」と吐き捨てて電話を切ってしまいました。

 

 

 

受話器を置き、大きくため息をつく私に、リビングから夫が「どうしたの?」と声をかけてきました。

 

「……同窓会があるんだって」

 

同級生から言われたことをかいつまんで話すと、夫は「ああ……昔と全然変わってないんだね」と苦笑い。

 

「僕たちが漫画やアニメの話をしてると、しょっちゅうからかってきたよねぇ」「陰キャというか、オタク同士だからこそわかり合えるんだし……そんな言葉、気にしなくていいよ」

 

夫の言葉に、ささくれていた心がすっと軽くなるのを感じました。

 

「僕たち、別に友だちがいなかったわけじゃないし」「せっかく同窓会があるなら、僕たちは僕たちで楽しもうよ」と笑う夫。たしかに、部活の仲間や、同じ趣味のクラスメイトもいました。彼女が勝手に見下していただけで、私たちは私たちなりに楽しい高校生活を送っていたのです。

 

夫の言葉に背中を押され、私たちは同窓会への参加を決めました。同級生に「夫も参加する」と連絡を入れると、案の定、嫌味たっぷりな返信が返ってきました。

 

「陰キャ夫婦なんて引きこもってると思ってたのに」「同窓会にかこつけて、みんなに自慢したいんでしょ? あ、ご祝儀でももらおうって魂胆?」

 

ありもしない疑いまでかけられる始末。これ以上なにを言っても無駄だと悟った私は「……とにかく、当日を楽しみにしてるね。幹事、よろしく」と返信するしかありませんでした。

同窓会での卑劣なお祝い

そして同窓会当日――。

 

久しぶりに会う友人たちとの会話は弾みました。昔話に花を咲かせ、お互いの近況を報告し合ったり……。私と夫が結婚したことを知ると、みんな「おめでとう!」「昔からお似合いだと思ってた!」と心から祝福してくれました。

 

私たちはまだ気づいていませんでした。例の同級生が、その様子を遠くから忌々しげに眺めていることに……。

 

事件が起きたのは、会も中盤に差し掛かったころでした。幹事の彼女が、高らかにマイクで話し始めたのです。


「はーい、みなさーん! ここで、本日の主役……じゃないけど、懐かしいお2人から一言いただきましょう!」


お店の演出用のスポットライトが、私と夫に当てられます。戸惑う私たちをよそに、彼女はニヤニヤしながら続けました。


「なんと、あの教室の隅っこにいた2人が、ご結婚されたそうでーす! おめでとー!」


彼女はわざとらしく拍手しながら、マイクを通して会場中に響き渡る声で、決定的な一言を放ちました。


「いや〜、びっくりだよね! まさかこの2人が! 『陰キャ同士』、お似合いだと思いまーす! みんなも、『底辺同士の結婚』、盛大にお祝いしてあげてー!」


会場は、一瞬静まり返りました。そのあと、彼女の悪意に気づいた一部の友人の苦笑いと、事情がわからないままとりあえず拍手する人たちで、異様な空気に包まれました。


私たちは、大勢の前で晒し者にされ、顔から火が出るような屈辱で立ち尽くすしかありませんでした。いたたまれなくなった私たちは、先に帰ることを仲の良い友人たちだけにそっと告げ、会場をあとにしたのでした。

 

 

静かなる反撃

静かな場所についてすぐに、私は彼女に抗議のメッセージを送りました。すると彼女は反省するどころか、むしろ楽しそうに「あら、もう帰っちゃったの? せっかく幹事の私が『特別なお祝い』をしてあげたのに~」と言ってきたのです。

 

「あれがお祝い? みんなの前で『底辺同士』って言うことがあなたのお祝いなの? よくそんな言葉がお祝いになると思ったわね」と返しても彼女には響きません。

 

「私なりのパフォーマンスだったのに! 陰キャのくせにわざわざ同窓会に来て……注目されたくて仕方がなかったんでしょ? だから私があんたたちの望みを叶えてあげたのよ」

 

「ふざけないでよ!」と返すと、ついに彼女は本音を漏らしました。

 

「あんたたちが来なければ、私が一番目立ってたのに……あんたたちが悪いんだから!」

 

昔から目立ちたがり屋だった彼女は自分が注目を集められず、私たちに嫉妬していただけなのです。そのことを指摘すると、「この私が底辺に嫉妬? ありえない!」と彼女はヒートアップしました。

 

「私は底辺同士の結婚をお祝いしてあげただけ」

「恥かいて退場するくらいが、陰キャ夫婦にはお似合いよ!」

 

私は静かに問いかけました。

 

「何にも知らないのね」

 

しかし彼女は、「は?」「あんな嫌な思いしたんだから、二度と同窓会には来れないでしょ? やっぱり注目されるのは私じゃないと!」と馬鹿にするのでした。

 

 

 

「……純粋に心配してあげてるのよ。私以上に、夫が怒っててね。あんたとの会社との取引、見送るって」

 

「……えっ!? と、取引って……な、なにそれ!?」と驚く同級生。彼女は同窓会で、地元企業の本社、それも花形である企画部の勤務であることを自慢していたのです。

 

「あなたのところの会社と、私と夫が立ち上げた会社で、交渉を進めてたんだけど……あなたの言動を見て、やっぱりやめようかって話になったの」

 

長年の「好き」が高じて、映像アニメーションの制作会社を立ち上げた私たち。私がキャラクターデザインから担当したショートアニメがSNSや動画投稿サイトでバズったことをきっかけに、そのキャラクターの商品化を検討していたのです。彼女が勤める会社も、有力なコラボ先の1つだったのでした。

 

彼女は慌てた様子で私に電話をかけてきました。

 

「え……そのアニメ、私でも知ってるわよ!? そ、それを……あんたたちが? しかも会社って? え!? つまり、あの陰キャが社長で、あんたが社長夫人ってこと……!?」「あのコラボ、うちの企画部が躍起になって進めてるって聞いたけど……私、直接の担当じゃないし、裏方の経理だし……!」

 

同窓会では「花形の企画部」勤務だと豪語していた彼女。どこまでも注目を集めたかったのでしょう。

 

「夫は『社員があのような常軌を逸した侮辱行動を取るような企業とは、信頼関係を築けない』『コンプライアンス体制に重大な懸念がある以上、今回の企画は見送らせてもらう』って、あなたの会社に正式に通達することにしたようよ」

 

「ちょ、ちょっと待って! まさか本当に、企画を見送るつもり!?」と焦る彼女に、私は「そうね、夫は頑固だから。もう考えは変わらないと思うわ」と冷たく告げました。

 

彼女は「私のせいで企画がなくなるなんて……! 私が怒られたらどうするのよ!」と騒ぎ立てましたが、私たちの知ったことではありません。最終的に「謝るから!」と泣きついてきましたが、私は「二度と連絡してこないで」とだけ返し、電話を切りました。

 

往生際の悪い同級生の次の一手

それから1週間後――。

 

帰ってきた夫が珍しく深いため息をついていました。

 

「はぁ……ちょっと聞いてくれよ。……例の彼女から、連絡が来たんだ」

 

謝罪かと思いきや、「いや、それがさ……」と言葉を濁した夫。

 

「『今度、2人で食事でもしない?』とか言ってきてて。しかも『オタクのあんたは、美人とデートなんてしたこともないでしょ?』って……」

 

 

開いた口が塞がりませんでした。あれだけ私たちを馬鹿にしていたのに……。夫が社長だと知った瞬間、彼女は媚びを売ってきたのです。夫が既婚者であることだって知っているのに……。

 

「僕も正直、言葉が出ないよ。『社長だなんてすごいね♡』ってあからさますぎるし……」

 

再び深いため息をつく夫。

 

「私、今、本気で怒ってるからね。私の夫に近づいてくるなんて完全に一線越えたわ。……こうなったら、とことんやってやる」

 

私は怒りでスマホを握りつぶしそうになりながら、ある人物に連絡を取ったのでした。

 

数日後――。

 

例の同級生からものすごい勢いで電話がかかってきました。

 

「な、なんてことしてくれるのよ! あの子に言わなくたっていいでしょ!? 陰湿すぎるわよ!」「あんたのせいで、私は笑いものよ! この私が……『情けない女』って思われてる!」

 

私は、彼女が夫に送ってきたDMのスクリーンショットを、信頼できる別の同級生に見せ、事の経緯を話しました。

 

そして、「こんなDMが送られてきて……どうしたらいいと思う?」と相談したのです。

 

すると、その同級生はあまりの内容のひどさに絶句。「これはひどい……でも私1人ではどうすることもできないから、みんなに相談してみない?」と提案してくれました。

 

その同級生がほかの同級生に相談してくれることになり、またそこから話が広まり……結果、彼女の卑劣な行動と浅ましいDMの内容は、あっという間に同級生全体の知るところとなったのです。

 

「陰湿? 先に私たちを馬鹿にしたのはあなたでしょ?」「散々オタク夫婦を見下してた人間が、裏ではそのオタクに必死に媚びてたんだからそう思われても仕方ないじゃない」と私が言うと、彼女はヒステリックに叫びました。

 

「会社だって……ただでさえ処分が出そうなのに! もし解雇されたらどうしてくれるのよ!?」

 

「それはお気の毒に。でも、私たちには関係ないから。友だちを失ったのも、仕事の信用を失ったのも、全部あなた自身のせい。そのツケが今、返ってきただけだよ」

 

「あなたがやったことは、大勢の前での『公然の侮辱』――名誉棄損にあたるの」「……だから、私たち夫婦が着けた精神的苦痛に対する慰謝料も、弁護士を通じて正式に請求させてもらうから。内容証明で、あなたの自宅と勤務先にも送付するわ」

 

「そ、そんな、慰謝料!? しかも、会社にまで!? そ、それは本当にダメ! クビになっちゃうから!」「お金がほしいなら、すぐにでも払うから! お願い、会社にだけは……!」と泣きわめく彼女。

 

「……謝るから許してよ! 今度みんなの前で、私をマイクで侮辱していいから!」彼女の悲鳴のような声を聞きながら、私は静かに通話を終了しました。

 

その後――。

 

 

結局、彼女は同窓会での醜態とDM暴露が原因で同級生たちの信用を失いました。会社でもコラボ企画が白紙になった責任を問われたそうです。なんとか解雇は免れたようですが、地方の支店に左遷。もう二度と本社に戻ってくることはないようです。


一方、私たち夫婦は変わらず二人三脚で、仕事も家庭も楽しんでいます。あの出来事がきっかけで、同級生たちも私たちの作品を応援してくれるようになり、新たなコラボ企画も順調に進んでいます。


人を見下し、馬鹿にする言動は、いつか必ず自分に返ってくるのだとよくわかった気がします。私たちは「好き」を貫き、お互いを信じ、支え合うことで強くなれました。過去のレッテルに囚われず、今を大切に生きることが、一番の幸せへの近道なのだと実感した出来事でした。

 

 

【取材時期:2025年9月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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