妹の婚約が破棄に…私の結婚を伝えると!?
そんなある日、妹から浮かれた声で「プロポーズされた」と連絡がありました。相手は有名企業に勤めており、結婚したらタワーマンションを買ってもらう約束をしたのだとか。電話口の向こうで弾む声に、私は素直に「おめでとう」と伝えました。
ところが、2カ月も経たないうちに、今度は泣き声で「婚約破棄になっちゃった」と連絡がありました。原因は妹の浮気でした。「一回だけなのに心が狭い」と嘆く妹に、私は「結婚直前の裏切りは誰だって許せない」と答えました。すると彼女は、私にまで怒りを向け、「友だちもみんな同じことを言うから縁を切った」と言い放ったのです。
一方の私は、幼なじみと偶然再会し、静かに交際が始まりました。妹の元婚約者のように有名企業に勤めているわけではありませんが、ふつうに生活できる収入はあります。やがてプロポーズを受け、両親に報告すると、家の中が一気に明るくなりました。妹にも知らせると、電話口で一瞬言葉が止まり、その後、「お姉ちゃんだけ幸せになるなんて許せない」という低い声が返ってきました。その言葉に驚きつつも、気にしないようにして、私は結婚式の準備を淡々と進めていきました。
結婚式当日、妹から届いた“衝撃のメール”とは
そして結婚式当日。ヘアセットを終え、着付けの時間を待っていると、妹からメッセージが届きました。「会場のラウンジでお酒飲んでるよ〜」。ほどなくして、2通目のメールが。「お姉ちゃんのドレスにワインかけちゃった〜。式、台無しだね」。私は一瞬、足元が揺れたように感じました。慌てて電話をかけると、彼女は笑い混じりに「自分だけいい条件の男と結婚するなんて。破談にしてあげる」と言います。どうやら酔っているようでした。
私は深呼吸をして、静かに告げました。「今日、私は和装よ。ドレスは着ないの」。電話の向こうで沈黙があり、「お姉ちゃんのだと思ったんだけど……」とうろたえた声が返ってきました。私はすぐに式場スタッフへ連絡し、確認を依頼しました。
ほどなくして、支配人が控室に来て状況を説明してくれました。妹は展示用として置かれていたドレスに、わざとワインをかけたこと。行為の一部始終は館内カメラに記録されており、量が少なかったため破損扱いには至らないものの、クリーニング代および営業妨害に準ずる実費の支払いが必要であること。さらに、酔ってラウンジで騒ぎ、ほかのゲストにも迷惑をかけたため、式場の規約に基づき退場の対応を取ること――そう伝えられました。
私は「妹がご迷惑をおかけし、本当に申し訳ございません」と謝罪。両親も激怒しており、父が妹に「今日は帰りなさい。これ以上は家族の恥だ!」と厳しい声で告げ、支配人とともにエントランスまで見送りました。妹は真っ青な顔のまま、何も言えずに去っていきました。
ドレスにワインをかけた妹の“その後”
式は予定通り、無事に執りおこないました。後日、妹から両親に「請求が来た。思ったより多いから、半分払って」と連絡があったそうです。しかし両親は、「全額自分で支払いなさい。反省ができるまで、しばらく距離を置きます」とだけ伝えたと聞きました。さらに、館内カメラの映像と目撃証言により、妹が意図的にワインをかけたことが正式に確認され、式場からは出入り禁止の措置が取られたとのことでした。
妹はこれまでも、私の持っているものを欲しがるところがありましたが、まさか結婚式でこんなことをするとは思いもしませんでした。ただ、今回の件で妹が本当に反省し、自分を変えようとしてくれるのなら――そのときは改めて、「おかえり」と言える自分でいたいと思います。
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家族であっても、相手の人生や幸せを妬んでしまうと、関係は壊れてしまいます。いつか妹が心から反省し、再び笑い合える日が訪れることを願いたいですね。
【取材時期:2025年10月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。