こんにちは。助産師・おむつなし育児アドバイザーの榎本です。
今回はおむつなし育児で、トイレやおまるでうんちやおしっこができるまでの、3つのステップについてお話していきます。おむつなし育児をしているとトイレトレーニングがスムーズに進みやすいといわれています。今トイレトレーニングを始めようとしている方へも何かのヒントになるかもしれません。
トイレやおまるでするためのSTEP1
ジャーっと出して、うんちやおしっこが体から出ていることを五感を使って認識する
「ためて一度に出す」という排泄コントロールの感覚が育つには、うんちやおしっこが体から出ている事実を、脳が五感(目、肌、耳、鼻)を使って認識することが必要です。
それには、うんちやおしっこが体から出ていることが認識しやすい服装(布おむつ、布パンツなど)で過ごす時間をつくってあげます。トイレトレーニング用のパンツやおむつ、おしっこパッドなどでも良いのですが、ジャーっと太ももまで濡れないと分かりづらいお子さんもいるようです。
一日中が難しければ一定の時間(15〜30分)や、漏らされても気にならない場所(フローリングや子ども用フロアマット、屋外、お風呂場など)で、布おむつや布パンツで過ごす時間をつくってあげます。
トイレやおまるでするためのSTEP2
「しーしー」という言葉がけで、おむつの外でするという排泄感覚を取り戻す
生まれてからずっとおむつの中で排泄してきた赤ちゃんは、おむつの外でするという感覚を取り戻す必要があります。その合図は、「しーしー」という言葉がけです。
この「しーしー」は、水を連想させて膀胱の筋肉を緩ませます。おしっこをしそうなサインがあったり、おしっこをすでにしていたら、「しーしー」という合図を出してあげることを何度も繰り返しているうちに、合図とおしっこが連動していることを理解できるようになります。
トイレに一緒に行って、大人がおしっこをしているところをみせるのも効果的です。ここのステップ2に時間がかかる子もいるので、焦りは禁物です。
トイレやおまるでするためのSTEP3
おまるやトイレという決まった場所で排泄するという社会的ルールを学習する
おしっこやうんちをしたそうなときがわかるようになってきたら、おまるやトイレに誘ってみましょう。大人がトイレに行きたいときに、一緒に誘ってみるのも良いですよ。
おまるやトイレを嫌がる場合は無理強いせず、まずはおむつをつけたまま、おまるやトイレに座らせて慣らしていきましょう。リラックスして、楽しい時間になるように絵本やおもちゃ、手遊びや歌を歌ってあげるのも効果的です。会話ができるくらいの年齢でしたら、「トイレやおまるをスタートする日」を話し合って子どもに決めさせてもいいでしょう。決めた日にスタートできなくても叱らずに、次の目標日を決めさせます。
3つのSTEPの進め方
生まれてから1年以上、100%おむつの中で排泄してきた赤ちゃんは、「おむつの中でする」ということを強く学習している可能性が高いので、このSTEPを知っておくと便利です。2〜3歳を過ぎてから、トイレトレーニングを始める場合にもこのSTEPは役立つと思います。
逆に、生後6カ月未満の場合は、「おむつの中でする」ことを学習していないため、STEP1と2は自然にできるようになるので、1歳半〜2歳ごろになって自分で動けるようになったらSTEP3をするだけでトイトレをラクにすることができます。
1日15〜30分のおむつなし時間を習慣づけることで、ラクにスムーズにトイトレができるようになるので、ぜひできるときからスタートしてみてください。
おむつなし育児は、親子のコミュニケーションのひとつとして楽しんでやることが大切です。焦らず、ゆっくりと、赤ちゃんの排泄に寄り添ってあげてくださいね。次回は、おむつなし育児の実践編です。
※参考
・「おむつなし育児アドバイザー養成講座テキスト」(おむつなし育児研究所)