【助産師監修】離乳食の2回食はいつから? 進め方、量、コツを解説

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

2回食イメージ

 

1日1回の離乳食が順調に進んだら、離乳食の回数を1日2回に増やしていきます。ただ、「2回食にするタイミングは何を目安にしたらよいのかがわからない」という人も多いのではないでしょうか? そこで、離乳食を2回食に進める時期、1回の食事量や食材の形状、離乳食を与えるタイミングなどについて詳しくご紹介します。また、2回食をうまく乗り切るコツも一緒に見ていきましょう。

 

 

 

2回食を始める時期

母乳やミルクがメインだった赤ちゃんも、生後5~6カ月ごろには成長や発達に必要な栄養を補うために離乳食(1回食)をスタートします。離乳食の1回食を始める時期としては、赤ちゃんの首がしっかりして、支えてあげれば座れる状態になっていることが1つの目安です。また、家族が食べていると赤ちゃんが食べたそうに見ているなど食べ物に興味を示し、口にスプーンを入れたときに舌で押し出すことが少なくなったなどのサインも目安となります。

 

離乳食を食べ始めて1カ月ほど過ぎたころから離乳食を増やし、2回食にしていきます。

 

2回食に進むときの目安は、

 

1.離乳食を始めて1カ月ほどたち、赤ちゃんが喜んで食べている
2.ヨーグルト状の離乳食をごっくんと飲み込めている
3.おかゆのほか、野菜、豆腐、白身魚、しらすなどが食べられる

 

などがあります。

 

これらの様子が見られない状態で無理に2回食へ進めると、赤ちゃんが食べにくさを感じてしまう可能性があります。目安となる時期に2回食を開始できないとしても焦らず、赤ちゃんの様子を見守るようにしましょう。離乳食の進み方は個人差が大きいため、赤ちゃんの様子を観察しながら赤ちゃんのペースを尊重して進めることが大切です。

 

 

 

 

2回食の量や形状

1回食では、さまざまな食材を1回与えるだけでした。しかし、2回食では食事のリズムを念頭に置きつつ、いろいろな食品の味や舌ざわりを楽しめるように食品の種類を少しずつ増やしていきましょう。

 

1回あたりの食事量の目安

はじめのうちは1回目の離乳食は今まで通りの時間と量で、2回目は1回目よりも少ない量にしましょう。慣れてきたら、2回目も1回目と同じぐらいの量にします。

 

厚生労働省によると、2回食の1回あたりの食事量は次の通りです。

 

〇主食
穀類(全がゆ)50~80g

 

〇副菜
野菜や果物 20~30g

 

〇その他(いずれか1品)
魚 10~15g
肉 10~15g
豆腐 30~40g
卵 卵黄1個~全卵1/3個
乳製品 50~70g

 

食材の形状

ヨーグルト状のものが食べられるようになったら、少しづつ水分量を減らして、つぶつぶ感が残るくらいにしていきます。2回食は、舌と上あごを使って食材を押しつぶして、唾液と混ぜて食べられるようになることが目標です。赤ちゃんが舌で簡単につぶせるように、ママの指で軽くつぶせるくらいの固さが目安です。

〇主食
おかゆ:前半は7倍がゆ、後半は5倍がゆにし、粒が残っている状態に。

パン:細かくしたあと水でふやかしやわらかく煮ます

うどん:2〜5mmほどにきざみ、指で簡単につぶせるくらいのやわらかさにします。

 

〇たんぱく質

魚は骨や皮、血合いなどを丁寧に取り除いてゆでたあと、すりつぶすか1〜2mmにほぐします。鶏ささみはすりつぶし、とろみをつけても。
 

〇野菜

やわらかく指で軽くつぶせるくらいにゆで、粗いすりおろしや2〜3mm大に切ります。繊維の多いキャベツや白菜はすりつぶすか、1〜2mm大のみじん切りに。

 

まずは1品だけ形状を変えて、赤ちゃんに食べさせてみましょう。食材は少しずつ硬く、大きくしていくことが大切です。

 

 

2回食の食事のタイミング

2回食の時期は食事のリズムをつけたい時期でもあります。4時間程度の間隔を空けて、午前と午後に1回ずつ食べさせるのが理想です。食事時間を一定にすると、空腹と満腹のリズムがついて2回ともスムーズに食べるようになっていきます。

 

2回食は、次のようなタイムスケジュールを目安にするとよいでしょう。

 

例)

・ 6時:母乳や育児用ミルク
・10時:離乳食1回目 +母乳や育児用ミルク
・14時:離乳食2回目 + 母乳や育児用ミルク
・18時:母乳や育児用ミルク
・22時:母乳や育児用ミルク

 

2回食になっても、生後7~8カ月ごろの赤ちゃんの栄養源は母乳や育児用ミルクが約70%、離乳食が30%程度と言われています。離乳食の回数が増えても、まだまだ赤ちゃんの主な栄養源は母乳や育児用ミルクなので離乳食の後には授乳もしましょう。母乳は欲しがるだけ飲ませ、育児用ミルクの場合は1日量が700~900mlくらいになるように調節して与えるとよいでしょう。

 

 

2回食を進めるときのコツ

〇離乳食づくり

食材の味や食感がわかるよう、味の幅を広げていきます。たまには食材を2〜3種類混ぜたり、おかゆやうどんに混ぜたり、味に変化をつけてみましょう。味付けはうす味を心がけ、かつお、昆布などのだしを使って素材の味などもじょうずに活かしましょう。しかし、離乳食を毎回作るのは大変です。赤ちゃんが寝ているときなどにまとめて作り、1回分ずつ小分けにして冷凍しておくとよいでしょう。

 

〇食卓づくり
赤ちゃんもママも楽しい食卓になるように、かわいい食器を使ったり、赤ちゃんにやさしく話しかけたりしながら進めるのもポイントです。また、赤ちゃんは、お母さんが口をモグモグ動かすと、お母さんをまねしてモグモグさせます。ママがモグモグの動きを見せたり、笑顔で「モグモグするとおいしいね」など声をかけたりすると一層、楽しい食事になるでしょう。赤ちゃんがしっかりモグモグできるよう、足の裏全体が床や足置きにつき、安定した姿勢になるように注意しましょう。

 

〇講座に参加する
「離乳食講座」や「2回食の講座」などを市区町村がおこなっている地域もあります。講座では同じような年齢の子どもを持つ親と交流しながら、専門家を交えて離乳食のすすめ方や作り方を学べたり、実際に作ったりできるケースが多いです。講座に参加すると必要な知識を得られるだけでなく、「他の人も同じような悩みを持っていることがわかり、気持ちがラクになった」などの声も聞かれます。市区町村などの講座を利用することも、2回食をうまく乗り切るコツの1つといえるでしょう。

 

 

まとめ

2回食を始めるのは離乳食の1回食が順調に進み、1カ月ほど経過した生後7~8カ月ごろが目安です。しかし、1回食から2回食へと食事の回数を増やすタイミングは個人差があります。赤ちゃんの様子をよく観察し、2回食のサインが確認できるようになったら2回食に進めていきましょう。目安となる食事量を念頭に置きつつ、まずは回数を増やして食事のリズムをつけてあげましょう。

 

離乳食を食べることは、エネルギーや栄養素を摂ることのほかに、赤ちゃんに「食事が楽しい」と思ってもらうことも大切です。ですが、離乳食の進み方には個人差があり、「2回食が思うように進まない」ということもあるでしょう。そのようなときはひとりで悩まず、かかりつけの病院や地域の行政機関、保健師などに相談してみましょう。

 

心配事を聴いてもらったり、アドバイスをもらったりすると気持ちがラクになり、解決法が見つかることもあります。2回の離乳食タイムが赤ちゃんや家族にとって素敵な時間になるように、赤ちゃんのペースを尊重しながらゆったりとした気持ちで進めていきましょう。


参考:

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」

ベビーカレンダー著・堤ちはる監修:「最新 あんしんやさしい 離乳食オールガイド」

 

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