【助産師監修】赤ちゃんにテレビはいつから見せるべき?
日本の家庭にテレビが普及しだしたのは昭和30年代。今ではほとんどの家庭にテレビがあるといっても過言ではありません。何かの番組を見るというわけでもなく、テレビがついていないと落ち着かないという方もいるのでは!? いろいろな番組があり、多くの情報が得られるテレビですが、赤ちゃんにとってはどのような影響があるのでしょうか?
赤ちゃんにテレビを見せてもいい?
大人にとってはあまり気にならないテレビの音や画面の色、光などは赤ちゃんにどのような影響を及ぼすのでしょうか。
大きな音を聞き続けると、大人でも聴覚器官がダメージを受けることがあります。赤ちゃんにも同様のことが言えるでしょう。赤ちゃんの聴覚に問題が生じていることに気づかず放置しておくと、言葉を正確に聞き取れず発音が悪くなるなど、言葉の発達の遅れにつながることもあると言われています。
また、生まれたばかりの赤ちゃんはほとんど何も見えていませんが、成長とともに視力が上がり、1~3歳ころには1.0までになると言われています。今のところ、テレビを見ることが赤ちゃんの視力低下に影響を及ぼすというような医学的根拠はないようですが、近視は近くの物を見ることによって進行すると言われているため、視力の低い赤ちゃんがテレビに近づいて映像を見ることが視力に影響を及ぼす可能性もゼロとは言いきれません。
そしてテレビの音、光、色の変化、情報の多さは、赤ちゃんにとって刺激が強いものと言えます。これらの刺激を多く受けることによって、赤ちゃんの寝つきが悪くなったり夜泣きの原因にもなるとも言われています。
赤ちゃんにテレビはよくない?
日本小児科学会は、2004年に「乳幼児のテレビ・ビデオ視聴に関する提言」をおこなっています。
●「乳幼児のテレビ・ビデオ視聴に関する提言」
1.2歳以下の子どもには、テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう。内容や見方によらず、長時間視聴児は言語発達が遅れる危険性が高まります。
2.テレビはつけっぱなしにせず、見たら消しましょう。
3.乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せないようにしましょう。見せるときは親も一緒に歌ったり、子どもの問いかけに応えることが大切です。
4.授乳中や食事中はテレビをつけないようにしましょう。
5.乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせましょう。見おわったら消すこと。ビデオは続けて反復視聴しないこと。
6.子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かないようにしましょう。
「乳幼児のテレビ・ビデオ視聴に関する提言」では、テレビの長時間視聴による子どもの言語発達への影響とともに、テレビを見せるときの注意が書かれています。つまり、赤ちゃんにとってテレビを見せることがよくないのではなく、テレビの見せ方・見方が大切だと言えるのではないでしょうか。
赤ちゃんにテレビを見せるときの注意点
●テレビの視聴時間
「乳幼児のテレビ・ビデオ視聴に関する提言」では、テレビの長時間視聴はよくないといっています。多くの小児科医の見解は2時間以内を目安としているので、その範囲で注意しながら見させるようにしましょう。
●テレビを見るときのルールをつくる
テレビの視聴時間だけでなく、「乳幼児のテレビ・ビデオ視聴に関する提言」にもあるように、テレビはつけっぱなしにせず、見たら消す。授乳中や食事中はテレビをつけない。ビデオは続けて反復視聴しないなど、ルールを守ってテレビを見るようにしましょう。
●コミュニケーションも忘れずに
子どもの言語の発達は、誰かとのやり取りによって発達していきます。テレビからの情報は一方的で赤ちゃんが話しかけても反応がありません。テレビを見ながら、親が一緒に歌ったりお話ししたりして、赤ちゃんとコミュニケーションをとりながら見るようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんがテレビを見ることに対してデメリットのほうが目につきがちですが、番組やDVDなどの選び方や見せ方によっては、プラスに働くこともあるように思います。赤ちゃんと2人きりで過ごすことの多いママにとっては、助けになることもあるでしょう。テレビをうまく活用して、ママの負担を減らしながら、赤ちゃんと楽しく過ごせるとよいですね。
◆テレビに関連するQ&A