日焼け
紫外線の害が言われるようになり、過剰に心配するお母さんがいる一方で、まったく気にしないお母さんもいます。実際には、日常生活のなかでどの程度の注意をしていくべきなのでしょうか。
➡10歳までに紫外線を“浴びすぎる”ことのリスク
お子さんの日焼け対策はお母さんによってかなりバラつきがあるのが実情ですが、10歳までに紫外線を浴び過ぎると、将来、皮膚ガンの発症を高めることなど、紫外線のさまざまなリスクがわかってきています。つまり、紫外線の問題点は、「蓄積性がある」ということ。すぐに明らかな変化を起こすわけではなく、何十年もたってからその影響が表れるのです。
また、子どもの時期は、戸外で活動する機会が大人に比べて非常に多くなっています。一生を通して浴びる紫外線量の半分くらいは小児期に浴びてしまうと言われているほど。
➡子どもの紫外線対策はやはり日焼け止めを塗ること
紫外線の多い季節は4月~9月。なかでも10時~14時は紫外線の多い時間帯です。日ごろからこの時間帯に外出することをなるべく避けるように心がけましょう。お散歩や公園遊びがこの時間帯にかかっている方は、生活のリズムをもう一度見直す必要がありそうですね。
もし、この季節・時間帯に外出するときは、必ず帽子をかぶり、腕や顔など衣服で覆われていない部分には、日焼け止めクリームを塗ります。日焼け止めクリームは、普段の生活でしたらSPF20あれば十分ですが、うすく塗っても効果がないので、白く見えるくらいに十分な量を塗るようにします。また、長時間戸外で過ごす場合は、2時間おきに塗り直すことが必要です。
その他、帽子はつばの広い物にする、ベビーカーの日除けを利用する、車の窓ガラスにサンシェードを貼るなど、物理的に確実に紫外線をブロックする方法を積極的に取り入れるといいですね。
➡紫外線に対する抵抗力には個人差あり
「紫外線には気をつけているのに毎日お外で遊んでいたらだんだん黒くなっちゃって……」という程度の焼け方ならまず大きな心配はいりません。というのは日本人は有色人種で、紫外線からお肌を守ってくれるメラニン色素を作れる人が多いからです。メラニン色素を作る量は人によって違いがあり、紫外線に対する抵抗力には個人差があります。それは日焼けの後の皮膚色の変化で見当がつき、大きく2つに大別できます。ただし同じ日本人でも、大別して2つのタイプに分かれます。
(1)もともと色白で、日焼けをしても赤くなるだけでなかなか黒くならない⇒紫外線に弱い
(2)日焼けの後赤くなりにくく、すぐ黒くなる⇒紫外線に強い
日本人でも、(1)のスキンタイプの人は注意が必要です。メラニン色素を作れない分、度重なる日焼けにより、細胞の遺伝子が傷つけられやすいためです。これに該当する人は、より一層注意して紫外線対策をするように心がけましょう。
➡海や山・スキー場など紫外線の多い地域では、紫外線対策を厳重に!
日ごろは熱心に日よけをしているのに、リゾート地に出かけると気分が開放的になるせいか、ついつい気がゆるんで、紫外線対策がおざなりになってしまう方がいます。この落とし穴には気をつけたいもの。海や山・スキー場などのリゾート地では、普段の何倍もの紫外線を浴びることになります。リゾート地などで、日ぶくれを作るほど真っ赤に、急激に日に焼くことが、日焼けの中でも最もいけない焼き方だということを心に留めておいてください。ほんのり赤くなる程度の日焼けとは比較にならない程、細胞の遺伝子がたくさん傷つけられるためです。リゾート地に行ったときほど、厳重な紫外線対策が必要です。具体的には、次のような点に注意するといいでしょう。
●10時~14時の時間帯は屋内や木陰で休むようにする
●SPF30程度、PA+++の日焼け止めクリームをしっかり塗り、2時間おきに塗り直す
●つばの広い帽子、日傘などを利用する
●海に入る時も水着の上からTシャツをはおるなど、服装を工夫する
●リゾート地に行く前に下焼きをしておく(紫外線量の少ない時間帯に少しづつ日に当たり、メラニンを増やしておく)
など心がけてあげましょう。
※資料提供:バイオウェザーサービス「紫外線の反射率」より
スキーや海水浴に行ったときは、普段と比べてよく日焼けしますね。これは、普段以上に反射された紫外線を浴びていることが大きな原因です。また、標高が高くなればなるほど紫外線も強くなりますので、山の場合はさらに影響が大きくなります。
雪や砂は、アスファルトやコンクリートなどと比べてより多くの紫外線を反射します。特に雪の反射率はずばぬけて高く90%程度といわれており、太陽に背を向けていても反射で下から紫外線を浴び、日焼けしてしまいます。
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