季節別のお手入れ方法 - 乳幼児の日焼け、紫外線対策

日焼け

太陽の恩恵には、地球上の生物の命を与える、気温をもたらす、植物の光合成で酸素ができる、バイオリズム(夜昼リズム)をつくる、健康な気持ちをもたらす、ビタミンDを皮膚でつくる(成長や骨の健康に関与する)などありますが、一方で紫外線による害も気になるところです。過剰に心配するお母さんもいますが、まったく気にしないお母さんもいます。実際には、日常生活のなかでどの程度の注意をしていくべきなのでしょうか。

 

 

➡10歳までに紫外線を“浴びすぎる”ことのリスク

お子さんの日焼け対策はお母さんによってかなりバラつきがあるのが実情ですが、10歳までに紫外線を浴び過ぎると、将来、皮膚ガンの発症を高めることなど、紫外線のさまざまなリスクがわかってきています。つまり、紫外線の問題点は、「蓄積性がある」ということ。すぐに明らかな変化を起こすわけではなく、何十年もたってからその影響が表れるのです。
    
また、子どもの時期は、戸外で活動する機会が大人に比べて非常に多くなっています。18歳までに一生の間に浴びる日光の25%を受けると言われています。6カ月までは皮膚が薄くて弱いので、日光を避けたほうがよいとされ、特に早産児は注意が必要です。

 

 

➡子どもの紫外線対策はやはり日焼け止めを塗ること

季節別紫外線照射量と年間照射量に占める割合

環境省「紫外線環境保健マニュアル」より

 

紫外線の多い季節は4月~9月。なかでも10時~15時は紫外線の多い時間帯です。日ごろからこの時間帯に外出することをなるべく避けるように心がけましょう。お散歩や公園遊びがこの時間帯にかかっている方は、生活のリズムをもう一度見直す必要がありそうですね。

 

日差しが強いときに外出する場合は、体を覆う部分が多い通気性や吸収性がよい衣服を選び、つばの広い帽子をかぶるようにしましょう。その他、ベビーカーの日除けを利用する、車の窓ガラスにサンシェードを貼るなど、物理的に確実に紫外線をブロックする方法を積極的に取り入れるといいですね。

 

そして、衣類などで覆うことのできないところには、日焼け止めを使いましょう。乳児の場合は、紫外線の強い時間帯には外へ出さない、また覆いをするなどの工夫をすれば、日焼け止めを使わなくてもいいでしょう。

 

 

➡紫外線に対する抵抗力には個人差あり

「紫外線には気をつけているのに毎日お外で遊んでいたらだんだん黒くなっちゃって……」という程度の焼け方ならまず大きな心配はいりません。というのは日本人は有色人種で、紫外線からお肌を守ってくれるメラニン色素を作れる人が多いからです。人種によって皮膚がんへの影響は異なり、白人はメラノーマ(皮膚がんの1つである悪性黒色腫)になりやすく、ほかの人種はなりにくいです。メラニン色素を作る量は人によって違いがあり、紫外線に対する抵抗力には個人差があります。それは日焼けの後の皮膚色の変化で見当がつき、以下の大きく2つに大別できます。

 

(1)もともと色白で、日焼けをしても赤くなるだけでなかなか黒くならない⇒紫外線に弱い

(2)日焼けのあと赤くなりにくく、すぐ黒くなる⇒紫外線に強い

 

日本人でも、(1)のスキンタイプの人は注意が必要です。メラニン色素を作れない分、度重なる日焼けにより、細胞の遺伝子が傷つけられやすいためです。これに該当する人は、より一層注意して紫外線対策をするように心がけましょう。

 

紫外線の人体に与える影響は波長によって異なり、「UVインデックス」という指標が広く用いられています。

UVインデックス

環境省「紫外線環境保健マニュアル」より

 

➡海や山・スキー場など紫外線の多い地域では、紫外線対策を厳重に!

日ごろは熱心に日除けをしているのに、リゾート地に出かけると気分が開放的になるせいか、ついつい気がゆるんで、紫外線対策がおざなりになってしまう方がいます。この落とし穴には気をつけたいもの。海や山・スキー場などのリゾート地では、普段の何倍もの紫外線を浴びることになります。リゾート地などで、日ぶくれを作るほど真っ赤に、急激に日に焼くことが、日焼けのなかでも最もいけない焼き方だということを心に留めておいてください。ほんのり赤くなる程度の日焼けとは比較にならない程、細胞の遺伝子がたくさん傷つけられるためです。リゾート地に行ったときほど、厳重な紫外線対策が必要です。具体的には、次のような点に注意するといいでしょう。


●10時~15時の時間帯は屋内や木陰で休むようにする
●SPF30程度、PA+++の日焼け止めクリームをしっかり塗り、2〜3時間おきに塗り直す
●つばの広い帽子、日傘などを利用する
●海に入るときも水着の上からTシャツをはおるなど、服装を工夫する
など心がけましょう。 


スキーや海水浴に行ったときは、普段と比べてよく日焼けしますね。これは、普段以上に反射された紫外線を浴びていることが大きな原因です。また、標高が高くなればなるほど紫外線も強くなりますので、山の場合はさらに影響が大きくなります。


雪や砂は、アスファルトやコンクリートなどと比べてより多くの紫外線を反射します。特に雪の反射率はずばぬけて高く90%程度といわれており、太陽に背を向けていても反射で下から紫外線を浴び、日焼けしてしまいます。

 

参考文献:『小児の姿勢』有馬 正高 、北原 佶 

Sophie J Bark. Technical Report—Ultraviolet Radiation: A Hazard to Children and Adolescents.PEDIATRICS Volume 127, Number 3, March 2011

 

 

 

監修者

医師 松井 潔 先生

小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長


愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。


経歴

1986年 愛媛大学医学部卒業

1986-1988年 神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント

1988-1990年 同神経内科非常勤

1990-1992年 国立精神・神経センター小児神経科レジデント

1992-2005年 神奈川県立こども医療センター新生児科 医長

2005年− 同総合診療科 部長

 

■専門領域

小児科

小児神経

新生児

 

■所属学会・委員等

日本小児科学会

日本小児神経学会

日本周産期新生児医学会

日本てんかん学


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