【医師監修】赤ちゃんと大人の肌の違い
「赤ちゃんのようなプルプル肌」というキャッチコピーを化粧品でよく見かけますが、夏にはあせも、おむつかぶれ、冬にはカサカサ乾燥肌やアトピー性皮膚炎など、ママの想像以上に子どもの肌は敏感で、思った以上にトラブルが多いものです。どうしたらきれいな肌を保ってあげられるか、ママにできるお手入れ法あれこれをご紹介します。
【基本編】大人の肌とどう違う?
子どもの皮膚は薄くて敏感、と言われていますが、実際には大人とどのように違い、どのようなことに注意をはらうべきなのでしょうか? 子どもの皮膚の特性をきちんと理解し、日常生活での正しいケアの基礎知識として役立てましょう。
皮膚は、人間を構成する臓器の1つであり、面積が最も大きく、体の表面を覆っているため、外界と接しているのが大きな特徴です。皮膚は、表皮(ひょうひ・表面)と真皮(しんぴ・中側)そして皮下組織から成っており、表皮の最外層に角層という部分がありますが、実はこの角層が皮膚機能の中でも特に重要な役割をしています。
具体的には、
(1)外界からの微生物などが体内に侵入しないように防御する=バリアー機能
(2)水分を保持する
働きがあります。この「水分保持機能」と「バリア機能」能力が未発達であるため、大人に比べて大変乾燥しており、外からの刺激を受けやすくなっています。
➡子どもの肌はママの肌より乾燥している
大人の皮膚は、女性でも男性ホルモンの影響で、毛穴の側の皮脂腺(ひしせん)というところから脂(あぶら)が出て、角質の外をおおう皮脂膜を作り、外界からの刺激や進入物を防御しています。
ところが子どもの場合、男性ホルモンがまだ分泌されないため、この皮脂膜が作られません。角層の機能が未発達なことに加えて、皮脂膜もないため、水分が角層から蒸散しやすく、子どものお肌は大変乾燥しています。実際、乳児期~10歳くらいまでは一生の間で最もお肌が乾燥している時期と言えます。一般的に、子どもは“すべすべのお肌”というイメージを持たれていますが、実はその反対なのですね。ママはご自分の顔を保湿する前に、ぜひお子さんのお肌も保湿してあげてください。
ただし、子どもの時代では例外的に、生後2~3カ月までの赤ちゃんは、お母さんのおなかの中にいたときの影響で、男の子も女の子も自分で男性ホルモンを分泌しており、皮脂の分泌がとても活発。おでこや頭、眉毛にカサカサしたフケのようなものができたり、黄色いかさぶたができる「脂漏性湿疹」ができるのはそのためです。
➡皮膚が薄くて刺激に弱い
みなさん、皮膚の厚さはどのくらいだと思われますか? 大人で2~3mmですが、子どもはその2分の1~3分の1の薄さだと言われています。ですから、こすられるような物理的な刺激に弱く、とても傷つきやすいのです。おむつかぶれになりやすいのも納得できますね。