【医師監修】季節別の赤ちゃんの肌のお手入れ法

濱崎せり先生

濱崎せり先生

 

●東京都目黒区鷹番・世田谷区下馬 西條クリニック皮膚科医師。 
●国立小児病院(現国立成育医療センター)で小児皮膚を専門に診察に携わり、
 2003年より現職。ご自身も小学生の1児のママでもあります。

 

【実践編】季節別お肌の手入れ法マスター!

あせも

子どもの皮膚は薄くて敏感、と言われていますが、実際には大人とどのように違い、どのようなことに注意をはらうべきなのでしょうか? 子どもの皮膚の特性をきちんと理解し、日常生活での正しいケアの基礎知識として役立てましょう。

 

 

➡赤ちゃんや子どもはすぐに汗びっしょり…

あせもとは、皮膚の内部にあるエクリン汗腺という部分から出る汗が、皮膚の表面に到達するまでの通り道に溜まり、炎症が起きる状態を指します。エクリン汗腺の数は200万~300万個で、この数は生まれたときから一生の間変わりません。したがって、体表面積の小さい子どもは、単位面積当たりの発汗量が大人に比べて2~3倍も多くなります。
    
このため、子どもは高温多湿の環境におかれると、簡単にあせもになりやすいのです。夏場はもちろん、最近は冬場でも温め過ぎ・着せ過ぎで「冬のあせも」も増えています。

 

 

➡エアコンはじょうずに使ってください

このところ日本各地で、夏は猛暑が多く、残暑も厳しいものがあります。一時減っていたあせもが、ここ数年復活しているのは、子どもにエアコンを使うのがよくないと考える親御さんが多いためと思われます。エアコンを使用すると風邪をひくのではないか、エアコンを使って汗を抑えると汗をかきにくい体質になってしまうのではないか、という心配の声がよく聞かれます。
    
エアコンの使用目的は汗をかかなくすることではなく、汗をかき過ぎる子どもにとって不快な環境を改善することです。汗っかきの赤ちゃんにとって、30度を越す日が続く猛暑には、適度にエアコンを使って、汗をかき過ぎない環境を整えてあげることが必要です。ただし、過度な使用は避け、吹き出し口からの風は直接体に当たらないように配慮してあげましょう。

 

 

➡あせも対策には袖付き下着

ノースリーブの洋服は一見涼しそうですが、わきの下に汗がたまってベタベタしてしまいます。おすすめなのは、わきの下をカバーすることができるTシャツタイプの袖付き下着(または洋服)。吸湿性があり、肌ざわりのよい綿素材がよいでしょう。背中やわきの下にかいた汗を速やかに吸い取るためには、ぶかぶかの物ではなく、肌にぴったりする形やサイズのものが望まれます。また、襟ぐりが大きく開いている洋服よりも、襟つきのデザインの洋服のほうが、あせもが出やすい首筋の汗を効率よく吸い取ることができるため、おすすめです。そして、汗をかいたら洋服はこまめに取り替えてあげましょう。

 

 

お風呂の入れ方のポイント

汗をかいたらこまめにふき取るなど、肌を清潔にすることがあせも予防及びケアの基本です。シャワーで洗い流すことはもちろんいいのですが、必要以上に浴び過ぎるのはNG。皮膚がふやけ、汗腺をつまらせて、かえってあせもを悪化させてしまうことがあります。シャワー1日3回を限度にしましょう。そのうち、せっけんを使って洗うのは1日1回で十分。あせもの部分もよけずに洗っていただいて大丈夫です。

 

【医師監修】季節別の赤ちゃんの肌のお手入れ法

 

あせもは、たとえなってしまったとしても、こういった正しいスキンケアをきちんとしていただければ、ほとんどがお薬なしでも治すことが可能です。しかし一方では、こじれて湿疹を作ったり、化膿したりすることもあるので注意が必要。5日~1週間たっても治らないとき、だんだん症状がひどくなるとき、痛みやかゆみがあるときは、小児科か皮膚科に相談を。炎症をとるクリームや抗生物質が処方されることもあります。

 

 

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