「胎便吸引症候群」とは?症状や原因、影響、治療法について

胎便吸引症候群イメージ

 

おなかの中の赤ちゃんが苦しいサインのひとつに羊水が混濁するということがあります。赤ちゃんが羊水の中でうんちをし、羊水が濁ってしまうのです。

濁った羊水を赤ちゃんが気管や肺に吸い込むことで「胎便吸引症候群」という病気になることがあります。

胎便吸引症候群は、新生児に起こりやすい疾患のひとつです。今回は、「胎便吸引症候群」の原因や治療法などについてお話ししたいと思います。

 

 

胎便とは?通常のうんちになるまでの変化は?

胎便は、黒緑色から黒色でやや粘り気があり、その中には胃や腸からの分泌物や皮膚、たん白質、脂質、血液などが含まれています。

新生児の約90%は生後24時間以内に初めてのうんちが出て、生後48時間以内には99%の赤ちゃんがうんちをします。

初めてのうんちから2日間ほどは胎便が排泄されます。

 

その後、うんちの色は黄緑色から緑褐色となり、粘度も胎便よりは少なくなり、移行便となります。そして、生後5日目ころには通常のうんちになっていきますが、母乳を飲んでいる赤ちゃんとミルクを飲んでいる赤ちゃんとではうんちの性状に違いがあります。

 

ミルクを飲んでいる赤ちゃんでは黄緑色、母乳を飲んでいる赤ちゃんでは黄色のうんちが多いです。うんちの回数も母乳を飲んでいる赤ちゃんのほうが多いです。

淡黄色、白色、血便など、うんちの色に変化がある場合は注意が必要なため、かかりつけの小児科、産婦人科へと相談しましょう。母子手帳にも便の色がのっているページがあるので、確認をしてみると良いと思います。

 

 

胎便吸引症候群とは(原因)

胎便吸引症候群(meconium aspiration syndrome;MAS)は、赤ちゃんが生まれる前後に胎便を気道や肺に吸い込むことで起こる呼吸困難で、通常は37週0日~41週6日に生まれる正期産児や42週0日以降に生まれる過期産児に見られます。

 

通常、おなかの中で赤ちゃんが胎便をすることはありません。ですが、何らかの原因でおなかの中の赤ちゃんが低酸素状態になると、おなかの中の赤ちゃんの迷走神経反射によって腸の動きが活発になり、そして肛門の筋肉が緩くなるために羊水中に胎便が排出されます。

そしてこの胎便を含んだ羊水を赤ちゃんが気道や肺に吸引することで胎便吸引症候群が起こります。

 

おなかの中の赤ちゃんが苦しくなったときに起こる排便の反射のメカニズムは在胎36週以降にできるようになるため、正期産児や過期産児に多いと言われています。

羊水の中で胎便してしまうケースは全出生の約10~15%で見られますが、胎便吸引症候群となるのはそのうちの5%程度です。

胎便吸引症候群が疑われるケースは、NICU(新生児集中治療室)での管理が必要になります。

 

 

胎便吸引症候群の症状・赤ちゃんへの影響は?

赤ちゃんの爪や臍帯、胎盤が胎便により黄色や緑に染まっていることがあります。

気管や肺に胎便が付着していることで、肺が十分に機能せず、呼吸状態が悪くなります。

そのため、チアノーゼが出現し、赤ちゃんの呼吸数が多くなります。重度の場合は、陥没呼吸や呻吟(しんぎん:唸るような呼吸)、吸った息を吐きだすことができないなどの症状が出てきます。吸った息を吐きだせない状態が続くと、肺がどんどん膨らんでいき、肺が破れてしまう緊張性気胸を起こしてしまうこともあります。

 

胎便吸引症候群の多くは救命することができますが、低酸素状態が重度な場合、新生児遷延性肺高血圧症となり、救命が困難になることがあります。

 

 

胎便吸引症候群の治療法

生まれた赤ちゃんの状況によっては、出生後早期の気道確保と気管吸引が必要なケースがあります。呼吸の管理として血液中に溶け込んでいる酸素の量を測るパルスオキシメーター(SpO2)を使用し、赤ちゃんの呼吸状態を管理していきます。胎便吸引症候群が重度の場合は人工呼吸器を使うこともあります。

 

肺サーファクタントという肺胞を膨らませる物質がうまく機能していない場合は、人工サーファクタントを気管内に入れて胎便を洗い出します。こうすることで胎便によってふさがれていた気道を開通させ、肺の炎症を改善させます。また、細菌性肺炎のリスクがあるため、抗菌薬が使われます。

胎便吸引症候群の合併症で、緊張性気胸や新生児遷延性肺高血圧症を発症した場合は、それらに対する治療も並行して行います。
 

 

 

まとめ

正常な羊水の色は透明から少し白濁した色をしています。しかし、おなかの中の赤ちゃんが苦しくなると、黄色から緑色に羊水の色が変化します。

破水している場合には、羊水の色にも注意し、気になる症状がある場合は、スタッフに早めに相談しましょう。

また、出産のときに初めて聞くと慌ててしまう場合もありますので、このような新生児特有の病気があるということを頭の片隅に入れておくといいかもしれません。

 

参考文献:
・祝原賢幸,岡嶋美由紀;【基礎を押さえて看護計画に生かそう!病態関連図付き新生児の代表的疾患のアセスメント 呼吸器疾患編】胎便吸引症候群(解説/特集) Neonatal Care(1341-4577)28巻9号Page832-839(2015.09)

 

・廣瀬 悦子;【小児の治療指針】 新生児 胎便吸引症候群(解説/特集) 小児科診療 (0386-9806)73巻増刊 Page839-841(2010.04)

 


監修者:助産師 REIKO

医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

 

 

 

 

【関連記事】

赤ちゃんのおむつを開いてビックリ!新生児月経ってなに?

知らなくてびっくり!「新生児月経」と「魔乳」ってなに!?

新生児に必要なものってなに?わが家の便利だったもの・不要だったもの

出産時の入院中から退院後まで!新生児に準備しておきたいものはコレ!

新生児は鼻づまりしやすい!準備しておきたい便利グッズ3選

きれいな肌に戻したい!新生児期の乳児湿疹どう治す?

赤ちゃんが黄色い!?新生児の生理的黄疸とは?

新生児に必要なものってなに?ママの買ってよかったものをご紹介!

赤ちゃんをふんわりやさしく包みたい!おくるみの使い方や種類とは?

先輩ママ愛用中!おくるみで赤ちゃんを寝かしつけ!

 

 

◆生後0~1か月に関するQ&A

 

 

◆産後のサポートの体験談

助産師さんから『アレルギーが怖いのであまり早く始めず5ヶ月過ぎて6ヶ月ぐらいから始めるといい』と聞いていたので、よだれも多いし食べ物に興味がでてきた5ヶ月と12日から10倍がゆを始めました。2週目からにんじんやじゃがいも、ほうれん草などを1さじからはじめて3週目には豆腐や、白身魚をはじめました。わりと好き嫌いなく食べてくれました。スプーンにも慣れ離乳食はじめて1ヶ月たった頃から2回食にしました。最近はベビーフードなどにも頼りいろんなものを食べさせてます。今のところアレルギーないようで安心してます。

たいがママ さん

うちはアレルギー家系で、花粉症や食べ物アレルギー、薬アレルギーなど様々あるので、離乳食開始は七ヶ月ごろまで粘りました。下の子は、上の子が食べているのをみるとすごく羨ましそうな顔をするので、上の子よりは早めでしたが、聞いた話によると実は下の子になるにつれアレルギー危険度は増していくらしいですね。 三歳になると腸壁がしっかりしてくるので、生ものや家族にアレルギーのある食べ物については三歳までは控えていました。離乳食の食欲については、うちは上の子の時はお気に入りのぬいぐるみを隣において競争させるように食欲を煽っていましたが、下の子は上の子がいい競争相手になって、モリモリ食べてくれています。むしろ、早食い、大食いにならないように気をつけなければ!

ぽぽ さん

離乳食は1回食からはじまり、少しずつ色々な食材を食べさせていきました。最初は10倍がゆから始めました。1週間慣れたところで、野菜を少しずつ始めていき、果物も食べさせていきました。食べてくれるととても嬉しいもので明日は何を作ろうかなと考えるのが楽しかったです。だんだん食べる量も増えていきました。口周りや洋服が汚れてしまうので、その後始末がいつも大変でした。

そばかす さん

料理があまり得意でない私は、離乳食が始まって、手作りの1回食、2回食・・・のあたりでもう限界。3回食になった時点で、3回のうち1回は市販のベビーフードを使おう!と決めたとたん、フッと気持ちが楽になりました。その1食の中で、自分では作りにくい食材(レバーなど)も取れるし、品目も多く取れるので、気分的にもとても助かりました。手を抜いて、その分、ゆっくりと子どもと向き合う時間が取れたと思います。

あっちママ さん

 

その他の産後のサポートの体験談

 

◆助産師に相談しよう!(無料)

ベビーカレンダーでは助産師に相談ができます。知りたいことは助産師に質問してみましょう。会員登録は不要です。

2017/09/13


はじめての方へ

赤ちゃんの笑顔でいっぱいの毎日を。『ベビーカレンダー』は、赤ちゃんが毎日を笑顔で過ごせるような情報をお届けする、妊娠・出産・育児の情報サイトです。日めくりカレンダーを毎日めくるように、『ベビーカレンダー』を、ぜひ毎日ご活用ください。

ベビーカレンダー監修者はこちら

  • 天神先生
  • 三石先生
  • 池谷先生
  • 小枝先生
  • 松井先生
  • 太田先生

あなたも質問してみませんか?

ご投稿いただいた質問に、頼れる専門家が回答いたします。気になる悩みや疑問をお寄せください。