【助産師監修】原始反射とは? 種類と消える時期について
赤ちゃんのお世話をしていると、赤ちゃんが両腕をばっと開いたり、赤ちゃんの口に指を近づけると吸い始めたりなど、特定の条件で決まった動きをすることに気付いたママも多いのではないでしょうか。これらの赤ちゃんの動作は「原始反射」と呼ばれています。今回は、原始反射はいつから始まるのか、原始反射の種類と消失時期、消失しない場合の注意点などについて解説します。
原始反射とは
原始反射は赤ちゃんにみられる、特定の条件で起こる刺激反応です。赤ちゃんに原始反射が現われるのは、外の世界で適応していくうえで必要であるためです。
原始反射をコントロールしているのは、脊髄・脳幹ですが、赤ちゃんの月齢が進んでいくにつれて脳が発達していくと、これらの反射は自然に消えていきます。
原始反射がみられるのはいつから?
赤ちゃんに見られる原始反射は、ママのおなかの中にいるときから始まっているものもあります。原始反射が始まるのは、受精後5~6カ月。妊娠の週数の第1日目は、最終月経日となりますから、妊娠5カ月に入ると、おなかの中で赤ちゃんは原始反射をおこなっていることになります。
近年、超音波でおなかの中の赤ちゃんを確認するエコー検査は発達しています。妊婦健診の際に、原始反射とみられるような赤ちゃんの動きを確認することもできるでしょう。
原始反射の種類と消失時期
赤ちゃんの時期だから確認できる原始反射には、よく知られているものから少しマイナーなものまであります。原始反射のチェック方法は自宅でもできるので、興味のあるママは自分でおこなってみてもよいでしょう。
よく知られている原始反射
以下に挙げる原始反射は、名前を知らなくてもすでに見たことがある人も多いと思います。具体的なものを見ていきましょう。
●モロー反射[月齢4カ月ごろまで]
赤ちゃんの頭を支えながら体を持ち上げたあと、急激に落下させたときに、赤ちゃんが腕をばっと開く反射。赤ちゃんが眠っているときにも現れることがあります。モロー反射はママの体から落ちそうになったときに、つかまろうとするためと考えられています。
●ルーティング反射(追いかけ反射)[月齢4~6カ月ごろまで]
赤ちゃんの顔に乳首をつけると、乳首を探すように左右に口を動かす反射です。赤ちゃんの頬などに指で触れても、見ることができます。
●手掌把握反射[月齢4~6カ月ごろまで]
赤ちゃんの手のひらを指で刺激すると、ぎゅっと握り返す動作がみられます。赤ちゃんの小さい手で握られると、きゅんとするママもいるでしょう。
●吸啜(きゅうてつ)反射[月齢6~12カ月ごろまで]
物をくわえたのち、自動的にこれを吸う運動を繰り返す反射です。
まだまだある! そのほかの原始反射
原始反射にはモロー反射などのほかにも、さまざまなものがあります。自宅で簡単に確認できるので、家族でチェックしてもよいでしょう。
●足踏み反射[新生児から月齢2カ月ごろまで]
赤ちゃんの体を前かがみになるように支えながら、足を床に近づけようとすると、赤ちゃんが自分の足を動かして、歩いているような動作を見せます。
●踏み出し反射(定位反射)[月齢2カ月ごろまで]
赤ちゃんの体を支え、足をテーブルの端の裏側につけると、テーブルを歩き出すような動作がみられます。
●陽性支持反応[月齢2カ月ごろまで]
赤ちゃんの体を支えて、床に体重がかかるように足をつけると、足指を上げて、足をピンと伸ばします。
●非対称性緊張性頚反射[月齢2~3カ月ごろまで]
赤ちゃんをあお向けに寝かして、顔を片側に向けます。すると、赤ちゃんの顔の向きと同じ側の腕を伸ばして、反対側の腕を頭方向に曲げるので、L字ポーズが見られます。
●足底把握反射[月齢3カ月ごろまで]
赤ちゃんの足の裏側にある親指の付け根を刺激すると、足の指でグーをします。手掌把握反射の足バーションです。
●逃避反射[月齢3カ月ごろまで]
赤ちゃんの足の裏を針のようなもので刺激すると、足を曲げて引っ込める動作をします。
●ギャラン反射[月齢4~6カ月ごろまで]
まず、赤ちゃんのおなかを支えて、空中でうつぶせになるようにします。その後、赤ちゃんの背骨の外側部分を、線を引くように刺激すると、赤ちゃんの体が弓なりに曲がる反射です。赤ちゃん、おしりを振っているようなかわいらしい動作を見ることができます。
原始反射で確認すべきポイント
赤ちゃんの脳の発達により、自然に消えていく原始反射ですが、反対に言えば、原始反射が消えていない場合は、成長や発達になんらかの問題がある可能性があります。また、原始反射そのものが現われなかったり、原始反射があっても、左右で反応が異なっていたりする場合も、赤ちゃんの発達に問題が生じているかもしれません。
いくつかの原始反射は、乳児健診などで、赤ちゃんの発達や健康状態に合わせてチェックされています。原始反射のなかには、モロー反射などわかりやすい反射や、授乳時に確認しやすいルーティング反射や吸啜反射などもあります。あまり神経質になってママのストレスになるのは本末転倒ですが、自宅で簡単にチェックしてみるのもよいでしょう。
まとめ
脳の正常な発達の目安にもなる原始反射は、赤ちゃんの時期だからこそ見られるものです。原始反射のなかには、かわいらしい動作もあり、ビデオに残している家族もいます。赤ちゃんのストレスや安全に気をつけながら、家族で原始反射をチェックしてみるのもおすすめです。
参考:
一般社団法人 日本小児神経学会 / 小児神経学的検査チャート作成の手引き
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◆離乳食の体験談
わが家では、よだれも多く、食べ物に興味が出てきた生後5カ月と12日から10倍がゆを始めました。2週目からにんじんやじゃがいも、ほうれん草などを1さじから始めて、3週目には豆腐や白身魚を始めました。わりと好き嫌いなく食べてくれました。スプーンにも慣れ、離乳食を始めて1カ月たったころから2回食にしました。最近はベビーフードなどにも頼り、いろいろなものを食べさせています。今のところアレルギーないようで安心しています。
たいがママ さん
離乳食は1回食から始まり、少しずついろいろな食材を食べさせていきました。最初は10倍がゆから始めました。1週間慣れたところで、野菜を少しずつ始めていき、果物も食べさせていきました。食べてくれるととてもうれしいもので明日は何を作ろうかなと考えるのが楽しかったです。だんだん食べる量も増えていきました。口周りや洋服が汚れてしまうので、その後始末がいつも大変でした。
そばかす さん
料理があまり得意でない私は、離乳食が始まって手作りの1回食、2回食……のあたりでもう限界。3回食になった時点で、3回のうち1回は市販のベビーフードを使おう! と決めたとたん、フッと気持ちが楽になりました。その1食のなかで、自分では作りにくい食材や品目も多く摂れるので、気分的にもとても助かりました。手を抜いて、その分、ゆっくりと子どもと向き合う時間が取れたと思います。
あっちママ さん