【管理栄養士監修】妊婦さんは甘酒を飲んでも大丈夫? 妊娠中に甘酒を飲むときの注意点
甘酒は、日本の伝統的な発酵甘味飲料で栄養価が高く、「飲む点滴」とも呼ばれる飲み物です。栄養をしっかり補給したい妊娠中にも飲みたいものですが、「酒」という名がつくため、飲んでも良いのか気になります。今回は、妊婦さんは甘酒を飲んでもよいのかについて解説します。
妊娠中でも甘酒を飲める?
微量でもアルコールが含まれている場合は、妊娠中は飲まないほうがよいです。しかし、なかには甘酒の作り方によってアルコールを含まない甘酒も売られています。甘酒を飲むのであればアルコールを含まない甘酒を選びましょう。
アルコールを含む甘酒とアルコールを含まない甘酒について
加工食品として販売されている甘酒は、アルコールを含む甘酒とアルコールを含まない甘酒の2種類があり、それぞれ製造過程に違いがあります。
アルコールが含まれる甘酒は酒粕から作られています。
日本酒の製造過程で生産される“もろみ”からできる酒粕に、水と砂糖などを加えて火にかけることで作られます。酒かすから作られる甘酒は、食物繊維が豊富に含まれ、アミノ酸やブドウ糖のほか、ビタミン、有機酸、ミネラルなどの栄養素が微量に含まれています。酒粕はアルコールが6~8%ほど含まれており、甘酒を作る際に沸騰させることでほとんど飛びますが、微量のアルコールが残ります。
一方、アルコールが含まれない甘酒は米麹から作られています。
蒸米と麹菌を合わせて約60度に保ち8時間ほどおくことで作られます。麹菌が作り出した酵素によって米のデンプンがブドウ糖に分解され、甘くなります。栄養素として、発酵の過程でビタミンB群が豊富になり、他にもアミノ酸や糖類、ミネラルなどが豊富に含まれています。
ただ、米麹の甘酒であっても商品によっては発酵の過程で微量にアルコールが含まれる場合や酒粕をわずかにブレンドしたものもありますので、飲める甘酒なのか飲めない甘酒なのかは、商品表示をしっかり確認して、アルコールを含んでいないものを選ぶようにしましょう。
妊婦さんが甘酒を飲む場合の注意点
甘酒を飲む場合はアルコールが含まれていないかどうかを必ず確認する以外にも、飲む量や飲み方についても注意が必要です。
甘酒のカロリーは100mlあたり、81kcal(お茶碗半分くらいの白米)と低めですが、飲む量が増えてしまうとそれなりのカロリーを摂取してしまうことになります。また、甘味飲料なので一気に飲むと血糖値が急激に上がってしまう恐れもあります。体重管理や妊娠糖尿病の予防の観点からも、甘酒の摂りすぎには注意が必要です。甘酒の摂り過ぎを避けるためにも、噛みながらゆっくり飲んだり、甘すぎる場合には水で薄めて半量を飲んだりするなど、飲み方も工夫しましょう
まとめ
甘酒は、日本の伝統的な発酵甘味飲料で「飲む点滴」と呼ばれるほど、栄養価が高い飲み物ですが、アルコールが含まれるものは妊娠中は飲まないほうがよいです。また、米麹から作られた甘酒はアルコールを含まないものもありますが、製造工程でアルコールを含む場合もありますので、選ぶ際は商品表示を必ず確認するようにしましょう。