【医師監修】妊娠週数・月数の数え方、計算方法

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師福岡 正恒 先生
産婦人科 | 産婦人科医

京都大学医学部卒。同大学院修了後、京都大学助手、講師を経て、平成11年より産科婦人科福岡医院院長。京都大学在職中は、婦人科病棟や産科病棟などを担当。またこの間、英国エジンバラ大学・生殖生物学研究所に留学。日本産科婦人科学会・産婦人科専門医、京都大学医学博士。

妊娠週数の数え方

 

正常な妊娠であることがあきらかになると、医師から現在の妊娠週数と出産予定日が告げられます。妊娠初期に予定日や週数を正確に決めておくことは、その後の赤ちゃんの成長が正常かどうか、生まれてもいい時期とはいつからいつまでか、などを判断する上で大切なことです。ここでは、出産予定日の決め方と、妊娠週数の数え方や計算方法、時期ごとのお母さんと赤ちゃんの体の変化などについてお話ししたいと思います。
 

 

 

出産予定日の決め方

出産予定日の決め方は下記のようになります。

 

■最終月経から予定日を決める場合

最後の生理が始まった日の日付をもとに、この日から数えて280日(40週)目を予定日とします。これは、生理の周期が平均的な28日周期の場合、この頃に生まれることが多いというデータに基づいています。しかし、生理日を正確に覚えていない場合や、周期が28日前後ではない場合には、正確ではありません。


■排卵日から予定日を決める場合

不妊治療中の方や、基礎体温で排卵日(妊娠した日)がわかっている場合は、排卵日から266日(38週間)後を予定日とする方が、より正確です。


■胎児の大きさ(頭臀長)で予定日を決める場合

生理の周期が不順で排卵日も不確実な場合、妊娠3カ月(8~11週)に超音波で胎児の頭臀長(頭の先から臀部までの長さ)を測定し、その頭臀長が~週~日相当であるというデータに基づいて、予定日を決めることになります。


最終月経の日付で数える場合や排卵日から予定日を決めた場合でも、超音波で胎児を測定する方法で再確認をして、予定日が変更になる場合もあります。

 

 

妊娠週数・月数の数え方、計算方法

■最終月経から予定日を決める場合

最後の生理が始まった日からの日数がa週間+b日であれば、そのまま「妊娠a週b日」ということになります。


■排卵日から予定日を決める場合

排卵日を2週0日として計算します。 

 

■胎児の大きさ(頭臀長)で予定日を決める場合

決めた日の胎児の大きさから週数(~週~日)が決まります。


実質的に妊娠期間(週数)として計算されるのは、予定の生理が来ないで妊娠検査薬が陽性となる4週(2カ月)からということになります。妊娠の経過は週数で表すのが基本ですが、妊娠〇カ月と表す場合は、40週を4週(28日)ごとに10カ月に分けて考えます。そのため、妊娠1カ月という表現はしません。4週0日から4週間が2カ月、8週0日から4週間が3カ月ということになります。


また、妊娠の経過を「初期」「中期」「後期」の3つの時期に分ける場合は、2~4カ月(~15週)が「初期」、5~7カ月(16~27週)が「中期」、8~10カ月(28週~)が「後期」ということになります。


ちなみに、妊娠の期間を「十月十日」(とつきとうか)と表現することがありますが、これは280日という期間を30日 × 9カ月 + 10日、つまり10カ月目の10日目が予定日というふうに表現したものと思われます。

 

 

妊娠経過に伴うお母さん・赤ちゃんの変化

 

妊娠初期(妊娠0~15週)

妊娠5週頃から赤ちゃんの入った胎嚢(たいのう)という袋がエコーで確認できるようになります。早ければ、この頃からつわりの症状が出始めます。


妊娠6~7週頃から赤ちゃんの心拍が確認できるようになります。つわりのピークは7~9週頃で、妊娠12~16週頃に消失することが多いです。

 

妊娠14~15週頃には胎盤が完成し、流産の危険性も低くなり、いわゆる安定期に入ります。

 

妊娠中期(妊娠16~27週)

お腹の膨らみが目立つようになります。体調も比較的よくなって、より活動的になれる方が多くなります。胎動を感じ始めるのは、初めての出産の場合は20週頃のことが多く、2回目以後の場合は16週頃から感じることもあります。


妊娠22週目に入ると、大きな節目を迎えます。妊娠22週未満での出産は流産と呼ばれ、赤ちゃんの生存はほぼ不可能です。妊娠22週0日~妊娠36週6日での出産は早産と呼ばれます。妊娠22週頃に産まれた場合、赤ちゃんは500g前後と非常に小さく、様々なリスクが生じる可能性がありますが、現在の医療水準では赤ちゃんの生存の可能が高くなります。


妊娠27週頃には赤ちゃんの体重は1000g前後となります。お腹もだいぶ目立つようになり、子宮底長(恥骨の上から子宮の一番上までの長さ)は22~26cmぐらいになります。

 

妊娠後期(妊娠28週~)

赤ちゃんがどんどん大きくなり、お母さんの体重も急増しやすい時期です。お腹も大きくなるため、仰向けに寝ることがむずかしくなります。子宮の後ろにある大きな血管が圧迫され、血圧が低くなったり、脈が速くなったりして、気分が悪くなりやすくなるからです。また、妊娠35、6週頃には子宮底長が最大になるため、胃もたれや動悸、息切れなどの症状も出やすくなります。寝る前など遅い時間の食事はやめましょう。


赤ちゃんの体重は、妊娠30週頃には1500g、妊娠33週頃には2000g程度になります。妊娠34~35週頃に赤ちゃんの肺の機能が成熟するため、それ以後はもし早産になった場合でも人工呼吸器が必要ない可能性が高くなります。


そして、妊娠37週0日からが正期産、つまり生まれても大丈夫な時期となります。予定日が近づくと、子宮底が下がり始めるので、胃もたれなどの症状から解放され、食欲が増す方が多いですが、体重の増えすぎには注意しましょう。なお、正期産は41週6日までで、予定日を2週間以上過ぎると、「過期産」(時期を過ぎたお産)と呼ばれるようになります。

 

 

妊娠中に積極的に摂りたい妊婦さんに必要な栄養素

妊娠中に特に摂取しておきたい栄養は、葉酸と鉄、カルシウムになります。

 

葉酸

葉酸は、ビタミンB群の1つで、葉酸の十分な摂取によって赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防効果があることがわかっています。神経管閉鎖障害とは、二分脊椎や無脳症など、赤ちゃんの命や成長・発達に大きな影響を及ぼす病気です。摂取時期としては、妊娠1カ月以上前から妊娠3カ月までの間に、1日0.4mg(400μg)の葉酸を摂取することで、神経管閉鎖障害の約70%の予防効果があるとされています。葉酸は、ほうれん草、枝豆、ブロッコリーをはじめとする緑黄色野菜やうなぎ、ホタテなどに多く含まれています。

 

赤ちゃんの成長に伴う鉄貯蔵、臍帯や胎盤中への鉄貯蔵、血液量の増加に伴う鉄需要の増加など、妊娠中は鉄が多く消費されます。鉄分が足りないと鉄欠乏性貧血となり、出産の時のがあります。レバーや魚、貝、大豆、緑黄色野菜、海藻などに多く含まれています。ただしレバーは、生で食べると母児に危険な菌が付着していることもあるので、しっかり火を通して食べるようにしましょう。また摂り過ぎはビタミンAの過剰摂取にも繋がり、赤ちゃんに異常が出る可能性もあるので、注意が必要です。

 

カルシウム

カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯をつくるのに必要な栄養素です。赤ちゃんに送られるカルシウムの量が足りなくなるとお母さんの骨から足りない分のカルシウムが吸収されるため、お母さんの骨がもろくなってしまう可能性があります。そして、将来骨粗しょう症になる可能性があるため、必要量を摂取するようにしましょう。1日650mgで、妊娠前と同じ推奨量となっています。

 

大事なことは、いろいろな栄養素をバランス良く摂取することですが、上記の栄養素が確実に摂取できるような、妊婦さんのためのサプリメントも発売されているので、必要に応じて利用しましょう。

 

 

まとめ

妊娠中は、赤ちゃんが妊娠週数に応じた成長・発達をしているか、またお母さんのからだに異常な変化が起きていないかなどを定期的にチェックする必要がありますので、医師の指示通りに定期的に健診を受けるようにしましょう。また、何かおかしいと感じることがあれば、早めに連絡し受診するようにしましょう。

 

 

 

 

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