GBSって何? お母さんや赤ちゃんに影響するの?

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溶連菌のイメージ

 

妊娠後期になると、GBS(B群溶血性レンサ球菌)の有無を調べます。GBSを保有していると妊婦さんや赤ちゃんにどのような影響があるのでしょうか?

 

GBS(B群溶血性レンサ球菌)とは?

GBSは、Group B Streptococcusの頭文字をとったもので、B群溶血性レンサ球菌のことを言います。誰でも保有している可能性がある常在菌の1つで、消化管、膀胱、腟などにいます。

 

妊娠する年代の女性を調べてみると10%〜30%でGBSが検出されます。通常妊婦さんや赤ちゃんの体に存在(保菌)していても特に健康状態を脅かすような菌ではありません。しかし、500回から1,500回に1回くらいの頻度で、生まれたばかりの赤ちゃん(新生児)に感染症を起こすことが報告されています。

 

 

GBS感染症に赤ちゃんがかかったら?

新生児のGBS感染症は、お産の際に赤ちゃんが産道を通過するときに産道付近にいるGBSが赤ちゃんに付着し、鼻や口、喉から体内へ移行して発生すると考えらえています。

 

新生児のGBS感染症には、早発型と遅発型があり、生後6日までに発症するものを「早発型」、それ以降に発症するものは「遅発型」とされます。早発型は分娩時の感染によるもので、遅発型は分娩時による感染だけでなく赤ちゃんに関わる周囲の人間から感染する水平感染と考えられています。早発型のGBS感染症は、4分の1が早産の赤ちゃんに起こります。

 

GBS感染症の診断は、発症初期には非常に難しいのが現状です。他の感染症と比べてGBSに特有の症状というものはありません。発症初期にみられる症状としては発熱、呼吸困難や、呼吸回数の異常、嘔吐、哺乳力の低下、けいれんなどの症状もありますが、その一方でなんとなく元気がないというだけだったり、はっきりした症状がない場合もあります。

 

しかし、GBS感染症を発症してからは症状の進行が速く、肺炎や敗血症(血液中にGBSが入り、全身を巡って症状を起こす)、髄膜炎(髄膜に感染して脳炎を起こす)などを引き起こす恐れがあるので、検査によってGBS感染症が疑われた場合は直ちに治療が必要です。

 

 

妊娠中におこなわれるGBS検査とは?

新生児がGBS感染症を発症すると急速に悪化しやすいことから、現在ではすべての妊婦さんに対してGBS検査をおこなうことが推奨されています。出産の時期が近づいてきた段階の妊娠35~37週の妊婦健診のときに、GBS検査をおこないます。GBS検査は、妊婦健診のときに公費負担で受けられる検査の1つです。

 

検査用の綿棒で、腟や肛門から検体をとって、培養検査でGBSの有無を確認します。検査結果は大体1週間程度で判明します。妊娠中は妊婦さんからおなかの中の赤ちゃんへ感染しないため、妊婦さんに対して特別な治療はおこないません。

 

 

妊婦さんがGBS陽性の場合はどうする?

GBS感染症は抗生物質で有効に予防できるため、感染の症状がなければGBS陽性であることだけを理由に帝王切開術はおこないません。陣痛が開始したときか破水したときに、抗生物質の投与(内服または点滴)をおこないます。それ以前のタイミングで抗生物質を使っても、常在菌であるGBSは出産までの間に再び産道に出現してくる可能性があるため、最も有効な感染を予防できるタイミングがこのお産の前の時期であると現時点では考えられています。

 

帝王切開術を受けて出産する妊婦さんには、通常予防的に抗生物質が使われるので感染予防の対応は不要です。抗生物質はペニシリン系が使用されます。この抗菌薬は、分娩を終えるまで4時間毎に繰り返します。ペニシリン系の薬剤にアレルギーがある妊婦さんへは、別の抗菌薬が投与されます。 

 

検査の結果がGBS陰性でも前回出産した赤ちゃんがGBS感染症だったケースやGBSの保菌状態が不明(例:検査結果がまだ明らかでない、検査していない)の状態で、破水後18時間以上経過したとき、あるいはお母さんが38℃以上に発熱したときには、感染予防のため抗生物質を使います。
 

 

産後のお母さんや赤ちゃんにもGBSを気にしたほうがいいの?

経腟分娩の際に適切な抗菌薬投与をおこなったときや、生まれた赤ちゃんに感染した症状がなければ、特別な検査や治療はおこないません。お母さんがGBS陽性の場合でも、赤ちゃんへ母乳を与えることに制限はありません。母乳の中には赤ちゃんに必要な栄養や免疫が含まれているので、GBS陽性だったことだけを理由に母乳栄養をあきらめたり、やめたりする必要はありません。

 

 

まとめ

GBSは健康な人からも検出される常在菌と呼ばれる、ありふれた細菌です。通常それによって影響を受けることはありませんが、感染症となって発症した場合には、赤ちゃんの生命やその後の健康状態に影響を及ぼすことがあるため、感染を予防することはとても重要です。GBSについて心配や不安なことがあれば、産婦人科医や助産師へ相談しましょう。

 

参考:

・産婦人科診療ガイドライン2017
 

 

 

監修者

医師 川島 正久 先生

産婦人科 | あんずクリニック産婦人科院長


静岡県磐田市生まれ。平成5年神戸大学医学部卒業、神戸市立中央市民病院/淀川キリスト教病院、磐田市立病院に勤務の後2011年にあんずクリニック産婦人科を開業「お産を通して人々に喜びを与える」をモットーに地域の人々のお役に立てるよう励んでいます。

 


経歴

■主な経歴

静岡県立磐田南高等学校卒業
筑波大学 生物学類中退
神戸大学医学部卒
1993年~1995年    神戸市立中央市民病院
1995年~1996年    六甲アイランド病院
1997年~2002年    若宮病院
2002年~2003年    日本医療救援機構(アフガニスタン)
2003年~2004年    浜松医大 産婦人科
2004年~2005年    蒲原病院
2005年~2008年    藤枝市立病院
2008年~2011年    磐田市立総合病院


2018/10/04


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