【医師監修】妊娠のサイン!? 着床出血とは?

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下腹痛のイメージ

 

妊娠を意識する女性は、月経が来る予定日前後の出血に不安になることがあるでしょう。今回は、妊娠した場合に起こる可能性のある着床出血についてお話しします。

 

 

着床出血とは?

卵巣から卵子が排卵し、精子と結合して受精卵ができます。受精卵が絨毛(じゅうもう)という根を下ろして子宮内の壁にくっつくことを着床と呼びます。

 

受精卵が着床をするとき、絨毛が子宮内の壁を傷つけることがあり、その際に出血が起こることがあります。医学的な用語で、月経以外の時期に性器から出血することを不正性器出血あるいは不正出血といいます。「着床出血」は医学的な用語ではありませんが、一般的な言葉として、着床の段階に起こる不正出血を「着床出血」として説明されることが多いため、ここからは「着床出血」という表現に統一してお話しします。

 

 

着床出血の起こる時期・色・量は?

月経周期が28日間の場合、排卵は次回の月経が開始する2週間前で、受精してから着床するまでおよそ1週間かかります。そのため、着床出血は次回の月経が開始する1週間ほど前に起こることが多いです。ただし、月経周期の日数や規則性には個人差があるため、月経開始予定の直前に出血が起こることもあります。

 

着床出血の起こる時期と同じように、色や量についても個人差があります。赤色、ピンク色、茶色ということもあれば、黄色い帯下(おりもの)に赤い血液が少量混じっていたということもあります。量はごくわずかなことが多いですが、人によっては月経と同じような量を確認したというケースもあります。

 

なお、着床出血は妊娠した女性全員に起こるわけではありません。妊娠が成立する過程に起こる生理的な現象です。着床出血がないために、妊娠していないというわけではありません。また、着床出血と思われる時期に出血があっても、確実に妊娠していることを示しているわけではありません。

 

基礎体温を日ごろから測定して記録している場合は、基礎体温の変化から排卵日や月経開始予定日を参考に着床出血と推測することはできますが、子宮、腟、外陰部、尿道、肛門のどの部分から出血しているのか特定することや、医療機関を受診して妊娠の判定を受けない限り、着床出血と判断することはできません。
 

 

着床出血と思われる出血が起きたらどうする? 

まずは、妊娠の判定を受けましょう。妊娠の判定を受けるためには、着床出血と思われる出血が起きてすぐの対応は必要ありません。市販の妊娠検査薬で妊娠の判定が可能になるのは、妊娠4週目以降です。着床出血が起きた段階では、市販の妊娠検査薬では妊娠の判定をする時期として早すぎます。

 

市販の妊娠検査薬を使用する場合は、次回の月経開始予定日から1週間ほど経過したころ、あるいは着床出血が起きてから2週間ほど経過したころを目安に使用しましょう。
妊娠を望んでいる場合、妊娠の可能性があれば産婦人科を受診して、妊娠の判定を受けましょう。妊娠初期(0~15週)は、胎児の脳や心臓など主要な器官が作られる時期なので、喫煙や飲酒、自己判断による薬剤の使用など胎児の発育に影響するものは控えましょう。不妊治療中の場合は、受けている不妊治療の過程によって、出血が何を示しているかは異なります。不正出血が起きた場合は、担当医の指示に従いましょう。

 

妊娠を望んでいない場合でも、まずは時期を見て産婦人科を受診し、妊娠の判定を受けましょう。市販の妊娠検査薬を使用して、心の準備をしてから受診しても良いです。さまざまな事情で産婦人科の受診をためらう場合は、全国でおこなっている妊娠SOS相談窓口で、電話やメールでの相談をしてみましょう。もし妊娠していると診断を受けた場合は、次のステップについて医師や助産師、保健師と相談していくことが大切です。

 

なお、市販の妊娠検査薬で妊娠反応が陽性でも、超音波検査で妊娠が確認できる前の早い時期に流産することもあります。この状態を化学流産といいますが、特に治療は必要ありません。また、着床出血を月経と考えて過ごした場合に、妊娠の判定をしない限りは妊娠していたことにも気づかず過ごすこともあります。自身の月経周期については日ごろから関心を持ち、予期せぬ妊娠につながらないように注意していきましょう。
 

 

まとめ

着床出血は妊娠した女性にすべて起こるものではなく、確実に妊娠していることを示しているわけではありません。また、医療機関を受診して妊娠の判定を受けない限り、着床出血と判断することはできません。月経とは無関係の時期に起こる出血は、妊娠に伴うものもあれば、ホルモンの異常や病気によって起こるものもあるので、妊娠の希望の有無に関わらず、不正出血があれば出血のあった時期や状況を考え、産婦人科など医療機関を受診して相談しましょう。


■参考■
産婦人科診療ガイドライン産科編2017
日本産婦人科学会HP 不正出血

日本産婦人科医会HP 産婦人科ゼミナール
日本財団 ハッピーゆりかごプロジェクト


 

監修者

医師 天神尚子 先生

産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長


日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。


経歴

1981年 日本医科大学医学部卒業
1988年 米国ローレンスリバモア国立研究所 留学
1994年 日本医科大学 産婦人科学講師
1995年 東京都教職員互助会三楽病院 産婦人科科長
1995年 日本医科大学 産婦人科学客員講師
2004年 三鷹レディースクリニック開業


著者

助産師 古谷真紀


一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー

大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。


2019/08/22


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