【医師監修】妊娠中のイライラどうすればいい? いつまで続く?

0

イライラのイメージ

 

今回は、妊娠中にイライラしやすい理由とそれを解消するために知ってほしいことについてお話しします。

 

 

妊娠中にイライラしやすい理由

妊娠中に自分の意思とは関係なくイライラする理由の1つに妊娠に伴って起こる自身の体の変化があります。また、妊娠によって自分を取り巻く環境が思いどおり、期待どおりにならないことにイライラすることもあります。

 

 

気持ちの変化に影響する妊娠中のできごと

妊娠初期(妊娠0〜15週)

望んだタイミングでの妊娠でも、親になることへ漠然とした不安を抱えることがあるでしょう。妊娠したことによって職場における仕事の引継ぎ、産休などについて考えなければならない人もいます。妊婦さんだけでなく、夫や家族の人生設計を変更もしくは調整する必要がある人もいて、こういったことがストレスの原因となることがあります。予想せず妊娠した人や期待していなかった妊娠だった人には、状況の変化に気持ちが対応できるまで、よりストレスを感じやすくなります。

 

また妊娠初期に起こりやすいだるい・眠い・気持ち悪いなど「つわり」の症状が起こることで、強い不快感から妊娠に対するイライラや拒否したい気持ちがわいてしまうことも少なくありません。

 

妊娠中のほかの時期と比較して流産する頻度が高い時期のため、自分の体のちょっとした変化に不安になる妊婦さんも多いです。妊娠初期は赤ちゃんの体の器官が作られる時期なので、自分が食べたものや使用したものの成分が赤ちゃんに悪影響がないか、過剰に気にする妊婦さんもいます。妊娠したことでお酒やタバコを止めざるを得ないために、ストレスを感じる妊婦さんもいます。

 

妊娠中期(妊娠16〜27週)

妊娠中期になるとつわりなどの症状が落ち着き、腹部のふくらみや胎動を体験し始めることで、漠然としていた赤ちゃんの存在が確かなものとして感じられます。妊娠初期にあった不安が解消されることで、体と気持ちの状態が安定する妊婦さんも多いです。母親学級や両親学級に参加することで「悩んでいるのは自分だけではない」と思えたり、体型が変化し周囲からも「妊婦さん」として扱われることで、周囲のサポートを心強く感じることがあるでしょう。

 

妊娠期間のなかでは比較的安定した時期ですが、夫(パートナー)との間に妊娠・出産・子育てに対する気持ちのずれが生じていたり、お互いの理解が深まらないことでいらだちを感じる妊婦さんもいます。

 

妊娠後期(妊娠28週以降)

妊娠後期は赤ちゃんの成長と共に、おなかが大きくなる時期です。今までのように体を思いどおりに動かせない、夜間十分な睡眠がとれない、腰が痛いなど、妊婦さんの体への負担が増す時期です。

 

産前休暇や退職をきっかけに、社会から突き放されたように感じる妊婦さんもいます。初めての出産であれば、初めてが連続することで絶えず不安がつきまとうこともあるでしょう。第2子以降の出産でも、上の子のときには体験していないことに対して戸惑ったり、上の子のお世話と新たな生命を授かった生活に疲れやストレスを感じやすいかもしれません。

 

出産の時期が近づいてきても、夫(パートナー)にパパとしての自覚が足りない、妊娠している妻への気づかいが感じられないことにイライラを感じやすい妊婦さんもいます。
 

 

妊娠中のイライラを解消するために

妊娠中は、妊娠による自分自身の体の変化や妊婦さんを取り巻く環境の変化をストレスとして感じることがあります。妊娠中に起こるイライラの理由以外にも、妊娠したことをプレッシャーに感じている、妊娠したことを周囲に公表できない事情がある、夫(パートナー)や家族からのサポートが得られないなどの理由で、いらだちを感じている妊婦さんも少なくありません。

 

妊娠中のイライラを解消するために、まずは、妊婦さんはイライラする理由を身近な相手と話してみましょう。他者へ話すことで解決することもあります。また、睡眠不足であれば眠る時間を確保する、気分転換になる場所へ出かける、何かを我慢しているのであれば代わりのものを探す、体を動かすなど、妊婦さんそれぞれに合った方法を見つけましょう。

 

夫婦で親になることへの準備が進まないことにイライラしているのであれば、夫(パートナー)と具体的にやってほしいことを話し合いましょう。一緒に健診に行く、両親学級へ参加する、家事を分担する、胎動を一緒に感じる、定時に帰宅する、育児休暇取得に向けて準備するなど、妊婦さんの体と心の変化に共感することや、赤ちゃんとの生活に向けて現実的な準備を進めることで、妊婦さんのイライラは少し落ち着くかもしれません。

 

もし、妊婦さんのイライラする理由がわからない場合や、身近な相手に自分の気持ちをうまく伝えられない場合は、担当医や助産師、居住地の保健所や保健センターにいる保健師へ相談してください。どんな状況であっても、妊婦さんがひとりでイライラする気持ちを抱えるのではなく、身近な相手あるいは専門職と話して具体的な解決策を考えましょう。
 

 

まとめ

世間一般では、妊娠は幸せに満ち溢れていると思われがちですが、そうではないこともよくあります。妊娠中は、夫(パートナー)との関係性や社会的な役割の変化など、自分の思いどおりや期待どおりにならないことでイライラを感じやすくなります。妊婦さんがひとりでイライラする気持ちを抱えるのではなく、身近な相手あるいは担当医や助産師、保健師などの専門職と話して具体的な解決策を考えましょう。


■参考■
周産期メンタルヘルス コンセンサスガイド2017
妊娠中から始めるメンタルヘルスケア 2017年発行 日本評論社

 

 

監修者

医師 川島 正久 先生

産婦人科 | あんずクリニック産婦人科院長


静岡県磐田市生まれ。平成5年神戸大学医学部卒業、神戸市立中央市民病院/淀川キリスト教病院、磐田市立病院に勤務の後2011年にあんずクリニック産婦人科を開業「お産を通して人々に喜びを与える」をモットーに地域の人々のお役に立てるよう励んでいます。

 


経歴

■主な経歴

静岡県立磐田南高等学校卒業
筑波大学 生物学類中退
神戸大学医学部卒
1993年~1995年    神戸市立中央市民病院
1995年~1996年    六甲アイランド病院
1997年~2002年    若宮病院
2002年~2003年    日本医療救援機構(アフガニスタン)
2003年~2004年    浜松医大 産婦人科
2004年~2005年    蒲原病院
2005年~2008年    藤枝市立病院
2008年~2011年    磐田市立総合病院


著者

助産師 古谷真紀


一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー

大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。


2019/09/09


この記事にいいね!しよう

いいね!
0

現在ログインしていません。

助産師に相談しよう!(無料)

ベビーカレンダーでは助産師に相談ができます。
知りたいことは助産師に質問してみましょう。
会員登録は不要です。

コメント

  • この記事にコメントする

    残り文字

はじめての方へ

赤ちゃんの笑顔でいっぱいの毎日を。『ベビーカレンダー』は、赤ちゃんが毎日を笑顔で過ごせるような情報をお届けする、妊娠・出産・育児の情報サイトです。日めくりカレンダーを毎日めくるように、『ベビーカレンダー』を、ぜひ毎日ご活用ください。

ベビーカレンダー監修者はこちら

  • 天神先生
  • 三石先生
  • 池谷先生
  • 小枝先生
  • 松井先生
  • 太田先生

あなたも質問してみませんか?

ご投稿いただいた質問に、頼れる専門家が回答いたします。気になる悩みや疑問をお寄せください。