しつけに「怖いたとえ」は禁物?
1歳9カ月の娘は、寝かしつけの時間に「おなかをしまわないと、雷様におへそ取られちゃうんだよー」と言われたのが、とても恐かったらしいのです。そのせいか、以前は寝るまでに1時間以上かかっていたのに、「雷様くるよ」のひと言ですぐに目をつむって固まり、そのまま寝てしまうようになりました。「雷様」と言うだけで10分ほどで寝てしまうので、すごくラクですし、泣き喚くこともなくすんなり寝てしまうので、本人もラクだと思います。しかし、しつけに際して、あまり恐がらせるようなことは言わないほうがいいのでしょうか? 最近、家にいてもなかなか離れず、抱っこをせがむことが多くなっている気がしますが、もしかしたら「雷様」のせいかな、と思っています。先生のご意見をお聞かせください。
1歳9カ月ごろになると、言葉の意味も少しずつ理解するようになっていきます。したがって、「怖いたとえ」は恐怖につながることがあります。おへそは体の一部で、どこにあるかもわかっているようですね。「取る」「取られる」という意味もわかっているのでしょう。「雷様」は、雷雨のときにお母さんが教えたのでしょうか。自分のおへそが、あの音と雨と光を伴った得体の知れないものに取られてしまうのは、恐ろしいことだと感じたのでしょう。それ以来、「雷は怖いもの」という思いにとらわれ、目をつむらなければどんなことになるかと恐れているのだと思います。そして、日中も雷様への漠然とした不安を感じているので、頼りになるお母さんから離れられなくなっているのでしょう。これからは、もう会話の中に雷様を登場させないほうがよいでしょう。そうすることで、不安は少しずつ軽減していくと思います。今まで、寝る前にぐずぐずしていたのは、眠くなかったからではないでしょうか。起床、就寝の生活リズムがきちんとできて、遊び、外遊びが自分のペースでできていれば、夜は9時ごろには自然に眠くなるはずです。