夫の実家に息子を取られそうで不安です
私が子宮の病気を患ったため、息子をひとりっ子で育てています。幼稚園が遠く、近所にお友だちもいないせいか、夫の実家へ毎日のように行きたがり、泊まりたがります。夫の実家には、姑さんと2人の義妹がいて、彼女たちは働いていません。そのため、いつも遊んでもらえるので、息子も帰りたがりません。おまけに、「お母さんは一緒に来ないで!」と言われてしまいます。最近では、「おばあちゃんの家に泊まりたい」と言い出し、姑も義妹たちも大賛成です。もともと姑は核家族に反対で、「そりゃ毎日母親しかいなかったら、子どもも飽きるよ! かわいそうに。ここなら女手もたくさんあるし、毎日幼稚園が終わったら、ここへ連れて来なさい」と言うのです。夫の提案で、週の半分は幼稚園の送迎もお風呂も、何もかもすべて実家に任せるということになりました。「私の子どもなのに」と複雑な気持ちです。たまに遊んでもらうのは全然構いませんし、私も大歓迎なのですが、週の半分も生活の基盤を移すのはとても不安です。息子は、姑にとっては跡取りであり、唯一の孫、義妹たちにとっては唯一の甥で「子ども代わり」になっています。かわいがってくれるのはいいのですが、母親としてはショックで悲しいですし、惨めでなりません。母親の立場も影もまったくありません。とてもつらいです。
「私たちには、もうこの子しかいない」という緊迫感が、お子さんを取り巻く大人の感情に生じているように感じます。このような環境で育つ子どもは、どのような気持ちで毎日を送っているでしょう? 「どの人が、本当に自分を守ってくれるのだろう」と、不安に感じることもあるでしょう。本来なら「自分を守ってくれるのは、両親だ」と実感し、信じていくものですが、周りに面倒を見たがる大人が多くなると、それがわからなくなっていきます。また、「自分にとって都合のよい人は誰か」「家の実権を握っているのは誰か」ということも察していきます。4~5歳ごろには、かなり理解できるようになってくるでしょう。幼稚園は3年間で終わりますが、その後の学校生活は長いものです。これから先も「子どもの取り合い」が続くことは、子どもの不安感を強くさせますし、将来、自分の人生に責任感を持てないような生き方につながっていく可能性も危惧されます。今回の問題は、家族のあり方をもう一度ご夫婦で話し合うよい時期ではないでしょうか? この問題を乗り越えれば、家族としての基盤を固めるチャンスにもなるでしょう。両親も自分たちで子育ての責任を取れなくなってくると、いずれ「子どもへの罪悪感」と「子どもをなくしていく喪失感」を感じることになります。もし、実家に子育ての半分をお願いするなら、あなたが「働いている姿」をお子さんに見せていくことを積極的に考えてみてはいかがでしょうか?