都会育ちの夫は田舎嫌い
都会育ちの夫は、就職して私の地元である地方に転勤するまで、他県で生活したことがありませんでした。夫とは、転勤先である私の地元で出会い、結婚。田舎での生活が不慣れな上に、人間関係もさっぱりなタイプの夫は、「田舎は交通が不便だし、ヤンキーが多い」など、田舎に対する偏見を持っています。
私は結婚したら家族ぐるみでお付き合いするのが理想でしたが、夫が面倒な人間関係は嫌がると思い、私の地元の友だちと会わせる機会はほぼありませんでした。結婚後、すぐに都会に転勤になり、娘も生まれたので私の田舎に帰る機会も少なくなりました。
なかなか帰省を許してくれない……
慣れない土地で子育てをしていた私は、徐々に孤独を感じることが多くなりました。そこで、夫に「実家に帰省したい」とお願いしたのですが、「田舎に帰るなんてお金の無駄」「帰っても娯楽がない」など散々文句を言い、なかなか帰省させてくれません。
私もだんだんストレスが溜まって「娘もきっと楽しいと思うから、1度、私の友だち家族と一緒に遊ぼう!」と夫が絶対嫌がるであろう提案をすると、「子どものためなら1度だけ」と渋々了解してくれました。
一番楽しんでいるのはまさかの夫!?
田舎に帰省した私たちは、同じ年齢の子どもがいる私の友人家族に夫を会わせて、遊園地で友だちの子どもと娘を遊ばせたり、みんなでバーベキューをしたりしました。久しぶりに友人と話せてうれしかった私ですが、こんな機会はもう最後だろうなと思っていました。
しかし、結果的に一番楽しんでいたのはまさかの夫! 夫は、休日はどこに行っても人が多い都会に比べて、のびのびと遊べる田舎で楽しそうに過ごす娘の姿を見て、とてもうれしかった様子。さらに私の友人家族とも気が合ったのか、「話しやすくて楽しかった」とノリノリ。思いもよらぬ夫の態度に私はびっくりしました。
この出来事がきっかけで夫からの「都会マウント」はなくなり、私も帰省しやすくなりました。私自身も慣れない都会で育児を始めて、都会が苦手と思うこともありました。夫も当時、慣れない土地での生活にストレスを感じていたのかもしれません。しかし出身地を悪く言われるといい気はしないので、お互いに出身地マウントはしないように気をつけています。
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著者:城ゆりこ
4歳の女の子と1歳男の子のママ。転勤族になり田舎から都会暮らしへ。現在ワンオペ育児に奮闘中。